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...distance...【BL】
- 1 :ハト:2006/02/25(土) 22:27:40
- 初めまして、ハトといいます。
最近BL作品が増えて、嬉しい限りです。 今まではずっと読者でしたが、初めてあたしの未熟な作品を晒そうと思います。
タイトルにもあります通り、BL要素盛り沢山になりますので、 苦手だ、嫌いだという方はご覧にならないよう注意してください。
どうぞよろしくお願いします。
◇◇◇
綺麗な顔をしていた。
しかし、その綺麗な顔は、いつだって傷やアザだらけだった。
- 2 :ハト:2006/02/25(土) 22:37:43
「またですか」
「またですヨ。」
彼は何の悪びれもなく、授業をサボってやってくる。
決まって、頬や口許に殴打されたような傷を作って。
「また喧嘩ですか」
「んーまあね。勝ったけど」
「今日は何人相手ですか?」
「5人。ちょっとキツかったな」
いつも、こんな風だ。
同じ学校や他校の生徒と喧嘩をして、彼は傷を負うのだ。
だいたい勝つらしい、興味はないけど。
向かいの椅子にだらしなく座るその生徒を、ちらりと見た。
「それより先生、手当てしてよ手当て。ケガしてんだけど俺」
「……」
細長い指で、お菓子を催促する子どものように机を叩く。
俺は溜め息をついて、椅子から立ち上がり後ろの薬棚へ向かった。
頬は冷やした方がいいだろう。
口許は消毒してから絆創膏、あとは―――…
- 3 :ハト:2006/02/25(土) 22:53:15
整った顔に、手を伸ばす。
一週間前に腫らした目は治ったようだった。
ただし、3日前のアゴのカサブタはまだ剥がれていない。
どうしてこうも喧嘩っ早いのか、不思議に思いながら、頬の殴られたようなアザに、薄い湿布を貼った。
続いて、口許の傷の消毒に移る。
消毒液を染ませた脱脂綿で、傷口を軽く叩く。
絆創膏に手を伸ばそうとした、その時。
「…っ」
その腕を掴まれ、引き寄せられて無理矢理にキスされた。
唇を重ねる、なんて甘いものじゃなく、噛みつくような、荒れたキス。
俺は驚いて目を見開き、とっさの判断で、ここで口を開けたら負けだと、歯を食いしばった。
息苦しい中で必死に、彼を突き飛ばすように抵抗を続け、ようやく開放された。
手の甲を自由になった唇に当て、正面の彼を睨む。
「…傷えぐりますよ」
「舌出してよ、先生」
「嫌です」
俺の名前は上村(カミムラ)春介、26歳、養護教諭。
17歳の生徒、西田融児の俺に対するこういう類の行動は、ガキ特有のからかいだと思っている。
それ以外、ないだろ?
- 4 :RAKA (/WuYw6KCjU):2006/02/26(日) 00:22:12
- 初めまして。
BL好きなので、頑張って下さいね。 応援しています。アゲ☆
- 5 :真紀:2006/02/26(日) 00:25:58
- 凄い文章綺麗ですねっ!!
頑張ってください。 私もBL大好きです♪
- 6 :弥生:2006/02/26(日) 07:06:56
- めちゃくちゃ文才あるじゃないですかー(・∀・)アゲ
- 7 :のぶ:2006/02/26(日) 08:50:35
- あげますw生徒×教師大好きです
- 8 :ハト:2006/02/27(月) 00:00:27
- RAKAさん
こちらこそ初めまして。 応援コメントありがとうございます! これからも見守って頂ければ嬉しいです(・v・*)
真紀さん 綺麗だなんて…!ありがとうございます。 これからも精一杯頑張っていこうと思います。 よろしければまた、ご覧になってくださいね(ノ∀`*)
弥生さん あげありがとうございます! あたしなんてまだまだです、でもとても嬉しいです。 どうぞまたご覧になってください(^∪^*)
のぶさん あげありがとうございます! あたしも生徒×教師は大好物です(笑) ぜひまたご覧になってください(^∀^*)
◇◇◇
届かない想いなら、発散するしかない。
だから、今日もまた、人を殴った。
単純すぎるかもしれないが、他の発散方法ではうまくない。
だけど、最近暴れすぎかもしれない、さすがに息が切れる。
「…っはあ、はぁ、…あー…」
せっかく塞がりかけてきたアゴのカサブタがまた剥がれた。
生ぬるい感触で、右の目元から血が流れているのが解った。
汗と一緒にその血も乱暴に拭った。
ああ、ムカつく、意味もなく全てにムカつく。
地面にうつ伏せに倒れている名前も知らない男のわき腹を蹴ってから、俺の足はある場所へ向かっていた。
- 9 :ハト:2006/02/27(月) 00:10:05
「ヤらせて」
「また?」
「まただよ、悪ぃか」
「別にー」
賃貸のワンルームマンション。
その住人は、呆れた顔で俺を見た。
新しめで、部屋も建物の外観も綺麗だし、立地条件もよく悪い物件ではない。
そんなところに学生が一人暮らしだなんて贅沢すぎるだろ。
一度そう言ったら、いいの、俺だからと訳の解らない返事が返ってきた。
沢村純というこの同級生は、自分のことを多くは語らない、謎の多い奴だ。
「お前の気分に合わせてめちゃくちゃにされる俺の体の身にもなってよ」
「解ってるよ」
絶対解ってない、という純の文句は聞かなかったことにして、
俺は純の服を脱がせることに集中した。
シャツのボタンをひとつひとつ外していく。
あらわになっていく肌に、何か所も唇を落とした。
「…っ、ぅ、あ…跡、つけん、なよ…っ」
「大丈夫だって」
首筋から鎖骨へと唇を這わせながら、セミダブルのベッドに静かに体を沈めた。
- 10 :ハト:2006/02/27(月) 00:17:40
純は、男に体を売っている。
根が気分屋なので、毎日というわけではないが、結構な稼ぎになるらしい。
どっかのお偉いさんと、愛人関係になったことがあるという話も聞いた。
まあそういうわけで、お互いにヤりたいときに利用し合う(主に俺だけど)、軽い関係が続いている。
「あ、あぁ…ッ、んぅ…」
純の涙交じりの声は、とてつもなく色っぽい。
もう少しこの声を引き出したくて、固くなり紅潮し始めている乳首を執拗に攻めた。
片方には爪を立て、もう片方は指の腹で優しくさする。
純の反応は素直でいい。
「んー…んッ、あ、ァ…っ」
「最近、誰かとヤった?」
顔も体も、どう見てもまともな状態でない純に、何となく聞いてみる。
純は真っ赤な顔で、ちらりと俺を見た。
だけどすぐに目を逸らし、細く長く息を吐いた。
「…一…週間…くら、い、前…」
「へえ、結構間隔空いてんだな」
純の表情を楽しみながら、右手を下へ下へと下げていく。
腹、腰、触れるたびに純の体はぴくん、と小さく動いた。
- 11 :ハト:2006/02/27(月) 00:25:14
「いい?」
ヤダっつわれてもやるし、純はヤダなんて言わないから聞く意味なんてないけど。
案の定純は、息を乱しながら首を縦に振った。
間髪入れずにズボンと下着を同時にヒザの辺りまで下げ、柔らかく扱いてやる。
「ああ…ん、んぅ…っ!」
「純…」
名前は呼ぶけど、こういう時に俺は、100%純のことを考えてはいない。
頭に浮かぶのは上村のことだ。
あの人は汗もかかなさそうだし、一人エッチもしてなさそうな顔をしている。
性格も顔立ちも、性的な欲求も淡白なのかもしれない。
だからこそ、興味が湧いて仕方がない。
- 12 :ハト:2006/02/27(月) 00:34:12
頭は集中してないくせに、俺の指はちゃっかり、純の柔らかくなった入り口を弄っていた。
さすったり、指先をほんの少しだけ入れてみたり。
中途半端な動きを繰り返すと、純の腰が僅かに揺れ始めた。
「っく…あ、やぁっ…ゆ、じっ、ゆうじっ、」
「何」
こんな時に主張するのはひとつだけ、解ってはいるけどあえてすっとぼける。
純の目が苦しそうに細められ、俺はその様子をじっと見つめた。
「入れて、もう…、っあ、俺ッ、ムリ…」
「…ああ」
確かに俺も、そろそろだ。
少し急ぎ気味でズボンと下着を下ろして、濡れた入り口を確認した。
なるべく純に負担をかけないように気をつけて、腰を前へ進める。
「ん…ふ、ぁっ…!」
結構な数の男を相手にしているだろうに、締まり具合は相変わらずだ。
やっぱ気持ちいい。
少しずつ、腰の動きを早めていく。
「っ…純、」
「ゆう…ッ、あっ、ああぁッ…!」
純の体から力が抜けていく。
俺も細く息を吐いて、圧迫する狭い中から抜け出した。
汗でデコに張りつく純の前髪を、そっと払ってやった。
- 13 :弥生:2006/02/27(月) 03:02:56
- アゲだぁーーーーーーーーーーーーーー!!!
すいません・・・2回も・・・(;´Д`) もう本当にめちゃくちゃいいですよ!!うますぎ!! アゲです!
- 14 :RAKA (/WuYw6KCjU):2006/02/27(月) 10:34:08
- やっぱり描写が素敵です!
設定も私好みで…【変態 では、次の更新待っておりますw
- 15 :ハト:2006/02/27(月) 23:39:29
- 弥生さん
二度もありがとうございます! とっても嬉しいですよー本当にありがとうございます♪(´∀`*) これからも頑張っていけそうです(笑)
RAKAさん 気に入っていただけたようで、とても嬉しいです! あたしも、自分が好きな設定で書いてるので…趣味が合うんでしょうか? またぜひご覧ください(´∇`*)
◇◇◇
少し経ってからシャワーを浴びて、上がる頃に純がコーヒーを淹れてくれていた。
有り難くもらって、飲んでから帰ろうと、椅子を引いた。
テーブルを挟んで向かいに座った純が、ミルクと砂糖をコーヒーに足しながら呟いた。
「…で?まだヤれてないの、先生とは」
「違う、“ヤれない”んじゃなくて、“ヤらない”の。」
そこんとこ強調するのを忘れない。
ヤろうと思えばヤれないこともない、でもそうはしない。
「珍しいよね、融児にしては」
「何が」
「今までならヤりてぇとか思ったらすぐヤっちゃってたじゃん」
男とか女とか関係なく、と純が言う。
確かにそうだったかもしれない、よく覚えてないけど。
どちらかと言えば俺は、俺が気持ち良ければいいと思っている(ヤる相手には言わないけど)。
だから確かに、この子可愛いなーヤっちゃいたいなーと思ったらすぐに声をかける。
自慢していいものか、断られることはまずない。
コーヒーを一口、飲み込んだ。
- 16 :ハト:2006/02/27(月) 23:47:42
「融児はさ、何でカミムラがいいんだっけ?」
「言ったじゃんそれ、前に俺言ったじゃん」
「忘れた」
進んで何度も言いたいことではない、気恥ずかしさが混じる。
でも純の前で黙秘を貫くことは、こいつの性格上8割方ムリだ。
仕方がなく、俺はぽつりぽつりと話し始める。
「…何つーかさ…これだけじゃねぇけどさ…」
「うん」
「そそられるワケよ、あの白衣」
純が少し、驚いたような顔をした。
無言でノーリアクションが一番困る。
笑い飛ばすか、は?とでも言ってくれた方が楽だったかもしれない。
「白衣ねぇ…白衣なんてみんな着てるじゃん」
「いや違ぇって、上村が着るからいいんだよ白衣っつーのは。理科教師とかが着てても何も思わねぇよ俺」
言葉に、ちょっと熱が入ってしまったのは今更、気にしないことにした。
純にも特別引いた様子はない。
まあ、この程度で引くような性格を、純はしていないけど。
「ああよかった、融児白衣フェチなのかと思った」
「上村 限 定 白衣フェチで。」
「了解。」
何だか上手くまとまって、純と二人で声を上げて笑った。
相変わらず、上村の心は固いけど。
- 17 :ハト:2006/02/27(月) 23:53:35
◇◇◇
2年生の数が、他の学年と比べて頭ひとつ抜けて多い。
この一週間の保健室来室人数の話だ。
増やしている原因は、どう考えたってひとつしか浮かばないけど。
ノートパソコンに向けていた目を閉じた。
「どうしました?溜め息なんか吐いて」
出入り口の方から声がした。
目を開けて、声のした方を振り返る。
「…松島先生」
「どうも」
仕事が忙しいのか、と聞かれたが、ええ、まあ、と流しておいた。
2年生の、確か数学を教えているこの男。
無視するわけにもいかず、可動式の椅子を回して、先生の方へ体を向ける。
「何か?」
「伝言です。保健便り用の資料、事務局から明日には届くそうですよ」
- 18 :ハト:2006/02/27(月) 23:59:53
張りついたような(悪いが俺にはそう見える)笑顔。
いつもこんな調子で話を振られる。
「わざわざありがとうございます。…内線、あるのに」
保健室の壁に設置された、普通の電話の横にもうひとつ。
これは職員室と保健室を繋ぐ内線通話機で、生徒の担任との連絡によく使う。
職員室と保健室は同じ階にはあるけれど、生徒とのすれ違いを避けるために連絡は主に内線を使っている。
なのに、この人だけは違う。
伝言だ資料だ連絡だと、内線を使えば済むものを毎度毎度、保健室まで出向いてくるのだ。
日頃から、いい加減にしてくれ、とは言いたくても言えずにいた。
だけど今回は、さすがに限界を感じつつあったので、顔には出さずに嫌味ったらしく言葉にしてみた。
「そうですね」
一歩、二歩、松島先生がゆっくりと、こちらへ近づいてくる。
俺はその足をじっと見ていた。
動きが止まるのに合わせて、視線をふっと、上げてみる。
不本意ながら、松島先生の笑顔にぶつかった。
「上村先生は職員室にはなかなかいらっしゃらないでしょう」
「ええ」
「なかなかお会いできませんからね」
別に俺は、あんたと会えなくても何もないけど。
はあ、そうですね、と、聞こえるか聞こえないかくらいの大きさの声で呟いておいた。
「…まだ何か?」
「ああ、いえ」
もう用は済んだだろうに、戻ろうとしない松島先生にさり気なく促す。
この時点で俺は机に向き直り、もう彼の方を向いては居なかった。
これじゃまるでノートパソコンに話しかけているようだろうが、別に構わない。
「上村先生、今週の土日どちらか、空いてませんか?」
「…はい?」
- 19 :ハト:2006/02/28(火) 00:04:24
質問の意図が汲み取れず、首だけ松島先生の方に振り返る。
微笑んで、彼は続けた。
「どこか、飲みにでも行きません?」
「………」
何を言っているんだこいつは。
俺があんたと二人で飲みに行く理由がどこにある?
「…残念ですが、週末は予定が」
「今週じゃなくても構いませんよ?先生の都合に合わせて、平日でもいつでも」
だから、行く気ねぇんだっつーのに。
彼は笑顔を崩さないから、こっちが敵意剥き出しにするわけにもいかない。
同僚付き合いってのは何て面倒なんだ。
曖昧に濁して断ろうと、口を開きかけた、その時。
「松島センセー。」
- 20 :ハト:2006/02/28(火) 00:09:05
松島先生が入ってきたときのように、出入り口から声がした。
声の主は、案の定。
「先生、教科連絡のヤツが探してたけど。」
「ああ…悪かったな西田、すぐ行く」
じゃあまた、と微笑んで、松島先生は職員室へ戻っていった。
俺は何も言わなかった。
「…何話してたんだよ」
我が物顔で俺の向かいに座る彼。
ちらりと見れば、右目の横に新しい傷跡があった。
「何も。飲みに誘われただけで」
「行くなよ!」
「あなたに言われなくても行きませんよ」
椅子から立ち上がって身を乗り出した彼は、そう聞くと安心したように笑った。
椅子の足についているキャスターを動かして、座ったままこっちへ近付いてくる。
次の授業がどうだとか、何だか色々と喚きながら。
本当に、騒がしい人だ。
この時間二回目の溜め息を吐いた。
- 21 :ハト:2006/02/28(火) 00:14:36
「…先生、解ってないっぽいから言うけど、絶対ぇダメだあいつは。ヤベーよ、目が違ぇ」
「はあ、そうですか」
「解ってんの?身の危険だろ身の危険。」
一瞬何のことを言っているのか解らなかったが、彼の口ぶりから松島先生のことを言っているんだと理解できた。
何が身の危険だ、とそれ以上は話に踏み込まないでおいた。
会話を止めて、ノートパソコンに向かい続ける。
彼は珍しく、何も言わずに大人しくしている。
もうすぐ昼休みが終わる、このまま会話のない状態で終わりたいと、心の隅で願った。
だけどその願いも、次の瞬間無意味なものとなる。
「先生」
「は、…!」
呼ばれ、顔を上げる。
警戒心が足りなかった。
完璧に油断していたせいで、彼の下の侵入を許してしまった。
「……ん、う、…っ…」
逃げても、逃げても、彼の舌に捕まる。
アゴは彼の手で固定され、動かすのも難しくなっていた。
息苦しくなって、彼の腕を握って抵抗を示していた手に力を込める。
それに気付いたのか、やっと唇を離した。
「…いい加減に、」
「悪い虫がつかないよーに。」
ネ?と言って、笑って見せた。
言い返す気もなくし、視線を完全に、彼から剥がした。
「じゃーね先生」
ひらひらと手を振って、彼が出て行くのを確認した後で、浄水で口をすすいだ。
それでも残るあの舌の感触が、やけに生々しかった。
- 22 :ハト:2006/03/03(金) 23:41:52
男にこういう風に言い寄られたのは何も、西田や松島先生が初めてではなかった。
高校時代、部活の夏合宿では三年連続で違う野郎に寝込みを襲われたし、
教育実習で行った学校じゃ具合が悪くて寝てるはずの男子生徒にベッドに連れ込まれかけたこともあるし、
その学校に勤めてた職員にセクハラ紛いの言動だって受けたし。
自分は至ってノーマルなのに、“そういう”方々にうけたり、普通の奴らの“そういう”部分を刺激してしまうらしい、昔から。
断じてわざとじゃない。
俺はただ、普通にしているだけなのに。
ただ、今までの奴らはどんなにしつこくても、俺は素の態度が冷たいので自然と離れて行った。
だけど今はそうじゃない。
どんなにしても、離れるどころか更にしつこくつきまとってくる。
何なんだあいつは、俺の経験と理解を超えている。
「…はぁ……」
もう数える気にもならない何度目かの溜め息を吐いた。
◇◇◇
短い上に中途半端ですが、今日は時間もないのでここまでにします。 それでは失礼しますー
- 23 :のぶ:2006/03/04(土) 00:24:18
- この小説すごくタイプですwこれからも頑張ってください。あげ
- 24 :弥生:2006/03/04(土) 06:29:35
- 更新だーーーーー!!まってましたよー!!
- 25 :ハト:2006/03/05(日) 23:25:41
- のぶさん
コメントありがとうございます。 タイプだなんて嬉しいです(*´v`*) はい、頑張ります!
弥生さん ありがとうございます。 最近更新頻度が…頑張ります(;´∀`) また覗いてみてくださいねー
◇◇◇
だって、好きだと思ったんだ。
初めて見たとき驚いて、それからどんどん夢中になっていったんだ。
そんなことは、俺にとって全く初めての感覚だった。
その日は、至っていつもと同じだった。
朝、急いで行っても(急ぐ気はないけど)遅刻決定の時間に家を出て、
地下鉄に乗って、地元を離れて。
学校に向かう途中で他の学校の知らない奴らと喧嘩して。
相手は二人だったから特に苦労もせず、いつも通りに勝ってやった。
それからは学校に直行した。
教室に行く前に絆創膏でももらうか、と何気なく寄ってみたその場所で、
「…誰?」
出会った。
- 26 :ハト:2006/03/05(日) 23:34:53
「…サボりですかケガですか」
「…あー…ケガ…つーか、あんた、」
「まずこれに必要事項記入してください」
男は言いかけた俺の言葉を無視して、鉛筆と、小さな黄色い紙を渡してきた。
年組名前、今日の日付と来室時間と、ケガか病気か…
保健室なんて初めて来たけど、こんなもん書くんだ。
「いや俺、大したことねぇからさ。絆創膏だけくんない?」
「だめです、それ書いて」
カバンが重かったので、床に置いて俺は椅子に座った。
つーか、この紙を渡したっきり俺の方を見向きもしないこの男は誰だ。
いや保健室のセンセーか。あれ?
「保健のセンセーってオバサンじゃなかったっけ?あんた誰?」
確かそうだったと思ったので聞いてみた。
すると、ようやくゆっくりとこっちを向いた。
「今日付けでここの養護教諭です」
「まじ?知らねー」
「今朝わざわざテレビ放送されてましたが、今来たんでしょう?あなた」
今朝のテレビ放送なら俺は観ていない。
じゃあ知らないわけだ、と納得した。
「解ったから先生、絆創膏」
「書きましたか?」
「まだ」
「じゃあダメ」
頑なな態度に少しだけイラついたので、ちょっと嫌がらせでもして帰ろうかと、ガキっぽい考えが浮かんだ。
床のカバンを掴んで、椅子から立ち上がって薬棚に向かう。
「んじゃ勝手にもらってく」
白い扉に手をかけると、露骨に嫌そうな顔をして近付いてきた。
俺の手首を掴んで静止する。
冷たい手だった。
- 27 :ハト:2006/03/05(日) 23:42:25
「薬関係は勝手に漁るもんじゃありません」
至近距離で、初めて顔を見た。
芸能人のような、とは言わないが、整った顔立ちで。
保健のセンセーとしてはこういうのは見過ごせないのか、今思えば珍しく真剣な顔つきだった、この時ばかりは。
お互いに黙ったままの状態が続いて、先生は俺の手首から手を離した。
「…どうしても書くのが嫌なら、今回だけは…」
先生の言葉は聞こえなかった。
ただ無意識に、離された手をもう一度掴み、肩を引き寄せた。
あ、ともう、ともつかない声が先生から漏れたような気がしたけど、それも無視した。
ただ夢中で、一方的に噛みつくようなキスをした。
唇を離したとき、さすがにまずかったかな、と思って少し焦った。
少し離れて、様子を伺うことにした。
「……な、」
何が起きたのか、いまいち解っていないみたいだ。
ただ口許に手を当てて、呆然としている。
「先生?」
呼びかけると、ちらり、とこっちを見た。
溜め息をつきながら視線を逸らし、薬棚に手を伸ばした。
その白く大きな手に取ったのは中サイズの絆創膏。
それを、無言で俺に差し出した。
「もらっていーの?」
こっちを向くことも、返事をすることもせずに、先生はただ頷いた。
俺がそれを静かに受け取ると、やっと小さく呟いた。
「教室、戻りなさい」
そのまま俺は、何も言わずに保健室を出た。
カバンを肩にかけて、手の平に絆創膏を握りしめて。
本当はあの時、何も言わなかったんじゃない、言えなかったんだ。
キスした後の先生の、少し紅潮した頬、上擦った声、夢中になっていた。
名前を聞けばよかったと後悔しながら、あの黄色い紙に俺の名前だけ書いておいたことを、少しだけよかったなと思った。
- 28 :コゥ:2006/03/06(月) 20:01:42
- はじめてよみましたw
おもしろいです!! あげ
- 29 :のぶ:2006/03/06(月) 21:16:47
- また来ましたww先生が好きです。この小説のためなら何でもやれます(笑)まずはあげ
- 30 : :2006/03/23(木) 20:49:05
- あげ
- 31 :ハト:2006/03/24(金) 23:51:35
- 更新止まっててすみませんでした。
法事を兼ねて、春休みなのでちょっと長く田舎に行っていました。 忘れられているかと思いますが、ひっそりと続けたいと思います。
レス下さったコゥさん、のぶさん。 あげてくださった名無しさん。 時間の都合上、今回は個別レスができませんが心の底から感謝します! ありがとうございます!
◇◇◇
線の細い繊細な字で、書かれた4文字が示すものは彼の名前だった。
「(……ケガの部位も程度も書いていない)」
机に置かれた黄色い小さな紙を手に取り、溜め息をついた。
教職について3年、赴任した学校は教育実習を入れるとここで3校目。
関わってきた生徒は当然たくさんいるが、こんな生徒は初めてだ。
何だ、一体何が何だって言うんだ。
初対面でキスなんてどういうつもりだ、なめられたのか?
唇を拭いながら、もう一度机の上の紙を見る。
「西田…融児…」
思わず呟いた名前と共に、彼の顔が頭の中にはっきりと残ってしまった。
さっきの出来事も含めて、全て綺麗さっぱり忘れてしまいたいのに、
これから学校でほぼ毎日顔を合わせるかと思うとそれも叶わない気がした。
―――先生?
頭の中で、あの整った顔が俺の名前を呼んだ。
誰もいないのをいいことに、露骨に眉をひそめておいた。
- 32 :ハト:2006/03/24(金) 23:59:19
―――なーんてむかしのことを思い出している場合ではない。
俺は今忙しいんだ、生徒や同僚なんて仕事以外のことでは悪いが構っていられない。
資料のまとめ作業を迅速に済ませ、午後から放課後までには10人弱の生徒の来室があったのでそれに対応した。
今日の分の来室者資料を全員分、まとめた資料に追加しているうちに、結構な時間が経っていた。
椅子から立ち上がり、首の骨を鳴らしながら窓に近付いて、白いカーテンを少しめくった。
「(だいぶ暗いな)」
そのまま腕時計を見ると、もう夜の9時を回っていた。
遅くてもまだ7時台か8時だろうと考えていたので少し驚いた。
「(さすがに、もう帰るか。この時間だと、家に着くのは10時ちょい前…)」
人気のない、暗い通学路を見下ろしながら、考えをめぐらせた。
「まだ残ってらしたんですか」
もう自分以外誰もいないのではないかとさえ考えていたので、突然の声に驚いた。
反射的に振り返るとそこには、あの笑顔。
びっくりしたのを悟られないよう、反射的に表情を作る。
「…松島先生こそ。今日は遅いんですね」
「ええ、急ぎの仕事があって」
あ、なんかやばい、と思ったときにはもう遅かった。
松島先生が、俺のすぐ目の前にいる。
運悪く窓ガラスを背にしている俺には、逃げ場所がない。
最悪だ。
- 33 :ハト:2006/03/25(土) 00:10:34
「…悪いんですけど、今日はもう急いで帰りますので」
「上村先生、」
俺の言葉はまるで無視して、彼は更に俺との距離を縮めた。
横に逃げようとした腕を、寸でのところで掴まれる。
「放してください」
少し声が震えたのが悔しかった。
それでも精一杯、睨みつけて突っぱねる。
「帰ります、放してください」
さっきよりはまともな声が出た。
しかし彼は、何も聞こえていないような顔で、俺の腕をつかんだまま。
「どうして?」
しれっとしたその言葉に、俺は心底腹が立った。
つい、言葉を荒げる。
「ふざけるなっ」
「そう思うんですね。じゃあなぜ言わないんですか」
「そう言ってる!」
「俺にじゃない」
一瞬、言葉に詰まった。
松島先生の顔がいつになく真剣で、怖いとさえ思ってしまったからだ。
一呼吸置いて、彼は続ける。
「西田にだ」
- 34 :ハト:2006/03/25(土) 00:18:55
西田? 西田融児?
俺は訳が解らなくなって、ますます言葉が出てこなかった。
喉が渇く。
「今日の昼、西田に言われた教科連絡の生徒を探したんですが、どうも見当たらなくて。 西田に確認しようと思って保健室まで戻ったんです、そしたら」
「……」
「あんな上村先生は見たくなかった。俺の腕の中ならまだしも。」
それはあんたの、自己陶酔じゃないのか?
そう思ったことは引っ込めて、ようやく落ち着きを取り戻したので静かに言った。
「誤解されているようですが、僕と西田くんは別に何も」
「どこまでさせたんです?」
ああ、無視か。
彼の目はどこか挑戦的にも取れた。
俺は、落ち着きはしても苛立ちが治まりきっていなかった。
「話を聞きましょうよ。何もないと言ってる、第一あなたに関係ない」
「俺に関係ないとしてもだ。狭い学校だ、噂が広まるのも早い。 それでなくても噂というものは、誇張して伝わるものですよね」
「だから、」
「先生と西田が何の関係でもないとしても、行為があったのは事実でしょ?」
ここまで話して、もうこの人との会話は意味がないものだと悟った。
これ以上は時間の無駄になりかねない。
肯定する部分はそうすることにした、あくまで、冷たい目を崩さずに。
「キスしかしてません」
- 35 :ハト:2006/03/25(土) 00:26:07
すると、この発言が意外だったのか、彼の言葉が止まった。
帰るなら今しかないんじゃないか?
腕を振り払いたくて少し動かすが、掴まれているその強さは変わらない。
むしろそのままの状態で、彼がただでさえ近い俺との距離を更に縮めてくる。
「痛って…」
俺の背中には窓ガラスしかない。
押し付けられて、ガタ、とガラスが揺れた。
「キス“しか”?物足りないような言い方をするんですね」
「捉え方の問題だ。…いい加減放せ」
再び、口調が荒くなった。
ただし、今度は幾分静かに。
俺の冷えた目と視線を交えながら、松島先生もまた静かに笑った。
「俺ともしてくださいよ。キス以上のこともしてあげますけど」
「馬鹿なこと、松島せんっ……!」
体重がのしかかり、窓ガラスが悲鳴を上げる。
抗議の声は唇を塞がれて消された。
嘘だろ、オイ。
- 36 : :2006/03/25(土) 00:29:11
- あげ
- 37 :光:2006/03/25(土) 10:06:09
- ま、松島―――!!!!(失礼だよ)
何してるんですか貴方!? 上村先生哀れ… 男に好かれすぎにも程がありますね… 西田怒るよなぁ〜 フフフフフフ(気持ち悪いよ) 今後の展開が楽しみだなぁ(何だよお前) これからも頑張ってください。 全身の力を振り絞ってアゲます(迷惑だよ)
- 38 :矢神:2006/03/25(土) 13:44:52
- あげときますね♪
- 39 :藪中:2006/03/25(土) 16:37:39
- age(・∀・)age!
- 40 ::2006/03/25(土) 21:46:05
- ぁげ
- 41 : :2006/03/26(日) 01:11:43
- age
- 42 : :2006/03/26(日) 22:21:50
- age
- 43 :ハト:2006/03/27(月) 23:55:18
- 光さん
コメントありがとうございます! 何だかじっくり(?)読んで頂けているようで、嬉しいです(´∀`*) 迷惑なんかじゃないですよ、むしろ嬉しいです。 はい、これからも頑張りますので、またぜひ!
矢神さん、藪中さん、さん、36・41・42の名無しさん、 あげてくださってありがとうございます!
◇◇◇
「んっ…ぅ、…」
声を押し殺そうとして、逆にそれが扇情的だということをこの人は解っていないようだ。
嫌悪感からだろうが、ぎゅっと目を瞑るその顔も、俺にしてみればたまらない。
いつからだろうか。
俺はいつから、この人にこんなに執着するようになったのだろうか。
初めてこうしたいと思ったのはいつのことだったろうか。
もう自分の感情もよく解らなくなるほど、この人への興味が強いということだ。
それでもこの人は多分、そんなの僕には関係ない、と言うのだろうが、少し自覚してもらいたい。
俺や、西田のように彼を思っている奴が、この学校に果たして何人居るものか。
キスしたいとかセックスしたいとかじゃなくても、綺麗な顔だと思ったり、些細な仕草にどきりとしている奴らが、
行動に移さないだけで、実は結構な数が居るんじゃないかと俺は踏んでいる。
だからこそ、だ。
実態の見えない誰かより先に、自分のものにしてしまいたいのだ。
西田とは恋人関係にないと、本人が言った。
だとすれば先を越されないように、無理矢理にでも奪ってやりたい。
長いこと重ね合わせていた、唇をゆっくりと離した。
- 44 :ハト:2006/03/28(火) 00:02:31
「っはぁ…!ふざけん、な」
「何とでも」
「んっ…」
長いキスで息苦しかったのか、言葉は途切れ、肩で息をしている。
赤い頬と、それでも鋭さを失わない目に煽られて、もう一度乱暴に唇を重ねた。
今度は抵抗がひどい。
両腕を掴まれているというのに、俺を押し返そうとしたり腕を引いたり。
唇から逃れようと首を振り、とうとう二度目のキスは
顔を近づけたまま、真っ直ぐに上村先生の目を見る。
最初は睨むような視線だったそれも、こころなしかとろんとしてきたように見える。
見つめ続けていると、困ったように視線を外された。
可愛いんだよ、それ。
その仕草を油断と受け取った俺は、次の行動に出る。
彼の抵抗を戒めていた腕を、片方放す。
意外だったのか、上村先生意図が解らない様子だ。
俺は自由になった右腕をそのまま、彼の着ているカットソーの下に潜り込ませた。
- 45 :ハト:2006/03/28(火) 00:11:01
- ミス発見; 訂正です。
×とうとう二度目のキスは ○二度目のキスは諦め、唇を離した。
◇◇◇
「ちょっ…!」
横腹辺りに指を這わす。
冷たい、肌。
さらりとした感触が心地良くて、円を描くように撫で続けた。
「っこの…、やめろ触るなっ」
「やめろ、って言われて、やめると思います?この状況で」
そんなことは聞かなくても、彼だって十分知っていると思う。
悔しそうに、唇を噛んでいた。
その様を見て俺は、喉の奥で笑った。
首筋や鎖骨を、キスで埋める。
上村先生の首は少し熱く、脈拍がこころなしか速い。
わざと意地悪く、こう尋ねてやった。
「先生、どこまですると思います?」
先生の顔が一瞬にして強張ったのを見て、この上なく楽しくなった。
腹を撫でていた手のひらを、少しずつ上へと移していく。
冷たかった肌に少し、熱が灯った。
- 46 :ミナ:2006/03/28(火) 00:37:32
- 先生好きです!
頑張ってくださいv
- 47 :光:2006/03/28(火) 09:43:24
- 上村先生がぁ〜!!
上村先生の体が危ないよ――!!(ウザイよ) おのれ…松島め(何) うーん、なんかもう上村先生がめちゃめちゃ可愛いです(いきなり何だよ) 男に好かれるのも無理はないか(´Α`) 西田早く来いや(命令するな) これ以上ほっとくと上村先生が犯されr(撲殺) 今後の展開を想像(妄想の間違い)すると鼻血出そうです(アホめ) こんな変態丸出しの駄文が嬉しいですか!? いやぁ照れちゃいますよ ウヘヘヘヘ(黙れ) 頑張ってくださいね!! これからも私コメントしまくります(ほどほどにしろ)
- 48 :ミナ:2006/03/29(水) 01:13:23
- agev
- 49 :ななこ:2006/03/29(水) 14:09:09
- アゲ
- 50 :ハト:2006/03/29(水) 23:30:07
- ミナさん
ありがとうございます! 先生気に入っていただけたようでとても嬉しいです(´▽`*) はい、頑張りますのでぜひまたご覧ください。
光さん またもありがとうございます! いえほんと、嬉しいですよこんなに感想いただけて! 色々と思いながら楽しんで頂けているなら最高に嬉しいです(ノ∀`*) またぜひ、読んでやってください。
ななこさん、ありがとうございます。
◇◇◇
携帯の電池が一つ減った。
何だろ、特に電池食うようなこと何もしてないんだけど。
念のためと思って、二つ折りを閉じてポケットに突っ込んでおいた。
あーあ、今日は早く帰るつもりだったのに。
純の家で観たことないDVD(映画だよ、えっちなのじゃないよ)を観せてもらって、熱中してたら結構な時間が経ってしまった。
ついさっき、仕事の時間っつって追い出されたとこ。
仕事とか言って、ヤるだけなら俺の相手してっつったら、融児は金取れないからヤダとか言われた。
学生さんは金がねぇんだよ畜生。
気が付いたら学校の前だった。
純の家と学校とは、歩いて少しの距離だから羨ましくてしょうがない。
夜間学校ではないんだから当たり前だが、暗い学校はあまり印象にない。
車道を挟んで向かいの道路を歩きながら、すっかり電気の落ちた廊下を窓越しに眺めていた。
- 51 :ハト:2006/03/29(水) 23:37:23
ふと、気が付いて足を止める。
2階の、あの一角は。
どうしたんだろ、保健室、まだ電気点いてら。
せんせー、と叫んでみたいが夜だし、周りに住宅もあるし近所迷惑だっつーの。
仕事中だろうから今は一旦引いて、明日の話の種にでもすっかなあ、と俺にしては珍しく柔らかい考えをめぐらせてみた。
「あれ?」
思わず、小さな声で呟く。
閉まっていたカーテンが揺れ、人影がちらつく。
ああ、先生だな。
もしこっちを見て俺を見付けでもしたら驚くだろうなーと思うと楽しくなった。
驚くっつってもまあ、あんまり表情は変えないだろうけど。
人影は心なしか大きくなって、カーテンが半ば引っ張られるようにめくられた。
………あ?
「……おい、」
何だあれ。
こっちを向いていたのは先生じゃなくて、先生はむしろこっちに背を向けていて。
何で、何で松島があそこに居んだよ!
いやいい、別にいい、一緒に居るだけなら別に構わないかもしんねぇけど。
だけど今のあの状況は、あの体勢はやばいんじゃねぇか?
俺と目が合ったことに、向こうも気付いたらしい。
口許と目が笑って、そしてすぐにカーテンを閉められた。
ふざけんな、おい待て、待て!
松島のそれに逆上したのかもしれない。
考えるより先に、体が学校に向かって走っていた。
- 52 :ミナ:2006/03/30(木) 00:33:03
- わぁ、続き気になる!
先生たちこの後どうなっちゃうんだろv えっと松島なんかに先生襲われたちゃって… 松島先生なんかに襲われるくらいなら私が!(何!?。 まぁ、まんてウソですけどv 頑張って
- 53 :光:2006/03/30(木) 12:31:21
- ぶはぁッ!
来た来た来た!!西田来たよ!!(うるさいよ) うーん、どうなるんでしょうか… (´Д`*)ハァハァ なんかもう…上村先生萌え――!! ハァハァハァハ(殴) 西田と松島の争い… 上村先生の奪い合い… ハァハァハァ… ぶふぉぁッ! 鼻血出る!いや出た! こうなったら私が上村先生を奪ってやる!!(迷惑) この小説最高だよー興奮しすぎて死にそうだよー ごめんなさい。 変なコメントばっかでごめんなさい。
- 54 :藪中:2006/03/30(木) 14:33:06
- 先生ムハハハ(・∀・)age!
- 55 : :2006/03/30(木) 17:59:05
- age
- 56 : :2006/03/30(木) 22:45:20
- あげ↑↑
- 57 :ハト:2006/03/30(木) 23:15:02
- ミナさん
コメントありがとうございます! 続きがまだ脳内でまとまってなかったりしますが(…)、 ぜひまた読んでやってください。 はい、頑張ります! 光さん 来ましたよー!やっとですね(´∀`;) これからどうなるのか、あたしにもまだ解りません(え) 光さんのコメントは楽しんで頂けているのが解って嬉しいですよ。 ありがとうございます!またぜひご覧ください。
藪中さん、55・56番さん、ありがとうございます!
◇◇◇
「先生!」
廊下を走って、階段を2段ほど飛ばして駆け上り、乱暴に扉を開けた。
息が上がる。
ゆっくりとこっちを振り返った松島に、押さえ込まれるようにしている先生は、俺を見て想像以上に驚いた顔をしていた。
「先生?…どっちの?」
「てめぇじゃねぇ」
「まあ、そうだろうな」
上村は何か言いたそうな顔をしているが、それは俺には解らない。
顔だけをこっちに向けて、松島が続けた。
「おかしいな。この時間なら正面玄関、鍵かかってるだろ。 セキュリティの関係であれ、内側からしか開かねぇんだけど」
「1階の廊下の窓な、一か所鍵壊れてんだよ。 こんなんでセキュリティもクソもあったもんじゃねぇな」
「なるほど」
松島が、感心したように笑ったが、それも憎たらしいだけだった。
- 58 :ハト:2006/03/30(木) 23:23:17
息を整えて、今の状況をよく見てみる。
上村の右腕は松島に掴まれていて、動いていないところを見ると結構な力が加わっているようだ。
白衣の下の薄手の服が、腹はおろか胸が見え隠れするような位置までめくり上げられている。
開いた左手は、腹を弄る松島の手を止めようとしていた。
何より、上村のしかめられた眉と殺意すら感じる目。
ははあ、こりゃ合意の上じゃねぇな。
「離れろよ。手ぇ離せ」
「お前に命令されることじゃないな」
松島は俺の方を見向きもしないでそう言った。
その唇を、上村の胸に落とす。
「っあ…!」
その声が耳に入った瞬間、俺は頭に一気に血が上っていくのを感じた。
今まで誰と喧嘩しても、何が起きても、こんな感覚はなかった。
本当の意味でキレたのは、これが初めてなのかもしれなかった。
「聞いてんのかてめぇ!!」
松島に真っ直ぐ向かっていく。
左手で肩を掴み、右手で拳を作って思いっきり腕を引いた。
- 59 :ハト:2006/03/30(木) 23:31:30
「殴るな!」
その声に即座に反応して、俺の腕は松島の顔面寸前でぴたりと止まる。
見れば、上村が首を小さく横に振っていた。
「殴るな。…何ともないですから」
先生の声は掠れも震えもせず、当事者の癖に俺よりも落ち着いている様子だった。
そんなわけないだろう、第一、あんたが大丈夫でも俺は怒りが治まらない。
それなのに先生の目は静かで、俺にこの腕を下ろすように無言で促している。
何でだよ!…そう目で訴えかけても、上村の態度は変わらない。
本当は顔の原形留めねぇぐらい殴ってやりたかったけど、上村の言う通りにした。
このやり場のない怒りを落ち着かせるため、一度息を吸って、長く吐き出した。
握りしめた拳を下ろす前に、力は込めずに松島の肩を叩いた。
「次は殺す」
「やってみろ」
俺が松島の肩から手を離すのと同時に、上村の腕も松島の手から開放された。
上村は窓ガラスに背中をつけたまま滑るようにして、ぱたりと座り込んだ。
俺も合わせて、横にしゃがむ。
その時に、松島がゆっくりと上村の元を離れ、下がっていくのが視界の端に見えた。
「では。……また」
もうその後姿を睨むこともしなかった。
下を向いたままの、上村のことでいっぱいだった。
- 60 :ミナ:2006/03/30(木) 23:42:46
- 話がまとまってないようには全然みえないですよ。
松島先生嫌いです… 上村先生にあんなこと…!! 私だって先生好きなのに! うぅ…頑張ってくださいv フェイトォー!v
- 61 :のぶ:2006/03/31(金) 15:24:05
- 久しぶりに来たらすごいことになってますね!!すっごく面白いですよ★アゲ
- 62 :中:2006/03/31(金) 16:21:08
- あげ
- 63 : :2006/04/01(土) 01:19:49
- あげc
- 64 :ゆーの:2006/04/01(土) 17:18:29
- あげっしょ マジぃぃ!! ^ ^
> < v
- 65 :みな:2006/04/01(土) 21:29:27
- あげ。面白い♪
- 66 :sa:2006/04/03(月) 12:44:55
- age age
- 67 :れな:2006/04/04(火) 00:00:11
- あげ。すっごい面白いです
せんせーラヴゥー!! 大好きだよ。松島先生なんかに襲われちゃいやーっ ダメだよ。先生にはあたしというものがあるんだから!(違! 私じゃなくってもぉ、先生には西田君がいるでしょ!!
- 68 :ハト:2006/04/04(火) 00:16:30
- ミナさん
本当ですか?それなら良かったです(´v`*) 松島はまだ出張る…予定です笑 はい、頑張ります! ぜひまたご覧ください、ありがとうございました!
のぶさん お久し振りです! 面白くなっているなら嬉しいです(^∀^) またどうぞご覧ください、ありがとうございました!
中さん、63さん、ゆーのさん、みなさん、saさん、 ありがとうございます!まとめてしまってごめんなさい。
れなさん コメントありがとうございます! 面白いでしょうか、でしたらとても嬉しいです(´∀`*) 先生愛してあげてください笑 よければまたぜひ、読んでやってください。
◇◇◇
「…大丈夫かよ」
かける言葉が見付からなくて、焦った末に口から出たのは当たり障りのない言葉だった。
大丈夫なわけ、ねぇよな。
かといって気の利いた言葉をかけてやれるわけでもなく、俺は困ってしまった。
「君は、何してたんですかこんな時間まで」
「いいんだよ俺のことはどうだって!」
少し、声を荒げてしまった。
上村が言ったのは文句でも泣き言でもなく、俺に対しての心配事だった。
何だそれ、俺はあんたを気遣う言葉のひとつも出てこないっていうのに。
自分が情けなくて溜め息を吐き、今度は静かに、上村に尋ねた。
「何で殴らせなかった?」
あんなの強姦未遂じゃねぇか。
言われて殴るのは止めたが、俺はあまり納得できていない。
上村は俺の方を見ないが、落ち着き払った口調で言った。
「周りに人が居ないといえ…大変な事になってからじゃ遅いんですよ」
- 69 :ハト:2006/04/04(火) 00:24:47
意味が、よく解らない。
そういう顔をしているのを察したのか、次いで説明された。
「あなた今まで何回か停学喰らってるんでしょう。高校中退はよくない」
「…っ、他人のことよりてめぇの心配しろよ」
俺のことなんかどうでもいいのに、そっちの心配してたのかよ。
あの状況で冷静さを欠き、切羽詰っていた俺と、落ち着いていた先生と。
普通、逆じゃねぇのか?
自分にも、平然と人の心配をする先生にも腹が立ってきて、叫ぶように口を開いた。
「大変な事になってからじゃ遅ぇんだろ?!なる寸前だったじゃねぇかよ!自分が自覚しろよ!」
「それは…そうですけど」
「だからあいつはやべぇっつったろ!あのままヤられてたらどうするつもりなんだよっ」
「あなたも、」
またしても静かな先生の声に、俺の言葉は途切れた。
先生は服の皺をのばすようにしてから、白衣の襟元を調えた。
そして今度は真っ直ぐに、俺の目を見て言葉を続ける。
「あなたも同じことをしたいと思ってるんでしょう?僕に」
「…だったら何だよ」
「そういう点では、僕にとっては同じです。松島先生も、あなたも」
「あんな奴と一緒にすんじゃねぇよ!」
聞きたくない言葉だった。
そうだろう、そりゃそうだろう。
俺だってああいうことしてぇって、思ってるんだから。
ただそれを直接口に出したことはなかったのに、悟られていたことを知り恥ずかしくなった。
でも違う、俺がしたかったのは、あんな風に無理矢理とかじゃ、なくて。
- 70 :ハト:2006/04/04(火) 00:33:49
「あなたはそう思っていても、僕にとっては同じです。 今怒ってるのだって、自分がしたかったことを松島先生に先を越されたからでしょう。 そうじゃないと言うなら、冗談で言い寄るのはもうやめて欲――…」
「知らねぇだろ!」
冗談?
それこそ、冗談じゃねぇ。
「あんたは、俺がっ、どういう思いで、……っ」
「…西田くん?」
悔しい、恥ずかしい、情けない、そういう気持ちがぐちゃぐちゃになって、俺は言葉に詰まった。
そりゃ到底、解ってもらえるような感情じゃないだろう。
だけど、この感情が屈折したものではないということを、解ってほしかった。
「俺が、何で、キス以上のことしなかったか考えたことあんの?」
「……ふざけているから、としか思いません」
何だよそれ。
「そっちがふざけんなよ」
言葉に、こみ上げてきた笑いが混じった。
この、今の気持ちを何と表せばいいのかは解らない。
だけど俺は、自分に対する嘲笑にも似た笑いを抑えきれなかった。
そんな俺を不審に思ってるのか、上村は黙ったまま。
俺は声を大にしてまくし立てるように叫んだ。
「あんた一人押し倒すのくらい簡単なんだよ! 松島みたいに生ぬりぃやり方じゃなくてもっと、黙らせて抵抗もさせないで、 ヤっちまうくらいいつだってできんだ!」
上村が一瞬、怖がっているような目をした、気がした。
それを確かめることもせずに、俺は続ける。
「我慢してんだよこれでも!あんたのこと押し倒すのは簡単だけどそうしないのは!」
熱が入った言葉の勢いで、上村の肩を強く掴む。
すると、普段の無表情からは想像できないくらいに怯えた顔で、
力も入らないのに必死で、俺の手を振りほどこうとしていた。
- 71 :ハト:2006/04/04(火) 00:41:55
ああ、こんな顔を、させたかったわけじゃないのに。
寧ろ逆で、こんな顔をさせたくないから、今まで我慢してきたのに。
急に、自分が小さく見えた。
上村の肩を滑るように、手を離す。
絞り出した声は、情けなく震えていた。
「嫌われたくねぇからだよ…」
「西、田、くん、」
「…今まで、ごめん…俺、バカだった」
震えた声にはやがて、涙が混じった。
目に涙が溜まり、視界がぼやける。
せめてそれだけは悟られたくなくて、下を向いた。
「…すみません」
先生の声は優しかった。
さっきまでの、怯えた感じは受け取れない。
「軽口で、冗談なんて言ってしまって」
もっと言いたいことがあってもいいはずなのに、もう何も出てこなかった。
口を開いても、泣いていることがばれそうで。
「ちゃんと、します」
先生、せんせい、
俺、あんたに相応しい人間になりたかった。
でもダメで、俺なんてまだ全然、ガキでしか、なくて。
「ちゃんと…しますから」
また先生を、困らせた。
- 72 :ふり:2006/04/04(火) 00:53:33
- 始めましてv
凄く面白いですね。私も先生気に入りました! あっあと西田君もv 西田君先生のために色々我慢してて偉いなぁ なんてちょっと感心しちゃいました。 では、続き楽しみにしてますんで頑張って下さいねv
- 73 :ぇる。:2006/04/04(火) 11:54:16
- 久しぶりにここきたら更新されてるっ!!
ホントおもしろいですww 西田君かっこいいですね〜 先生はかわいすぎですよっ。 これからもがんばってくださいっ
- 74 :みぃ:2006/04/04(火) 23:15:18
- あげ。先生愛してるぅ!!
うんn西田君LOVE ^O^/ もし先生に振られちゃったら私のところにおいで(笑 いつでも、受け止めてあげるよw 頑張ってください
- 75 :ハト:2006/04/04(火) 23:41:25
- ふりさん
初めまして、コメントありがとうございます! 面白いだなんてとっても嬉しいです(ノ∀`*) 先生が好評なようで尚更です笑 はい、頑張りますのでぜひ、またご覧ください。
ぇる。さん また来て頂けたようで嬉です(´∪`*) お褒めの言葉をありがとうございます! ぜひまたご覧ください、これからも頑張ります!
みぃさん 愛しちゃってますか笑 楽しんで頂けているようで嬉しいです!(^▽^*) どうぞまたご覧ください。 ありがとうございました!
今更ですが、カラダ小説に書かせて頂いている割に肝心の(?)エロが殆どないことに気付き… そろそろさりげなく入れたいなーと思っています。 あたしの書くエロは温いでしょうが、期待せずにお待ちくださーい。
◇◇◇
あれから、彼は一度もここへやって来ない。
俺の方から見つけに行こうとも、俺は不用意に保健室を出られない。
第一見つけて会う必要がどこにある?
そう思って、彼について考えること自体をやめた。
だけどなぜか、西田が黙ってここを出て行ったあの夜から、どうも煙草が美味くない。
- 76 :ハト:2006/04/04(火) 23:51:08
昨日、あれ以来初めて彼を見た。
俺が保健室に入るほんの一瞬で、彼は階段を下りていくところだった。
この数日間でまた喧嘩でもしたんだろう。
口許や頬、額、顔中の目立つ場所に絆創膏が貼られ、右手には包帯がいびつに巻かれていた。
自分で利き手に包帯なんて、上手くできるわけないだろう。
それに、頬なんかの広い部分にそんな小さな絆創膏だけなんて明らかに間違ってる。
そもそも、ろくに消毒もしていないんだろう。
僅かな時間で、よくもこんなにたくさんのことを考えられたものだと、自分に対して少し感心した。
いやしかし、俺から構うことはない。
俺の仕事は保健室に来た生徒に対応することであって、自分から面倒ごとを増やす理由もない。
それ以上は振り返らず、保健室の木製の引き戸を後ろ手で閉めた。
- 77 :ハト:2006/04/05(水) 00:02:11
「はあ。飲み会ですか」
「ええ急なんですけど今夜。上村先生あまりご参加されないから、どうです?」
放課後、話しかけてきたのは2年生の学年主任の先生だった。
テスト期間が終わったのと、独身の先生の誕生祝いを兼ねての飲み会を企画したらしい。
そういう類のものがあまり得意ではないので、少し困った。
でも今まで、こういった誘いをかなりの回数断ってきたのを思い出して、今回ばかりは誘いを受けることにした。
「本当ですか!いやー、女の先生方が喜びますよきっと!」
別にそんなのはどうでもよかったが、愛想笑いを返しておく。
学年主任は嬉しそうに笑って、居酒屋の場所と費用を告げた。
俺は頷きながら相槌を打ち、会釈をして保健室へ戻った。
残していた仕事を早めに切り上げて、目的地に向かう準備をする。
書類の上下を揃えている最中、何か胸に引っかかるものを感じた。
一瞬、視線を泳がせてみる。
いいや、ただの思い違いだろう、そう考えて、ただひたすらに手を早めた。
- 78 :ハト:2006/04/05(水) 00:11:30
◇◇◇
ああ、こいつを忘れていた。
そんな顔をされて、俺はわざとらしくにこやかに笑った。
「松島先生、どうぞ」
「ああ、ありがとうございます」
隣に座っている年配の男性教諭に酒を勧められ、そのままの表情でコップを差し出した。
口を付ける前にビール瓶を渡してもらい、返盃しながらちらりと彼の方を見る。
あれ以来、まともに会話をしていない。
先生は職員室に来ないし、俺も保健室には行かなかった。
廊下で顔を合わせたら、無表情のまま目を伏せられる始末。
まるで、何事もなかったかのように。
今日の飲み会に、まさか上村先生が来るとは考えていなかった。
いつも参加しない人だから、今日も同じだろうと思っていた。
だから今、目の前に立った上村先生に、正直驚いているところだ。
団体客の席は、靴を脱いで上がる座敷で、俺は向かって右側の一番手前に座っていた。
俺の顔を見て露骨に嫌そうな顔をした上村先生は、反対側の畳をずっと歩き、長い机の対角線上に座った。
多分今、この飲み会に参加したことを後悔しているんだろう。
それでもいい。
怒りでも恨みでも何でもいいから、あなたの頭の中で俺のことを考える時間が増えるなら、何でもいい。
水滴のついたコップの表面を、指でなぞった。
- 79 :ハト:2006/04/05(水) 00:19:11
ああ、こいつのことを忘れていた。
遠慮もせずに思い切り、眉をひそめてやった。
そういえば、2年何組かの担任だった、松島先生は。
笑顔を向けられたが完全に無視をして、奴と一番遠い座布団を目指して歩いた。
出る前に引っかかったのはこれか。
避けていたせいで逆に忘れていた、裏目に出た。
ああ面倒臭い、だけどこれだけ離れていれば少なくとも、飲んでいる間くらいは顔を合わさなくて済む。
そう考え、濃紺の座布団に腰を下ろした。
「珍しいですね上村先生、ご参加なさるなんて」
「ええどうも」
「上村先生もいらっしゃるって聞いて、みんな驚いてましたよ」
「はあ。自分でも驚いてます」
正直にそう言うと、会話に参加していた数人の教師が声を上げて笑った。
もう少し掘り下げて本音を言えば、後悔している、なのだが。
さすがにそれは言わないでおいた。
- 80 :ハト:2006/04/05(水) 00:28:06
「上村先生って結構、飲まれるんですね」
40代くらいの女性教諭にそう言われ、ふと気付く。
視界に、空いたビール瓶が3本と半分ほどに減ったものが見えた。
自分のコップと空き瓶に交互に視線を移す。
「……僕一人で空けたんじゃありませんよね?」
「そりゃあ、私たちも飲みましたよ」
「でも結構飲んでますよ上村先生、意外といけるんですね」
無意識のうちに、結構な量を飲んでいたらしい。
少し驚いて、一旦飲むのを止めて先生方に酌をした。
なぜだか今日は酒が進む。
それを自覚してもなお、ビールを注ぎ足して飲み干した。
ストレスだろうか。
先生方とどんな話をしても、頭の中では西田と、さっきまともに顔を見てしまったせいで松島、
考えたくないことばかりが延々と、ぐるぐる回っていた。
事実として、松島には犯されかけた。
それを、西田に助けられ、感謝する間もなく、怒鳴られた。
そして、彼の気持ちを、告げられた。
俺はどうすればよかったんだろう、どうすればいいんだろう。
明確な答えが欲しい、いっそのこと忘れたい。
両極の思いがめぐり続け、いつしか普段からは考えられない量の酒をあおっていた。
- 81 :みな:2006/04/05(水) 17:31:48
- 西田君LOVE。
先生のこと諦めちゃったなら私のもとに!
- 82 :ぇる。:2006/04/05(水) 19:50:49
- おもしろいですww
松島これ以上近づくな 怒(`ロ´#) 先生あんま飲んじゃだめだよ ぇ
- 83 :yuki:2006/04/05(水) 23:46:19
- age!!!!
- 84 :美紗:2006/04/07(金) 01:45:43
- あげv
- 85 : :2006/04/07(金) 22:01:35
- あげ
- 86 :ハト:2006/04/08(土) 01:04:45
- みなさん
万が一の場合に備えて(ぇ)開けておいてあげてください笑 ありがとうございました(*´v`*)
ぇる。さん 飲みすぎは体によくないですよね(´□`;) レスありがとうございました!
yukiさん、美紗さん、85さん、ありがとうございました!
返レス短くなってしまい申し訳ないです。 ついでに更新も短いです(…) 次は少しでも多く書けるよう努力します!
◇◇◇
数時間の後、それなりに盛り上がって飲み会は終わった。
座席が出入り口に近かった教諭数人が固まって、最初に外に出る。
夜風が冷たいが、飲んだ後の体には心地良い。
外に出た先生方は三々五々に自宅へと向かったが、俺はどうしても最後に上村先生に嫌な顔をさせてやりたくて、
夜風に当たりたいとか尤もな理由をつけて、一人だけ残り外で待っていた。
結局上村先生とは、ただの一度も会話も、視線すら交わすことなく終わった。
最初から期待はしていなかったけど。
「珍しいな、こんなに酔う人だったっけか」
「困ったなあ、誰か先生のご自宅知ってる?」
のれんの方から、そんな声が聞こえて振り返る。
学年主任の大木先生に腕を支えられて、ゆっくりとのれんをくぐってきたのは間違いなく、彼の姿。
後方座席に座っていた3、4人の教諭も心配そうに声をかけている。
……おいおい。
遠目にも、彼が具合を悪そうにしているのが解る。
一人で帰れないだろうと心配する大木先生に、力なくに首を振っていた。
そんな様子を見て無意識に、俺の足は一歩ずつ、歩みを進めていた。
- 87 :ハト:2006/04/08(土) 01:10:11
「大木先生、僕、代わりますよ。ご自宅は存じませんが」
瞬時に上村先生はもたげていた顔を上げ、やめてくれと言わんばかりに目を見張る。
しかし、先生方の俺への信用の方が勝った。
「その辺のビジネスホテルでいいなら、僕が見てますよ」
「本当ですか?じゃあ、お願いしますよ」
僕も独り身で、暇ですから、とそう言えば、何の疑いもなく上村先生は俺の腕に渡った。
僅かな抵抗は感じたが、全く力が入っていない。
「それじゃあ、失礼します」
「お気をつけて」
「ええ、では」
挨拶もそこそこに、先生方は心底安心した表情を浮かべて帰って行った。
結構信用されているみたいじゃないか、俺。
ここで、腕の中の彼に視線を送る。
「珍しく飲みましたね」
「離して、ください」
「ダメですよ。任されたんですから」
心なしか呂律が回っていない。
どれだけ飲んだんだろうこの人は、この間のことは何か関係してるんだろうか?
そういう疑問も、率直に思った弱ってて可愛い、という一言も、口に出すには至らなかった。
先生は少しばかり、俺を見上げる。
「あ、あなたに介抱されたくない」
「とりあえず休みましょう」
「一人で帰れます、からっ」
俺を突き飛ばそうと、手を伸ばす。
その反動でバランスを崩したのか、先生の体がぐらりと揺れた。
「上村先生!」
咄嗟に受け止めた先生の体は、どうしてだか軽く感じた。
- 88 :みな:2006/04/08(土) 04:03:06
- えっ何!?上村先生よっちゃったの?
これじゃ、また先生に襲われちゃうよ!! 西田君が私のもとにくるなら、それはOKだけど …でも西田君が可哀想…先生だめだよぉ…
- 89 :あき:2006/04/09(日) 01:05:12
- あげ。
- 90 :にか:2006/04/10(月) 00:24:33
- あげます!!
頑張ってください
- 91 :みな:2006/04/10(月) 23:52:08
- あげv 続き早く読みたいです!
- 92 :夏:2006/04/11(火) 20:16:14
- 上げ×100
頑張って!
- 93 :ハト:2006/04/12(水) 00:04:04
- みなさん
お待たせしました、更新です。 上村どうなるんでしょうか、見当がつきません(…) が、頑張りますのでまたどうぞご覧ください(´∀`;) ありがとうございました!
あきさん、にかさん、夏さん ありがとうございます! また頑張ります。
◇◇◇
あー…眠い…うん、眠い…
最近色々と、ほんと色々と疲れてるからしゃあねぇか…
あ、頭…頭痛い…何でだっけ…あー…酒…?酒飲んだっけ…?
何でだ…?最近あんまり飲んでないし寧ろ断酒状態だったのに…
考えるの面倒くせー…頭痛ぇー…あー…確か…飲み会…?学校の…
……学校?
その単語が頭に浮かんだ瞬間、今まで痛かったのが嘘のようにハッと頭が冴えた。
勢いに任せて倒れているらしい上半身を起こす。
ここは、どこだ。
家か?違う、部屋の雰囲気が違う。
どこだ?一体どうやってここに来た?誰と?
だんだん鈍痛の戻ってきた頭を掻きむしりながら、必死に記憶を呼び戻す。
飲み会行ったのは確かだ、それじゃ何でこんなにそれこそ頭割れるくらい酒飲んだ?
何でだ、何のせいだ。
喉の奥に引っかかっているそれは、出てきそうで出てこない。
思い出そうと一人で唸っていたが、この後すぐに原因を確信することになる。
「ああ、目が覚めましたか」
「……ああ、」
あんたか。
思い出してすっきりしたような、できればあのまま思い出したくなかったような、
微妙な気持ちになり、肩に入っていた力が抜けた。
「今何時ですか?…何時間くらい寝てましたか僕は」
「えーと今、深夜2時回ったとこです。正味2時間半ってとこですね、寝てたといっても」
「はあ…すみませんねわざわざ」
そういえばビジネスホテルがどうとか言っていたような気もする。
数回首を回すと、コキコキと骨が鳴った。
- 94 :ハト:2006/04/12(水) 00:10:48
「どうもすみませんでした。では僕は帰ります」
「せっかく宿泊でとった部屋だ、泊まっていかれてはどうです?」
「いえ、結構です」
まだ少し頭が痛い。
けど、こいつと同じ空間に居て、同じ空気を吸い続けるよりは遥かにましだった。
重い頭に手をやりながら、柔らかい布団をはいだ。
しかし、驚く、間もなく。
俺の体は再びベッドに倒される。
「何のつもりですか」
布団に落ち、頭が少しぐるんと回るような、嫌な感覚があった。
眉根を寄せて、目の前の男を睨む。
「何って、この前の続きを」
「ふざけるなと言ったはずだ」
掴まれた手首に力を入れれば、松島も掴む手に更に力を込めてくる。
傍から見れば、いい年こいた大人が何の攻防戦だ、と笑える体勢かもしれないが、笑っている場合ではない。
ぐらぐらする頭で叫ぶ。
「帰ります!」
「帰さない」
「放してくださいよっ」
突き飛ばそうにもこれ以上力が入らない。
「密室で個室っていいですね、何の干渉もない。…当然、西田なんか助けに来ない」
顔が、近い。
嫌悪感から、顔を思い切り横に背けた。
耳元で、奴が呟く。
「何の邪魔も入りませんよ」
- 95 :ハト:2006/04/12(水) 00:16:32
がら空きになった首筋に舌が這う。
ぬるっとした感触に、鳥肌が立った。
「っ…!」
「力、入りませんよね。都合よく酔っててくれて嬉しいですよ俺は」
力が入らないのも酔っているのも事実だった。
ただ、それを理由にこんな風にされるのは物凄く嫌だった。
原因を作ったのは自分で、自律できなかったせいだ。
後悔する間も与えず、松島は俺の両腕を中心へ引き寄せた。
その手首を、解いたネクタイで手際よく縛りつける。
「なっ、何ですかこれは!」
「解いたら暴れるでしょ?そんなに酒強くないみたいだし、大人しくしてろ」
「…っ」
最後の一言は妙に威圧的だった。
もう冗談では済まない、取り返しのつかないところまできた、と嫌な汗をかいた。
ちらりと真上の男を見上げる。
視線がぶつかると、松島はひどく楽しそうに笑った。
「酔って悪い夢を見たとでも思えばいい」
そして、縛られた俺の手の甲にキスをした。
ああ、頭が、痛い。
- 96 :yuki:2006/04/12(水) 15:28:58
- あげです!
- 97 :光:2006/04/12(水) 18:59:54
- …うわぁぁ!!
久しぶりに来たらヤバイコトにっΣ(´Д`) 上村先生二回目の危機。 今回は逃げれないのかっ(;´□`)アワワワ 上村先生の体が体が体がっ!!(うざい) やばいよネ☆(キモイ) 死ぬ!!続きはやく見なきゃ死ぬ!!(死ネ) 更新死ぬまで待ってます!!(´□`*)ドキドキ 頑張ってください! ではではではまたー(また来る気か)
- 98 :ぇる。:2006/04/12(水) 19:51:15
- この松島め!!
上村せんせーに何してやがるっ ぇ 上村先生逃げて!!逃げて!! 何 とにかく面白いです。
- 103 :ハト:2006/04/16(日) 23:59:50
- 気付けば100レス越えていてびっくり、同時に嬉しいです。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
今日は時間がなくて、コメントを下さった方々にレスを返すことができません。 ごめんなさい。 みなさん、あきさん、むーさん、ぬたさん、ありがとうございました。 お返事できませんが、読ませて頂きました、とても嬉しいです。
今回の更新は取り急ぎコピペで失礼します。 それではどうぞご覧ください。
◇◇◇
まさかこんなに上手いようにことが進むとは。
笑い出したくなるのを堪えていた。
今、こんなに近くに、上村先生が、居る。
酔いが回っているせいで、この前のような激しい抵抗はない。
今やらないでいつやるんだ、こんな状況二度とないだろう。
本人は物凄く嫌がっている。
もし最後までしてしまえば、それこそもう二度と口もきかないどころか目も合わせてくれなくなるだろう。
完全に嫌われるが、それでもいい。
元から望みなんてゼロに等しいんだ、自分から決定打を作ろうとも、一回ヤれるならそれでいい。
組み敷いた相手をじっと見つめた。
- 104 :ハト:2006/04/17(月) 00:01:51
「…っ、やめてください」
「本当にやめると思って言ってますか?」
シャツのボタンをひとつずつ外していく。
上村先生の口の端から、短く息が漏れている。
全開になったシャツの前を肌蹴て、あらわになった胸や腹を凝視した。
俺や他の男に比べると、その肌は幾分白い。
元からそうなんだろうし、インドア派だから焼けないのかもしれない。
そっと、胸を撫でた。
「っ……!」
「おっと、すみません」
感じちゃいました?
耳元で、わざと意地悪く囁いた。
それでも先生はひるむことなく、寧ろ俺を睨みつけた。
「あ、あんたの手…冷たいんですよっ」
「そうでしたか、すみません」
口では謝っても、手は絶対に止めない。
手の平と指をゆっくりと、僅かに震える胸に滑らせる。
「冷たいものが触れると、特別気持ちいいと思うんですけどね、ここは」
「ッあ、ん……っ!」
指の腹で、乳首をくりくりと捏ね回す。
だんだんと固くなっていくのが手に取るように解る。
恥ずかしがる反応が楽しくて、執拗に乳首を弄った。
「イイ声、出るじゃないですか」
「誰がっ…、あ…!」
片方だけを、ぎゅっと抓る。
先生はその痛みに顔をしかめた。
- 105 :ハト:2006/04/17(月) 00:04:09
「それに、酒が入ると感度増しません?」
「っは、ぁ…知ら、な…っ」
「今のあなたの状態を見れば、答えは出てますけど」
もう、本気で嫌がっているようには見えなかった。
嫌なのには変わりないかもしれない、だが、体はもう後戻りはできない状態だろう。
肌に赤みが差している。
多少なり、感じているのは事実だ。
例え先生がそれを認めたくなかったとしても。
「あ、ぁっ、も…やだっ、やめっ…」
「今やめたら辛いですよ」
「どうでも、い…ッ」
無言で、赤くなってきた乳首を口に含む。
突然のことに先生は、びくん、と体を強張らせた。
舌の先でゆっくりと舐めてみると、今までよりも少し大きく、声を上げた。
「あっ、ちょっ…あ、ぃ…やっ」
そう言われても、止めるわけがない。
寧ろもっとよがらせたくて、感じさせたくて、乳首の先や全体を舐めていた。
口の中で十分に固さを持ったところで、歯を立てる。
「ぃあっ!あ、痛っ…!」
二、三度角度を変えて歯を立てると、その度に官能的な声を上げた。
一度口を離すと、今まで口の中にあったそれはうっすらと色づき、俺の唾液で濡れ、固く起ち上がっていた。
この分だと、多分。
ベルトを外し、ジッパーを下げて膝までズボンを下ろす。
先生がこの期に及んでまだ、やめろと喚き散らす。
しかしそれを無視して、下着の上からそっと中心に触れた。
- 106 :ハト:2006/04/17(月) 00:05:53
「あ、すげ…」
確かに、濡れた感触があった。
まだ乳首しか触ってないのに…そう考えると口許がにやけた。
抗議の声も気にせず、下着を下ろす。
半勃ち状態のそれは、人目見ただけで先端が濡れているのが解った。
「反応いいですよ先生、聞こえます?」
柔らかく扱くと、くちゅ、と水音がした。
聞きたくない、そうとでも言いたげに先生は顔を背けていた。
「好きみたいですね、乳首。もしかしたら乳首だけでイけるんじゃないですか?」
本当に実行してしまっては彼のプライドがずたずたになってしまうだろうから(もう既になっているかもしれないが)、
好奇心はあったが脅し文句に留めておいた。
ふと、視線を感じて先生を見る。
顔は赤い。
しかしその目は、いつものように冷ややかで鋭く、俺を睨んでいた。
「……ああ、まだそんな目ができるんですね」
本気になった。
本気で泣かせたい、めちゃくちゃに乱れて、挿れてくれと懇願させたい。 想像して、自分自身が強く疼くのを感じていた。
生憎、支配欲と独占欲は強い方なんだ。
- 107 :光:2006/04/18(火) 08:07:45
- わわわわわッ!!(/Д\*)
(また来たよ。) エロ前回ダー!!(何お前) このままいくと最後までやられt(黙れ) どうなるんだろう… てか松島。 お前…この猫被りがっ! 他の先生の前ではいいやつ演じやがって! 畜生!!(ウザイよ) 上村先生感じすぎだよ!! どうなるんだ上村先生。 どこまでやるんだ松島。(呼び捨てかよ) 続き楽しみにしてます!!
- 108 :ぬた:2006/04/18(火) 19:41:34
- あぅわぁぁぁ…!!
先生がぁ!! いやだよ。先生襲われちゃいやだぁ 犯されたちゃ嫌だぁ!!(ウザっ… 松島許さぬよ。マジで 西田くんの先生襲っちゃって…
頑張ってくださいv
- 109 :みい:2006/04/19(水) 21:33:54
- あげ。先生大好きだから
襲われちゃうのは… 犯されちゃいやです!! 松島先生だけには絶対…
- 110 :あき:2006/04/20(木) 06:58:11
- あげあげ☆
どうなるんだろう…
- 111 :きゅい:2006/04/21(金) 21:02:18
- あげです☆★
やたらおもしろいですvv 先生がかわいすぎる(´∀`*)
- 112 :なお:2006/04/22(土) 09:56:49
- あげ☆
更新お願いしますo(^-^)o
- 113 :たぁこ:2006/04/22(土) 21:19:35
- あげ↑↑
更新楽しみにしています
- 114 :ハト:2006/04/23(日) 01:38:13
- お久し振りです。
更新が滞っていてごめんなさい。
時間もあまりなく、今回もレスを下さった方一人ひとりに返事をするのは省略させて頂きます。 ですが、全てありがたく、とても嬉しく読ませて頂きました。
光さん、ぬたさん、みいさん、あきさん、きゅいさん、なおさん、たぁこさん、 感想や励ましの言葉、上げてくださったりと、ありがとうございました!
これからは週2回、無理でも週1回の更新を目指していきたいと思います。 お待たせすることもあるかと思いますが、気長に待ってやってください。
◇◇◇
彼の顔が苦しそうに歪められた。
それでも、手を止める気はなかった。
好奇心が先を行く。
上村先生の、紅潮する頬に手を伸ばした。
- 115 :ハト:2006/04/23(日) 01:41:14
「…何か言いましたか?」
今確かに、力なく何か呟くのを聞いた。
聞き返すと、眉間に皺を寄せて咳き込んだ。
先生? もう一度尋ねると、薄く目を開き、息も絶え絶えに呟く。
「………吐く……」
「……え?」
考えるよりも先に、手が動いた。
彼の、自分で脱がせた衣服をまた自分で整えて、半ば担ぐようにしてトイレに駆け込んだ。
その途中で、あれ、嘘だったりして、そんな考えがほんの一瞬浮かんだが、彼の顔面は蒼白していたのであながち嘘ではないのだろう。
「大丈夫ですか?」
外から声をかけてみる。
返事はないが、苦しそうにむせ返るのがよく聞こえた。
「手伝います?」
「要り、ま、せ……」
相当気持ちが悪いのだろうか、この様子からも吐くというのは本当らしい。
そうですか、と呟いて、俺はトイレの前を離れ、まだ少し体温の残るベッドに座った。
- 116 :ハト:2006/04/23(日) 01:45:34
目を覚ます気配はない。
すっかり寝入ってしまったようだ。
やり損ねたとかそういうのは、今は虚しいから考えないことにしておく。
「…本当に、あなたには」
敵わない。
薄茶色の長い前髪を払い、額に一度唇を落とした。
3分の1ほど残る煙草を灰皿に押し付け、俺はソファで眠ることにした。
- 125 :匿名:04/30(日) 00:24:03 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
やっと更新できます!
咲さん、まみさん、みいさん、高春さん、たぁこさん、むぅさん、123さん、 励ましの言葉をありがとうございました。 語彙がなくて言い表せないのが残念ですが、とても嬉しいです。
読んでくださる全ての方、本当にありがとうございます。
◇◇◇
「痛…」
頭が、鈍く痛む。
意識を取り戻すのと共に、ガンガンするのとズキズキするのとキリキリするのが同時に来た。
ひどい二日酔いだ、こんなのは学生時代以来かもしれない。
痛みを一瞬だけ我慢して、上半身を起こした。
それからぐらぐらするこめかみの辺りを、指先で軽く押さえる。
腕時計を見ると、午前5時半を過ぎたところだった。
……この一晩に、何があったんだっけか。
思い出したくもないが、俺の頭は鈍痛と共に徐々に記憶を手繰っていった。
飲み会で酔って、介抱されてこのホテルに来た。
ああ、ちゃんと覚えてる。
少し眠って、目を覚ますのとほぼ同時に、……ああ。
- 126 :匿名:04/30(日) 00:34:40 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
思い出してまた、頭が痛んだ。
諸悪の根源はどこに居る?
頭に浮かべた人物を心底恨めしく思いながら、首だけで横を向いた。
すると、革張りの2人がけソファで膝を曲げて眠る男が目に入る。
何とも窮屈そうな格好で、松島先生は寝入っていた。
今一番見たくない顔のはずだ、例え目を閉じていても。
なのにどうしてか、黙って眺める自分が居た。
昨日のことはあえて口には出すまいと、何もなかったことにしようと、この時決めた。
しばらくそのままでいると、不意に松島の目蓋が何度か動いた。
長く吐息を漏らし、ゆっくりと目が開かれる。
まだ眠たそうなその目と、視線がぶつかった。
「おはようございます」
「…おは…よう、ござい、ます…」
「昨晩はご迷惑をおかけしました」
「いえ……こちら、こそ」
まだ寝ぼけているのだろうか、途切れ途切れの声で返ってきた。
それを聞きながらベッドから出て、身なりを整えてここを出る準備をした。
「やけに急ぎますね」
「人目につかないうちに出たいんですよ」
ソファに座って足を組む彼の声は、もう眠気を孕んではいなかった。
そっちにはあまり目をやらず、足早に洗面所へ向かってぬるま湯で顔を洗った。
少し腹が減った。
- 127 :匿名:04/30(日) 00:43:05 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「一緒に出る必要あるんですか」
「チェックアウトがありますからね」
目を覚ましてから1時間と少し経った頃、二人でドアを開けた。
時間差で部屋を出たかったのに、もっともらしい理由をつけられて結局一緒になってしまった。
ビジネスホテルの廊下を歩く。
幸い、他に部屋を出る人は居ないようだった。
誰にも会うことなく、エントランスへたどり着くことができた。
「そんなの先生お一人で、…っ!」
済ませばいいのに、そう言いかけて、足元がふらついた。
きっと、まだ少し痛む頭と夜に無茶させられたせいに違いない。
転びそうになったところを、松島に腕を引っ張られてそうはならずに済んだ。
「…どうも」
「いいえ。しかしこれはいけないな、こんなにふらついて。」
俺の腕を掴んだまま、彼はチェックアウトを済ませた。
腕を振りほどくのも億劫になった俺は、ただ目を閉じて溜め息を吐いた。
「誰のせいだ…」
チェックアウトが済めば、あとはもう外に出るだけ。
目の前の自動ドアに向かい、足を進めた。
「誰のせいって、僕ですよね。じゃあ責任持って支えます」
え、という間もなく、掴んでいた腕を利用して引き寄せられ、彼の手が背中から腰に回った。
全身のだるさと油断もしていたのもあって、全く避けられなかった。
松島先生はそのままの状態で自動ドアを出ようとする。
「え、いやちょっと、松島先生――…」
人を察知して、自動ドアが開いた。
暖房で暖かい室内と違い、外の風はいくらか冷たい。
しんとした朝の空気に目を細めた。
大丈夫ですから離してください、そう言おうとした、その時だった。
「先生?」
- 128 :匿名:04/30(日) 00:52:42 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
声のした方を、ゆっくりと振り返る。
目に飛び込んできた彼に、俺はただ目を見開くばかりで絶句した。
驚きのあまり声の出ない俺の代わりに松島が、彼の名前を呼ぶ。
「西田」
そう、それは間違いではなく、西田だった。
ざっと羽織ったような私服で、その手にはコンビニの袋が提がっている。
一瞬、彼の顔が切なげに歪んだように見えた。
しかしそれは俺の錯覚だったのかもしれない、すぐにいつもの表情に戻った。
にっこりと、笑う。
「朝帰り?大変だな二人して」
違う、違うそんなんじゃない。
説明しようとすればするほど、俺の頭からは言葉が消えていく。
何も言えなかった。
俺の腰に回る先生の手に、少し力が入ったような気がした。
西田の顔は相変わらず笑っている。
「先生、これが“ちゃんと”してくれた結果なんだろ?」
先生、と呼びかけながらも、もう俺の方を向いてはいなかった。
つまらなさそうに足元を見て、嘲るように笑った。
「じゃあね。」
呼び止めようとして、思い留まった。
呼び止めて、戻ってきてもらってどうするつもりだ?
弁解をする? どうして、何のために。
もう何が何だか解らなくなった。
俯く俺を、松島は更に手に力を込めて抱き寄せたが、顔を上げることができなかった。
- 129 :むぅ:04/30(日) 14:24:41 HOST:p3123-ipad11kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- あげ。これからどうなるんだろ!?
すっごく気になりますv
- 130 :ふり:04/30(日) 14:29:23 HOST:p3123-ipad11kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- えっ西田君諦めちゃったの!?
これからの展開が気になります
- 131 :たぁこ:05/03(水) 16:47:39 HOST:i222-150-117-150.s05.a002.ap.plala.or.jp
- あげ
- 132 :きき:05/04(木) 15:06:42 HOST:i58-95-160-26.s05.a002.ap.plala.or.jp
- あげです!!
- 133 :きゅい:05/05(金) 21:22:01 HOST:i125-203-240-95.s05.a002.ap.plala.or.jp
- あげ
- 134 :ハト:05/05(金) 22:11:36 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
むぅさん、ふりさん、たぁこさん、きゅぃさん、ありがとうございました。 今後も楽しんで頂けたらとても嬉しいです!
125〜128の書き込みをした「匿名」は「ハト」です。 ミスでした。
◇◇◇
そして二度と振り返らなかった。
振り返ればきっと松島のバカ野郎が勝ち誇ったように笑っている。
そうに違いない。
通りの脇のゴミ捨て場で、蓋の開いたポリバケツを見つけたので力任せに蹴り倒した。
中に残っていた僅かなゴミが、バケツが倒れるのと同時に零れだしたがそんなことはどうでもいい。
笑い飛ばしてくれた方がよかった。
お前何期待してんの?って、これだからガキはって、見下して指差して笑ってくれた方がよかった。
なのに何だよ。
何が起きたんだか解ってねぇみたいな、唖然とした顔をされた。
俺のことなんてきっと頭になかったんだろう、じゃなきゃあんなに驚かねぇ。
土曜の朝っぱらからコンビニ行って悪ぃかよ。
今度は電柱を蹴った。
バケツと違ってびくともせず、足に痛みが走る。
怒りを感じているわけじゃない。
ただあの日、上村の前で涙を溜めた情けない俺が尚更惨めに見えて仕方がなかった。
俺の精一杯の思いが踏みにじられたような気さえしていた。
これは怒りじゃない、だけど、怒りに一番近い。
- 135 :ハト:05/05(金) 22:13:21 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「おう俺。今お前ん家の前なんだけどさ、あー寝てた?」
我ながら意味不明な行動だ。
人の家のドアの前に立ち、家主の携帯に連絡を入れる。
迷惑極まりねぇだろこれ。
電話の向こうで、え?とか嘘、とか何?とか、変な声が聞こえる。
ほどなくして、ドア一枚隔てた向こう側で、カチャカチャという金属音がした。
そうやって鍵を開けてすぐに、ドアが開いた。
「何やってんの?」
純はTシャツと下はスウェットで、寝ているところを起こしてしまったようだ。
まだ眠いのか、しきりに瞬きをしている。
「やっぱ起こした?悪ぃな」
「いやそれはいいんだけど、どうしたんだよ」
純に促されて敷居をまたぎ、玄関に立った。
履き潰したスニーカー、茶色のローファー、見慣れた純の靴が数足、端に並んでいる。
「うん。ちょっとさ、今機嫌悪くてさ」
「うん」
頷く純の、腰に手を回した。
突然のことに、純は俺の手と目を交互に見ながら驚いていた。
「え?何、何?」
「ちょっとごめんな。黙って足開け」
- 147 :ハト:05/21(日) 00:15:24 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- 大変間が空いてしまいまして、もう消えてるんじゃないかと思っていました。
忘れられていないことを祈るばかりです。
まみさん、◎●◎●さん、むぅさん、木谷さん、きゅいさん、muさん、ちさん、碧さん、まなさん、 感想やあげ、ありがとうございます。 毎回同じ言葉になってしまいますが、見る度に励まされています。
◇◇◇
次に気が付いたとき俺は、天井を見上げていた。
フローリングに頭を打って、すっかり目が覚めてしまった。
そして視界の天井を遮るように、融児が上から俺を見下ろしている。
何かあったんだろうか。
怖いとさえ思うほど、いつもと違った雰囲気だった。
見慣れているはずの融児が別人のようで、少し緊張してその顔を見つめた。
「ん?……何かおかしい?」
凶悪な顔と違って、口調は寒気がするほど優しい。
今日のお前はおかしい。 そう言う前に、乱暴なキスで口を塞がれた。
唇の隙間から呼吸をする度、部屋着を脱がされていくのを感じる。
なんだ、ヤりたいならそう言えばいいのに。
でも、そんな単純なことじゃないらしい。
「あっ、ぁ…っ、んぅっ…」
やけに急いでいる感じだった。
今の融児には、余裕が全く感じられない。
こんなこと今までなかったんじゃないか?
呼吸の隙間に、ちらりと融児の表情を伺うと、ひどく苦しそうな顔をしていた。
バカ、苦しいのは俺だよ。
肩甲骨が床に当たってすごく痛いし、上のお前は重いし。
「融児、お前、」
「何だよ…何だよ、黙れよ」
何でそんな、泣きそうな顔してんの?
背中と、圧迫された腹が痛くて、そんなことは聞けなかったけど。
「…っ…ぁ、ゆ、う……融児、」
他にしてやれることが何もないから、首に回した両の腕に、ゆっくりと力を込めた。
- 148 :ハト:05/21(日) 00:21:45 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
それから性急に突っ込まれて、動かれて、俺もさんざん喘いだ。
普段の半分くらいの時間で済んだんじゃないか?
前戯もしていないから当たり前か。
疲れたらしい融児は、俺の上に乗ったまま動かなかった。
「重いんだけど。」
「純悪い、ごめん、ほんとすんませんでした。」
「何、無理矢理ヤったこと?いいから取り敢えず、どいてよ」
反省しきりの融児は、珍しく素直に言うことを聞いた。
一応、勢いでヤったことを詫びる姿勢はあるらしい。
重しがなくなって俺は、体を起こして投げ出されていた部屋着を掴み、さっと着た。
「上がってく?」
「いやいい、すぐ帰る」
「そーか」
玄関先であぐらをかく融児と向かい合って、俺も同じようにあぐらをかいた。
「…悪ぃまじで、ちょっとイラついてて」
「ちょっとどころじゃないだろ?」
「すんませんかなりです…」
こんなにしおらしい融児を見るのは初めてなので、少し面白かった。
思えば、融児とは何回もセックスしてるけど、こうやって予告ナシで強姦まがいのことをされたのは初めてだった。
まあ、強姦自体は他で何度もされてるから慣れてるけど。
「別にいいけどさ、次からは憂さ晴らしでもちゃんとベッドでな。」
「はい…」
「ああそうだ、あと、はい」
右手を広げて、正面の融児に突き出す。
融児は空の俺の右手をしばらく眺めて、解らないといった顔のまま固まった。
解んねぇなんて、俺の副業を忘れてもらっちゃ困るなあ。
- 149 :ハト:05/21(日) 00:26:31 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「金。」
一言、そう言った。
融児の顔が一瞬引き攣って、俺の顔色を伺うように呟いた。
「…とは?」
俺は面白がって、営業用の作り笑顔で一気に喋る。
「一発2万かける2発で4万、フローリング料金5千、 強姦・アポなし・早朝料金が3つそれぞれ上乗せ5千、 プラス俺の気分代が2万。それにちょっと色つけて合計10万。」
「…お前、いつもそんな取ってんの?」
「うん。オプションは果てしないけど聞く?」
「いや、いい…」
そういえば金額までは教えたことなかったか。
青ざめた融児は視線を泳がせていた。
こいついじるのってこんなに楽しかったっけ?
「冗談だよ冗談。お前から金なんて取るかよ」
作り笑顔を崩し、ケラケラ笑ってそう言った。
融児の顔から、肩から、今まで張りつめていた力が抜けるのを何となく感じ取った。
「…ありがとうな」
「何が?」
「や、よく解んねぇけど…色々と」
「じゃあ色々ついでにもう一個」
「ん?」
ふざけた顔を止めて、正面からきちんと、融児の整った顔を見据える。
- 150 :ハト:05/21(日) 00:32:43 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「嫌でもちゃんと、保健室行けよ」
こんなことを言われるとは思ってもいなかったらしい。
また少し、表情が曇る。
「…何で、そんな必要」
「ケガひどいよ」
昇る太陽の光を取り戻した部屋の中で融児の顔を改めて見て気付いたこと。
今まで用がなくても保健室に通っていた融児からは考えられないことだった。
このことに関しては、本気で心配している。
「そんでちゃんと、話してきな。言いたいこと言って、上村の話も聞いて」
俺の口から彼の名前を聞いて、心底驚いた顔をした。
結構顔に出るタイプだし、融児がこんなに不安定になるなんて上村絡み以外考えられなかった。
案の定、そうらしい。
融児は観念したように、溜め息を吐いた。
「…解ったよ。ちゃんと行く」
そして、誰にでもない、自分自身に言い聞かせるように、静かな、だけど強い口調で言った。
「ちゃんと、する。」
- 158 :ハト:06/01(木) 16:27:57 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
愛浬さん、muさん、まみさん、ベアさん、〜さん、悠さん、 コメントやあげ、本当にありがとうございます!
短いですが、申し訳程度に。
◇◇◇
長い一週間の、最初の一日が終わろうとしている。
俺は保健室の引き戸の前まで来ていた。
純に約束した手前、もう戻れない。
そうだ、約束したんだ約束、純とね。
……こうやって“約束”を口実にしないと、ここまで来られないとは。
でも、そんなこと思っていても仕方がない。
一呼吸置いてから、右手で片側の扉を引いた。
「……あれ?」
上村が居ない。
机を見ると、まだカバンや私物が上がっていたので、帰ったわけではないようだ。
待たせてもらうしかねぇな。
空いているふたつのベッドの片方に、足を伸ばしてふんぞり返る。
視線の先に、上村の机。
椅子に座ってパソコンに向かう上村の姿が想像できた。
もう随分顔を見ていないような気がする。
自分から上村を避けて、久々に顔を合わせたと思ったら、あの状況だし。
忘れていたかった。
その反面、ケリをつけたいとも思っていた。
でも、上村の顔を見れば暴言ばかり出てきそうで、それも怖かった。
純の後押しがなければ、今こうしてベッドに乗っていることもないだろう。
俺って結構ビビリ、そう思った。
- 159 :ハト:06/01(木) 16:31:38 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
5分ほどして、扉が開く音がした。
姿勢は変えずに、視線だけそっちに送る。
薄茶の髪が見えて、同時に、視線同士がぶつかった。
俺は無表情でいたけど、内心は何をどう切り出そうか迷っていた。
「ベッド、使うときは靴下脱いで下さい」
上村は何もないような顔をして、さっさと机に向かってしまった。
その顔がよく見えるように、体を起こし、ベッドに腰掛けながら言った。
「別に使わねぇよ。」
「そうですか」
何だこいつ。
装ってないとしたらどういうつもりなんだ?
俺は言いたいことを抑えるのに今も必死なのに。
「どこ行ってたの?」
「職員室。早退した生徒の問診表を、担任に届けに」
実に素っ気ない会話だと思った。
お互いが、お互いの顔を見ていない。
何かムカついてきた。
「それで、見せてくださいよケガ。」
上村が体を少し後ろに倒して、背もたれがギイと音を立てた。
俺は無言で立ち上がり、生徒用の円椅子に座る。
この安っぽい皮の感触も、久し振りだ。
「自己流で適当に手当てしてみたけど治んねぇんだよこれが。 顔中傷は増えてくし右手の傷も塞がんねーし」
「こんなの手当てのうちに入りません。 こんなに悪化させるまで、放置してたのと同じですよ」
俺の顔や手の傷、アザを見て眉間に皺を寄せた。
立ち上がり、薬棚を開けて必要なものを取り出し始める。
俺はずっと、顔を背けていた。
- 160 :愛浬:06/01(木) 21:29:44 HOST:p220208181120.tst.ne.jp
- 久ぶりにきたら更新されてる!!!
ぁぁ〜、、、続きが気になります!!!
- 161 :悠:06/02(金) 16:27:50 HOST:actkyo070209.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
- ァゲ松☆ミ
なんかかなりイイ展開ですねッこれからが楽しみです!!更新がんばってサイ!!
- 162 : :06/03(土) 23:58:27 HOST:i60-42-192-67.s02.a023.ap.plala.or.jp
- agw
- 163 :JOY:06/05(月) 20:02:57 HOST:i60-42-192-67.s02.a023.ap.plala.or.jp
- 更新待ってます!!あげ☆
- 164 :mu:06/11(日) 18:17:09 HOST:p3053-ipad10kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- あげ
- 165 :ハト:06/11(日) 23:38:48 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- 相変わらず更新頻度は早まりませんが、それでも読んでくださっている方が居て嬉しいです。
愛浬さん、悠さん、162さん、JOYさん、muさん、 ありがとうございます。 何度もレス下さっている方も初めての方も、本当に嬉しいです。
そろそろまとめというか、終わりに近づけていけたらなと思います。 完結させるべく頑張ります。 よろしければもう少しお付き合いください。
◇◇◇
2人には広すぎる保健室に、薬のビンが立てる高い音と、俺が椅子の上で体重移動させるせいで鳴る、錆びた音だけが響いていた。
上村が棚から必要なものを取り出してこっちを向いた頃、自分で立てた椅子の音がうるさくなって動くのを止めた。
こうなったらいよいよ、無音になる。
上村の顔なんて見れなくて、かといって下を向くのも何だかしゃくで、机に置かれた包帯やガーゼ、消毒液、絆創膏なんかをじっと見た。
箱の側面のメーカー名とか何枚入りとか主成分とか、どうでもいいことをくまなく読もうと努力した。
それでもやはり、気になるものは気になった。
俺の手の上を、上村の指が滑る。
ケガの手当て、ただそれだけなのに、こんなにも繊細な動きに見えるのは何でなんだろう。
上村の指の冷たさは、最後に触れたあの日から何も変わっていなかった。
- 166 :ハト:06/11(日) 23:40:33 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「…ほんとはこんなとこ来たくなかったんだよ気分悪ぃ」
口をついた言葉を、もう一度噛み締めた。
言ったはいいが、繋ぐ言葉を探せない。
そのまま黙っていると、先に上村が返事をした。
「話を聞いてくれるつもりで来たんだと思ったんですけど」
「……聞くに値しねぇ」
それは本心だった。
言い方に棘があったかもしれないが、聞きたくないというのが本当だった。
また少しの沈黙があった。
消毒を続ける手を休めずに、上村が呟くように言った。
「あれは同意の上じゃない」
「口では何とでも言える」
「本当です。酔ったところを介抱する名目で連れ込まれました」
「あんた起きてなかったんすか?」
「殆ど意識ありませんでした、情けない話ですが」
「本当にな。いい年こいて限度も知らず飲んでんじゃねーよ」
「ごもっとも。」
まるで意地を張り合うみたいに、今までの無言の間が嘘だったみたいに、お互いにテンポの良い会話をした。
話の内容がこんなドロドロ系じゃなきゃもっとよかったけど。
ああ、ちゃんと話をするつもりでここに来たのに。
言いたいことはあるのに、言葉にならずに適当なことばかりが口から飛び出る。
消毒液をつけた場所に、白いガーゼが乗った。
- 167 :ハト:06/11(日) 23:42:18 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「…どうしたら信じるんでしょうね」
溜め息と共に、その言葉は聞こえた。
俺の聞き訳がないせいで困ったみたいな、そんな言い方に聞こえた。
「いいですか、僕は松島先生とホテルで一晩過ごしました。何もなかったとは言いません」
「ほら。」
「強姦ですって」
上村の声のトーンが変わっていた。
イラついているようにも受け取れる。
何だよそれ、俺のせいか、俺に対してイライラしてんの?
そう思うと俺も少しずつ苛立ってきた。
上村に預けていない左手を額に当てて、相変わらず顔は見れない。
「つーかさあ、あんたさっきから何を必死になって弁解してんの?俺が誤解してるとして、そんなにその誤解解きてぇの?」
「解きたいです」
「何で?言い触らされたら困るから?」
包帯を巻いていた手が、止まった。
返事もなかった。
ああ、図星を突いたかな、と思って、軽く笑った。
「心配しなくてもそんなガキくせぇことしねぇよ。」
「そういうことじゃなくて」
「じゃあどういうことだよ」
言い訳がましい上村の言い草が、ちょっと頭にきて、俺はとうとう、顔を上げた。
文句のひとつでも言ってやるつもりだった。
なのに、ふざけんなとか馬鹿にすんなとか、そういう単純な言葉は全部どこかに行ってしまった。
上村の、目を、見たからだ。
まともに見たのはいつが最後だっただろう、この目、俺が惚れたこの目。
何も考えることができず、衝動的に、上村の胸ぐらを掴んで引き寄せ、キスをした。
- 168 :ハト:06/11(日) 23:43:13 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
上村にキスをして、抵抗されなかったことがあったろうか。
大人しい上村に少し驚きながら、服の首元から恐る恐る手を離した。
そのまま右手を、上村の首の後ろに回す。
冷たい指からは想像できなくらいに熱い、確かな血の流れを感じる首筋と、柔らかいえりあしに同時に触れた。
所在無く握られていた上村の右手は、本当にゆっくりと、俺の左手に重なった。
夢じゃないか、と思って怖くなった。
こんな風にお互いが求め合うような、恋人同士みたいなキスができるなんて、考えはしてもまさか有り得ないと思っていた。
少しして、どちらからともなくゆっくりと、唇を離した。
- 180 :ハト:07/12(水) 00:20:12 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- まだ消えずに、残っていたことに涙が出そうです。
いつも半分諦めて来てみるのですが、1ヶ月も前に書いたきりなのに、 たくさん上げて下さっていることにただただ感謝です。
ベアさん、。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。さん、:::さん、むぅさん、aiさん、ゆきさん、きのこさん、愛浬さん、 いつもいつも、本当に嬉しいです。
ここにも、BL作品が増えてきましたね。 そろそろ「distance」が終わっても大丈夫だろうな、と思っています。 あと何度かの更新で完結できればと思います。 最後まで頑張りますので、どうぞまた読んでやって下さい。
◇◇◇
驚いたのはほんの一瞬で、あとは自分でも不思議なくらいすんなりと彼の手を、唇を、受け入れた。
俺の首に触れる手が震えていた。
- 181 :ハト:07/12(水) 00:22:10 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
何となくこちらとしては喋ることがなくて、口を閉じていた。
西田は顔を話した直後は恐ろしくしおらしい態度で黙っていたが、じきにゆっくりと話し出した。
「あのさ、ほんとにさぁ…どういうこと?どういう意味?解んねぇよ」
「僕の、態度でしょうか」
その言葉に、大きく頷く。
「一人で勘違いすんの、嫌だよ。あんたの本音が、見えない」
下を向いて話す彼が、小さな子供のように思えた。
少し前まで、あんなにも余裕をまとっていて憎たらしい人だったのに。
「…本音、ですか」
さっきの言葉に、彼の本音を見たような気がして、俺も少し、考える。
きちんと、言い合わなくてはならない。
「僕、は。……からかわれてると思ってましたね」
「…は?」
「君に。なめられてると思ってました」
所在ない両手を白衣のポケットに突っ込んで、西田の目を見て答えた。
俺の答えに、驚いたらしい顔が何とも新鮮だ。
そして俺は、“本音”を続ける。
「キスするのも好きだというのも全部、馬鹿にしてふざけてやってるんだと思ってた」
「いやちょっ…それは、」
「でも最近は君の反応が違うから。…何だか急に真剣だから。それで、少し困ってた」
最後は彼の言葉を遮って、足早に言い切った。
本音を飾らずに言うというのは、俺の性格を加味しても気恥ずかしいものがある。
- 182 :ハト:07/12(水) 00:24:39 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「困って、一人で冷静に考えたくて、でも色々あって上手くいかなくて。」
それでも、絶句する西田の顔から目を逸らさずに、続ける。
「でもそんなの理由になりませんね。結局、あなたを傷つけた」
俺の言葉の後で、西田の目が迷うようにゆっくりと動いた。
彷徨う視線は俺の目に合わせて止まり、今度は彼が話し出した。
「解ってくれてる?確かに俺、ふざけてるように見えるだろうけど、冗談なんかじゃねぇんだ」
「うん……」
それは、痛いほどに解った。
解っていた。
ただ本当に、困っていたし戸惑っていたのだ。
別に嫌悪があったわけじゃない。
こんなに真剣な好意を持たれたのは今までを振り返っても、男も女もひっくるめて考えても初めてのような気がしていた。
西田は、掠れた声で俺を呼ぶ。
「先生…?」
「…はい」
ゆっくりと近付き、腕がこちらへ伸びる。
もう、逃げるという選択肢は、俺の中から消えていた。
「さわりたい、」
その言葉と同時に、俺の頬を西田の両の手の平がゆっくりと包んだ。
何も言わずに、その熱を確かなものとして受け止めている自分が居た。
「キス、したい」
返事の代わりに、静かに目を閉じた。
西田の不器用な想いと行動が、温く、柔らかく、俺の唇を塞いだ。
その感覚は、奇妙なほどに俺を落ち着かせた。
- 203 :ハト:07/30(日) 22:45:11 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- こんばんは、お久しぶりです。
夏休みに入って、少し余裕があるので久しぶりに、すごーく久しぶりに個レス返させて頂きます。 前回の更新以降にコメント下さった、上げて下さった方までになります。
。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。さん 二度もありがとうございます。 もうすぐ完結ですが、惜しんで頂けて嬉しいです。 もう少し、お付き合い下さい!
ベアさん はい、のんびりペースの再開ですが、完結まで頑張ります! また読んでやって下さい。
なンさん そうですか?嬉しいです、ありがとうございます! 表現には苦しみながら頑張っているので感激です。
まみさん ありがとうございます! 完結まであと少し、頑張ります。
むぅさん はい、もう少しです、頑張ります! ありがとうございます。
ミラさん ありがとうございます、初見さんでしたか! ぐだぐだ続いた感じですが、完結に向かってます。 頑張ります、またぜひご覧下さい。
愛浬さん そうやって惜しんで頂けると、何だか嬉しいです。 応援、ありがとうございます!
あリさん これが全く女の子が出てこない小説なのでお気づきかもしれませんが、 男性同士の恋愛のことです。
光さん あ、お久しぶりです!ゆっくりですが進めて参りました。 はい、もうすぐ完結です。 頑張っていきます、ありがとうございます!
いるかさん はい、頑張ります! ありがとうございます。
弥夜さん そうですか、嬉しいです! もう少し、頑張ります。ありがとうございます。
あげさん、あさるさん、191番さん、しぃさん、かいてくださいさん、:::さん、華さん、 上げて下さってありがとうございます!
それでは、本編です。
- 204 :ハト:07/30(日) 22:46:32 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「…布団、きれいにしないと」
静かに唇を離した後、西田の顔もろくに見ないでそう言った。
その足で、最初にこの部屋で西田が寝転がっていた白いベッドへ向かった。
別にそれほど毛布がぐちゃぐちゃなわけでも、シーツが皺になっているわけでもない。
無言のまま近くに居るのも気恥ずかしくて、一度離れたかったからだ。
毛布をベッドの足の方向へ置き、背を屈めてシーツを撫ぜる。
後はこのまま自然に話題を変えて、自然に帰ればいいんだ、このまま。
そう納得して振り返ろうとしたとき、シーツに影が落ちた。
「西田君?」
いつの間にか背後に立っていた彼は無言で、俺の手首を取った。
掴まれて、そこでやっと自覚した。
「……あ、」
勘違いされたんじゃ、ないだろうか。
ベッドの方に移動したから?
悪いが、そんな気持ちは一切ないのに!
「いや違いますよ、そういうつもりじゃ…」
「ダメ?」
黒い目が、俺の目を覗き込む。
さっきから妙に意識してしまう、子供みたいに。
目を逸らして、呟いた。
「ダメ、です」
「えー」
「ダメ」
西田があからさまに、口を尖らせた。
俺の手首を掴む手を、反対の手で軽く叩く。
反射的に離したのが少しおかしくて、気が緩んで俺は微笑んでいた。
- 205 :ハト:07/30(日) 22:55:41 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「…ゴムならあるけど」
「痛いですよ普通に、絶対痛い」
ゴムのあるなしじゃなくて、どちらかといえば潤滑油的なものの心配をしてほしい。
想像するだけでも痛い、絶対痛い。
断固拒否するのに、西田は食い下がる。
「……薬棚から、適当に何か」
「私用に使えるわけないでしょう、それに何か嫌です」
この言葉にとうとう諦めたらしい西田は、あー!とか何とか言いながら、弾みをつけてベッドに座った。
スプリングの軋みが治まるのを待って、俺も同じように腰を下ろした。
まだ口を尖らせて、まあしょうがない、とか急ぐな急ぐな、とか呟いて自分を納得させようとしている。
別に俺は行為自体が嫌なんじゃない、TPOだ、時と場所を考えてくれってことだ。
「ここじゃなくて…ちゃんとした場所でなら、まあ」
- 206 :ハト:07/30(日) 22:56:49 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
言ってから、しまった、と思った。
考えていたことがそのまま口から出てしまった。
訂正する間もなく、西田が鋭く返してくる。
「ちゃんとした場所ってどこ?」
「…す、くなくとも学校以外の…」
「ホテル?」
「いや、それは素面でも酔っててもちょっと…」
「じゃあ今度先生ん家行っていい?」
想像していなかった案に驚いて、驚いた顔のまま止まっていた。
そして思い出したようにハッとして、首を一度、立てに振った。
目の前の西田が、笑顔に変わる。
「やった!約束取りつけー!」
明るい声とは対照的に黙りながら、まあいいか、と考える自分が居た。
そいつは面倒だとか思っているのではなく、寧ろ心の底では少し喜んでいた。
知られたくないけど。
そんなことを考えていると、肩に人肌の温かさを感じた。
西田が体の向きを少し変えて、俺の体を包むように抱きしめていた。
「ちょっとだけ、こうやってもい?」
西田にしては控えめな台詞がおかしくて、俺も同じように腕を伸ばした。
体を横に向けて、額を西田の肩に預ける。
「あと5分ですよ」
「うん」
「5分経ったら帰ります」
「うん」
あと5分。
自分で言って、何だか惜しく感じた。
人肌がこんなに温かいことを、もう随分忘れていた気がする。
あと5分。
噛み締めて、目を閉じた。
- 217 :ハト:08/06(日) 01:25:48 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- こんばんは!
遅い時間に、短いですが更新します。
。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。さん、むぅさん、飴さん、華さん、ぇりこさん、むぅさん、恋さん、鞠子さん、匿名さん、ななさん、 ありがとうございます。 コメントも上げもとても嬉しいです!
あと1回か2回くらいで完結できたらな、と思っています。 よろしければもう少しだけ、お付き合い下さい。
◇◇◇
俺はもしかしたら物凄く調子こいちゃったんじゃないだろうか。
今まで乗ったことのない路線で、紙切れ一枚を頼りに俺は先生の家へ向かっている。
―――今週末、先生の家行ってもいい? ―――……いいですよ。
そういう約束を取りつけたのが、一昨日のこと。
その時はただ嬉しくて、嬉しくて嬉しくてそれだけだった。
それが、その日が近づくにつれて不安が募り、電車に乗ってしまった今、その不安がピークに達していた。
思い出せ俺、先生何かめっちゃ嫌そうな顔してなかった?
住所書いてはくれたけど仕方なくだったり、まさか本気で来るとは思ってなかったり?
本当に俺は、こういうことになると急に弱いな…キモいな俺……
目を閉じて考えを巡らせていると、アナウンスが流れて目的の駅に着いたことを知った。
溜め息をついて、悩んでもしょうがないと腹を括った。
午後3時。
分厚い曇り空を見上げて、足を進めた。
- 218 :ハト:08/06(日) 01:26:55 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「いらっしゃい」
迎えてくれた先生の顔が、笑っていたのが救いだった。
俺も笑顔を返して、フローリングと段差のない玄関でスニーカーを脱ぐ。
広い部屋だった。
純のワンルームマンションもすごかったけど、あれよりランクが高そうな…
家具はテーブルとベッド、二人掛けのソファ、テレビと、最低限のもの以外は何もなかった。
黒やグレーの、少ない色味で統一されているところが、逆に整っていて先生らしさを感じる。
「珍しいものなんて、何もないでしょう」
「あ、いや」
グラスに、烏龍茶が入って出てきた。
床に座ってソファに寄りかかり、辺りを見回していた俺はかなり怪しいに違いない。
先生はグラスをひとつ手にとって、ソファに座った。
俺も同じように、グラスを取った。
表面の水滴が落ちて、指先に冷たい。
冷えた烏龍茶は、喉元を通ると更に冷たかった。
「迷ったり、しませんでしたか?」
「あ、うん」
「ここ、ちょっと奥まってるから。メモ、解りづらかったかと思って」
大丈夫、そんなことない、と首を振る。
さっきから、思ったことが上手く言葉にならない。
かなり、重症だ。
すると、先生が急に腕を伸ばしてきた。
突然のことに身動きひとつとれずにいると、その手は優しく、俺の頭に降りた。
「緊張してる?」
その表情は今まで見たどんなものより柔らかく、俺は尚更動けなくなった。
こんな、この人のこんな顔を、この世界で何人の人が見られるというんだろう。
学校の仏頂面からはおよそ想像できない、優しい笑顔に顔が熱くなった。
- 219 :ハト:08/06(日) 01:28:46 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「しっ、してねぇよ!」
「そうですか?でも珍しいなと思って」
これを発端に、糸が切れたように肩の力が抜けて、するすると喋ることができた。
俺は本当に緊張していたらしい、柄にもなく。
烏龍茶で喉を潤しながら、少しずついつもの自分を取り戻した。
先生の笑顔が嬉しい。
ここに着くまでの不安が、ただの杞憂だと知った。
それからずっと、取り留めのない話をしていた。
共通の話題が学校のことしかないから、そればっかりになっちゃったけど、それでも楽しかった。
時々、上を見上げて手を伸ばして先生に触る。
何だか今までのことが全部信じられないくらい、幸せでしょうがない。
どのくらいの時間が経っただろう、先生も俺も、時計も見ずにずっと喋っていた。
窓を叩く雨音には気付かない。
空を、鉛色の雲が覆っていた。
- 220 :。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。:08/06(日) 08:53:11 HOST:actkyo088030.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
- 更新キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!
あと@,A回デスかぁmmmmm でも最後までうちゎァゲ尽くします!!更新頑張ってサイッッ 楽しみにしてます!!
- 221 :ベア:08/06(日) 09:27:27 HOST:07012300287880_vx.ezweb.ne.jp
- 馬路素敵ですy頑張ってください
- 222 :カージー:08/06(日) 21:03:04 HOST:bgcs4422.tk.mesh.ad.jp
- めためた面白いですッッッ☆.。.:*(幸´Д`幸).。.:*☆
あげあげっ
私的でごめんなさいッッッッ↓↓ 。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。☆さん!夕さんの小説、消えちゃってません?!?!どうなってるンでしょう?!
↑↑この小説とは関係ない話ですいません!
- 223 :むぅ:08/06(日) 21:56:26 HOST:p6120-ipad11kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- もうすぐ完結ですかv
何か寂しい気もするけど…頑張って下さい。 完結楽しみにしてますv
- 224 :華:08/06(日) 22:20:39 HOST:ntt3-ppp117.sizuoka.sannet.ne.jp
- 頑張って☆★
もぅちょっとで完結↓↓ 最後までお付き合いしますよーww
- 225 :。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。:08/07(月) 22:31:10 HOST:actkyo137127.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
- ハトサン少しだけすいませんッッ
カージーサン ここでその話をするのゎちょっとまずいんで,小説雑談にスレを立てました☆ミ よければ来てサイッッ
- 226 :カージー:08/08(火) 12:57:41 HOST:203.136.171.101
- 。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。さん
わかりましたッッ
ハトさん すいませんでしたッ
- 227 :ふり:08/08(火) 15:40:30 HOST:p3250-ipad11kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- あげ
- 228 :ビスケ:08/09(水) 15:45:19 HOST:07012300287880_vx.ezweb.ne.jp
- ぁげぁげぁげ
- 229 :花屋敷:08/10(木) 13:01:38 HOST:p2237-ipad01kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- あげ。
先生めちゃ好きです。大好きですv 何か、かわいくってLOVEですよぉv
- 230 :+綾葉+:08/11(金) 01:29:03 HOST:ser350259002073888
- 楽しすぎて2度見!!
続きみたいな(*´д`*) あげ↑↑
- 231 :ハト:08/11(金) 10:07:43 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- おはようございます。
えーと、前に「あと1回か2回」と言ったのですが、もう1回くらい延びそうです。 まとまりませんでした……笑
。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。 さん、ベアさん、カージーさん、むぅさん、華さん、ふりさん、ビスケさん、花屋敷さん、+綾葉+さん、 ありがとうございます。 いつもコメント下さったり、上げたりしてくれる方、 今回が初めての方といらっしゃいますが、どれも嬉しいものばかりです。 ペースは遅いですが、それでも書き続ける原動力になっています。 本当に感謝です!
◇◇◇
「ほんとですか、それ」
「いやまじでまじで、うん」
会話はゆっくりと、途切れることなく続いていた。
ずっと色々な話をして、今は俺の子供の頃のことを話している。
所々で、笑いながら。
人の話を聞いて、笑う先生も初めて見た。
大声を上げるんじゃなくて、目元と口元で柔らかく笑う。
優しい表情はとても先生らしくて、この顔のためならどんな話でもしようと思えた。
「やべー、あー口痛ぇ」
笑いすぎて引き攣る口元を押さえながら、ふと壁にかかっている時計を見た。
6時を少し過ぎたところだ。
ここに着いたのが3時半ちょっと前だから、だいたい2時間半。
よくもまあ飽きもせず話してたな、俺たち。
そろそろ帰ろうか。
いや何も、期待してたわけじゃないけど、元々帰るつもりだったし。
長居するのも図々しいしな、よし、この辺で引き上げよう。
「せんせ、」
いつの間にか先生はソファを離れて、ベランダに続く大きな窓の前に立っていた。
レースカーテンを手でよけて、外を見下ろしている。
「先生?」
俺は取り敢えずその場から動かず、先生に声をかける。
振り返った先生は、ただ一言、呟くように言った。
「雨、」
「え?」
「ひどい降り方ですよ」
- 232 :ハト:08/11(金) 10:08:55 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
そういえば、雨音がひどい。
身を乗り出して窓の方を見ると、ガラス越しに土砂降りの雨が降っていた。
広がっていた曇り空は、晴れることなく雨をもたらしたらしい。
それも、バケツをひっくり返した、とかそういう感じの、大雨。
「ニュースでやってねぇかな、テレビつけてい?」
「ああ、そうですね」
テーブルの端にあったリモコンを取って、テレビに向ける。
電源がつく間に先生はソファに戻り、さっきと同じ場所に座った。
ついたチャンネルは丁度、この雨に関連したニュースをやっているようだった。
アナウンサーの背後に、日本列島が入った天気図が映る。
『―…関東地方全域に、大雨警報が出されています。 気象庁によりますと、夜にかけて雨脚は強まる一方で……』
「うわー…」
「気付きませんでしたね」
「うん、俺も全然」
「天気予報、どうでしたっけ」
「あー…今朝は見てないや」
こんなことになってたなんて、話に夢中で全く気付かなかった。
傘を持ってきてないから、借りて帰ろう。
電車に乗ってる時間のほうが長いから、どうにかなるだろうし。
ぼんやりとそう考えていると、テレビの中でアナウンサーは続けた。
『なお、各路線電車は全面運転見合わせ、運行再開は未定となっており……』
ちょ、待て、今……咄嗟に画面を見た。
画面の下に表示されたテロップに、帰りに俺が使う路線の名前と、その横に運転見合わせ、の文字。
何度見直しても、間違いじゃなかった。
外は、揺れる木の様子を見ると、雨に加えて風もかなり強いみたいだ。
どうすんの、俺。
帰りたくても外がこの状況じゃ、どう頑張っても帰れない。
- 233 :ハト:08/11(金) 10:10:05 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「やっ、べぇなーこれ帰れねぇわ、先生今日泊まってってもいい?」
冗談っぽく笑って、出せる限りの明るい声を出した。
先生は窓の側に立って、腕を組んでテレビを観ていた。
俺の言葉を聞いても、全く微動だにしない。
「なーん…ちゃっ……て。」
さっきより幾分声のトーンを落として、更に冗談めかした言葉を続ける。
これでさっきの肝心の部分が聞こえてなかったとしたらかなり恥ずかしいじゃん俺。
「いいですよ」
「え、」
先生の静かな声が、俺の耳から流れるように伝わった。
予想してなかったその言葉に、思わず間抜けな声が出てしまう。
先生は、もう一度窓の外を眺めてから続けた。
「週末ですし、この分じゃ帰れないでしょうし…僕は構いません」
「あ…ほんと?じゃあ、うん、泊まってく…」
まさか。
まさか、夢だろこれ夢。
俺緊張して疲れて途中で寝ちゃったんじゃねぇの?
「夕飯、何か適当に作りますけどいいですか?」
先生は、間仕切りのない広いキッチンへ向かう。
俺は、うん、うんと必死で返事をした。
気象情報を伝え続けるテレビ。
座り続けて俺の体温がすっかり移ったフローリング。
テーブルの上にグラスの底の形を作る水滴。
先生が手を洗う水の音。
全部本物だ、夢じゃない、どう頑張ったって夢じゃない。
………色々と、大丈夫なのか、俺。
- 234 :花屋敷:08/11(金) 10:56:11 HOST:p4066-ipad10kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- おぉ、お泊りですかぁ。いいですねぇw
このあとどうなるかが楽しみですv 残り頑張ってくださいw
- 235 :華:08/11(金) 18:56:37 HOST:ntt3-ppp117.sizuoka.sannet.ne.jp
- おぉ(○>艸<))*:゜・☆
とうとうきちゃいましたか!!! 続きが気になりますw
- 236 :ハト:08/11(金) 23:56:19 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- こんばんは!
明日から火曜日までお盆で帰省することになりました。 帰省先は田舎で、ネット環境はないので更新はできません。 なので、今のうちに…と思って続きを書いてみました。
花屋敷さん、華さん、コメントありがとうございます! とうとうきてしまいましたよ笑 残り僅か、頑張ります。
◇◇◇
夕飯はパスタだった。
調理は全部先生がやって(エプロンが超似合う)(白衣以上だ!)、俺は途中から食器を出すのを手伝った。
7時過ぎのこと。
「あんまり料理作れないんですけどね。味、大丈夫ですか?」
「全然、余裕!すっげー美味いよ」
「よかった」
にんにくとパセリのみじん切りに赤唐辛子をきかせただけのシンプルなパスタは、お世辞抜きで本当に美味かった。
こんなんをサラッと作れるんだからすげぇ。
一人暮らしが続くと男でもこうなるんだろうか。
感心しながら、また一口、フォークを口に運ぶ。
先生と向かい合わせで食べるのは何だか新鮮で妙な感じだった。
「ごちそうさまっ!」
一皿を平らげて、空になった皿をキッチンへ下げる。
シンクの中の、水を張ったステンレスのカゴへ沈めた。
「先生、俺皿洗うわ」
「いいですよ、座ってて下さい、やりますから」
「やらせてよ、泊まらせてもらうんだからさ。先生はテレビでも観てなって!」
そう言うと先生は呆れたように、じゃあ、お願いしますと笑った。
二人分の食器を水につけ、俺は服の袖を捲くる。
本当は、何かしていないと落ち着かないからだ。
泊めてもらうことへの感謝はもちろんある。
しかし、何かしていないと考えすぎて頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう。
それなら、皿でも洗って手を冷やして、ついでに頭も冷えればいい。
皿のふちやフォークの先まで、丹念にスポンジを動かした。
こういう作業は、嫌いじゃない。
ゆっくりと洗い終えて、8時半少し前。
掛けてあったタオルで手を拭いて、キッチンを出た。
- 237 :ハト:08/11(金) 23:59:44 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
俺が皿を洗っているその間に、風呂が沸いていた。
先に入ってくれと言われ、キッチンを出たその足で教えてもらった風呂場に向かう。
廊下の奥に見つけた洗面所には、ふかふかのバスタオル、浴用タオル、そしてきちんと畳まれたTシャツとハーフパンツが置いてあった。
こういう些細なところにも先生の気遣いを感じて、俺の頬は自然と緩む。
しかし“先生ん家の風呂に入る俺”というのを意識してしまうと、せっかく冷やした頭が意味を失ってしまうので気にしないように努めた。
自分の家の風呂だと思えば簡単だと、それだけを考えて、手早く体を洗った。
俺と入れ替わりに先生が風呂に入って、それからがもう大変だった。
一人になって、何も考えたくなくても余計なことを考える。
ああもう、ほんとに、そういうつもりで泊まるんじゃないのに!
先生だってどう思ってるか。
保健室でああ言ったからって、今日のことを言っていたわけじゃない。
今まで女相手には遠慮という言葉を知らなかったのに。
意外と俺には相手の気持ちを心配してドキドキする、純情な一面もあったんだ、と新発見。
そんな自分が、自分でもちょっと可愛かったり……は、しない。
うろたえてる時点でだいぶキモい。
一人の時間はあっという間に過ぎる。
頭を抱えていると、髪が生乾きのままの先生が上がってきた。
9時半を回っていた。
先生はキッチンに向かい、冷蔵庫を開け、グラスにふたり分の烏龍茶をついでいた。
それをこっちへ運びながら、思い出したように言う。
「あ、テレビつけてくれます?」
「何番?」
「ニュースやってれば何でも」
そう答えながら先生は、ソファに座っていた俺の隣に腰を下ろす。
かなり驚いたが平静を装ってチャンネルを回す。
ベテラン風の男のアナウンサーが喋ってるのを確認して、リモコンを置いた。
お互い黙って、ブラウン管を見つめる。
スポーツニュースのコーナーになって、若いアナウンサーが出てきた頃、先生が視線をテレビに向けたまま喋りだした。
- 238 :ハト:08/12(土) 00:02:00 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「西田君、髪乾いてませんよ」
「先生の方が全然乾いてねぇよ」
「ドライヤーの焦げた匂いが苦手で。」
「風邪引くって、もうちょっと乾かせよ。タオルあんじゃん」
自分の首にかけていたタオルを取って、先生の頭にぶつけるように投げ渡した。
それが完全に先生の視界を覆ってしまい、思わず声を出して笑った。
「…不躾な。」
「ごめん、距離近すぎ!加減できねー」
笑う俺をよそに、先生はそのタオルでがしがしと髪を拭く。
濡れた茶色い髪を、タオルが包む。
風呂上りで部屋着のせいもあるのだろうが、年上の先生が何だか幼く見えた。
思わず、予告なしでキスをする。
先生は少し驚いていたが、何の抵抗もなかった。
触れるだけのキスだった。
だけど、すごく優しくて愛しくてたまらなかった。
唇を離したとき、先生は笑っていた。
そして烏龍茶を飲みながら、ふたりでニュースを観ていた。
最近は物騒な世の中だ、よく解んねぇけど。
「あれやんねぇの、芸能ニュース」
「さぁ……それより社会情勢を見なさいよ」
「解んねぇ言葉ばっかだもんよー」
烏龍茶を飲みながら、結局このニュース番組を最後まで観た。
天気が悪いのは少なくとも今夜中続くらしい。
手を、ずっと繋いでいた。
グラスの中で時折、氷がカランと音を立てた。
ソファを立って、テレビの主電源を切った。
先生はキッチンにグラスを下げに行った。
さて、後は寝るだけなわけだけども。
- 239 :ハト:08/12(土) 00:03:08 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「じゃあ俺こっちで寝るわー」
先手必勝、とばかりに声を上げた。
こっち、と言いながらソファーに倒れこんだ。
先生がこっちへ向かって歩いてくる。
途中で、何かに気付いたように眠たげな目をぱっと開いた。
「…重要なことを忘れてたんですけど」
「何?」
「うち、来客とかないもので。布団、これ一式しかないんですよ」
俺の目の前に立ち、ベッドを指差した。
今度は俺が目を見開いて、思わず復唱する。
「…これ一式?」
「はい。」
「ははあ…」
自分でも何だ、と思うほど間抜けな声が出た。
あー何、ベッドにしか布団がなくて、これからふたりの人が寝ようとしてて、ハイ。
何か言わなくちゃいけない、なのに、何も出てこない。
俺はぎこちない半笑いを浮かべたままだった。
同じく微妙な表情を浮かべていた先生が、改めてベッドを指差し、言った。
「……寝ます?狭いですけど。」
- 240 :ハト:08/12(土) 00:04:53 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
電気を消した部屋は真っ暗になった。
一人用の黒いパイプベッドにふたり、一枚の掛け布団をかけている。
おやすみ、と言って電気を消したきり、背中合わせに横になって一言も喋っていない。
俺は寝ていない、むしろ眠れない、眠れるわけがない。
ずっと目を開けているせいで、暗闇にすっかり目が慣れてしまった。
今の状態は、全神経を背中に集中しているといっても言い過ぎじゃない。
ちょっとでも動いたら、先生の背中や足とぶつかるかもしれない。
もしそうなったら、先生の体温に触れてしまったら。
多分、顔は見えないし声も聞こえないけど、先生も寝ていない。
意を決して、静かに声を出した。
「…先生?」
「……はい?」
やっぱり、先生も起きていた。
小さく息を吐いて、言葉を続ける。
「やっぱ俺、布団なくてもいいからソファで寝るわ」
「風邪ひきますよ」
「だって多分、このままだと寝れない」
先生は何も言わない。
だけど聞いているんだから、俺は背中合わせの会話を続けた。
「ごめん俺、隣で寝て何もしない自信なんて、ねぇよ」
先生は何を言うだろう、と考えながらも、聞きたくない気持ちもあった。
先生には全くその気がなくて、こんな風に思ってるのが俺だけだったら?
でも、そうだとしたって、俺はそう思ってるんだからしょうがない。
「今の、背中合わせだって正直…ちょっと触ったり視界に入ったら今、絶対やべぇ」
「何もするななんて言ってませんよ」
吐息交じりの密かな俺の声の後で、その言葉は嫌にクリアに聞こえた。
それは俺の頭の中で一度認識されたけど、すぐにぐるぐる回って思考が止まる。
- 241 :ハト:08/12(土) 00:06:31 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「……」
「……」
聞き間違いかと思った。
何と言っていいのか解らず、お互いに黙っている。
でも、このまま何も言わないわけにもいかない。
震える喉で、乾いていく口を開いて、ゆっくりと問いただす。
「いいの?」
返事はなかった。
その代わりに、俺の手に心地良い冷たさがゆっくりと触れる。
先生の、手だ。
「こうしたら…やばいんですか?」
張り詰めていた糸が音を立てて切れた気がした。
何も考えずに、触れた手をそのまま掴んだ。
気が付いたときには先生は俺の下に居た。
勢いに任せて組み敷いたらしい。
無言の空間で、雨音とやけにでかい心臓の音だけが聞こえる。
暗闇の中で先生が、一度だけ小さく頷く。
お互いに黙ったまま、今度は深いキスをした。
- 242 :+綾葉+:08/12(土) 04:07:46 HOST:ser350259002073888
- 更新されてる↑↑
あ〜ドキドキします(ノд<*) もうちょっとで終わるんですよね?そう思うと楽しみが減る気がします↓ 最後まで頑張って下さい☆
- 243 :華:08/12(土) 07:31:20 HOST:ntt3-ppp117.sizuoka.sannet.ne.jp
- ぬあ!!またまた更新っっ
先生とのいいかんぢのときにこんなあたしが わりこんですいません【笑】 ァヶ″です**
- 244 :ベア:08/12(土) 09:05:23 HOST:07012300287880_vx.ezweb.ne.jp
- 最高ー!!!!!ぁげです
- 245 :花屋敷:08/12(土) 11:24:22 HOST:p1056-ipad06kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- とうとう西田くんも…(藁
先生とLOVEで羨ましいですよv いや、ていうか西田くんとラブAできて それが羨ましいv 残り頑張ってください。ハトさんのお帰り待ってますv
- 246 :むぅ。:08/14(月) 07:52:48 HOST:p4122-ipad05kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
- あげときますv
- 247 :光:08/14(月) 10:51:50 HOST:05004030530324_vn.ezweb.ne.jp
- たくさん更新されてますね!!
ドキドキが止まりません…!!(何だそれ) 西田くんと先生 ラブラブっすね なんか二人とも可愛いです 頑張れ西田くん(何を)
こんな小説が作れるハトさんが素敵です!! 残りの更新も頑張ってください 応援してます! 更新も楽しみにしてます!! ではまた
- 289 :ハト:09/11(月) 23:07:34 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- 週末には間に合いませんでしたが、戻って参りましたハトです。
久々に来てみたら、BL&GL板なるものが…びっくりしました。 需要も供給も増えたんですねぇ。
。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。さん、+綾葉+さん、花屋敷さん、華さん、匿名さん、 さん、*さん、・さん、 どうもありがとうございます。
余談ですが途中の銀魂、ちょうどその回だけたまたま観たもので、 偶然の一致にびっくりしました。笑
それでは、都合上予定していた更新分の半分になってしまいましたが、 少しでもお楽しみいただけますように。
◇◇◇
軽いキスを何度も交わしながら、右手をTシャツの裾に潜り込ませた。
先生から許してくれたとはいえ、なるべく恐怖感を与えたくないからゆっくりと。
「背中浮かせて、あと肩も」
吐息混じりに囁いた後で、胸まで捲り上げていたシャツを、頭から脱がせた。
先生が、はあっと大きく息をした。
寒いのかと思ったけど、肌に触れてみると全く逆だということに気付いた。
先生の体がじわりと、滲むように温かい。
今までにしてきた無理なキスや、強引に掴んだ腕は、見た目通りにあんなに冷たくて、背中がぞくっとしたものなのに。
今こうして触れている肌は人肌の熱を持っていて、何だか泣きたくなった。
でも実際泣いたらまずいので、ごまかすように鼻をすすった。
- 290 :ハト:09/11(月) 23:09:28 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
指の腹と手のひらで円を描くように胸を撫でる。
今まで触ってきた女の柔らかさとは違う、しなやかな筋肉を伴った心地良い柔らかさがあった。
「ん、―…っ……」
「恥ずかしい?」
その質問には答えない。
聞くのも野暮かと思って、俺も追及しなかった。
それに、あまり余裕もない。
手にじんわりと汗をかいているのが解った。
焦りや余裕のないのを振り払うように、ただ指先に注意を払う。
布越しに、緊張しきった中心を撫でてやった。
揉んだり撫でたりを繰り返していると、先生の口から溜め息ともつかない吐息が、長く漏れ出した。
俺の口には自然と笑みが浮かぶ。
「いいんだ…?」
囁くようにそう聞いた。
先生は額に汗を滲ませて、そっと頷いた。
それも可愛いよ。可愛いけど。
「声出して…聞きてぇ」
「隣っ…聞こえ、たら…」
「誰も、俺しか、聞いてねぇよ」
このグレードのマンションで壁が薄いわけがない。
先生もそれは解っちゃいるんだろうが、どうしても気になるんだろうか。
「気持ちよかったら声出るよな?」
答えを期待した質問ではなかった。
喋りながら、下着ごと部屋着を膝まで脱がせる。
そのまま、自分の右手の人差し指と中指を、自分の口に含んで湿らせた。
- 291 :ハト:09/11(月) 23:10:33 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「力、抜いてよ」
その言葉で、先生がどこまで察したかは解らない。
瞬時に目を閉じて、右手をぎゅっと握っていた。
力、入ってるじゃん、それ。
握りしめたその右拳を左手でゆっくりと解いて、指を絡ませて繋いだ。
大丈夫、大丈夫。
先生と俺に言い聞かせながら、右の中指を、そっと入り口に当てた。
「あ、…っ!」
「ごめん痛ぇ?」
「…ちょっと、驚いた…」
そう言いながら、痛いわけじゃない、と首を振った。
でも多分、痛いのはこれからだ。
「あー何もねぇしな…先生、何かない?クリーム系、ハンドクリームとか」
「その、棚の…一番上に」
言われた通り、ベッドサイドの低い棚の一番上の引き出しを、手探りで探した。
そして見つけた、チューブ型の容器の、ハンドクリームを手に取る。
ひねってふたを開け、少し多めの量を絞り出した。
「手、荒れんの?」
「水…長時間だと、ちょっと…」
ふうん、大変だね、と頷きながら、さっき触れた入り口部分にハンドクリームを塗りこむ。
クリームの感触が気持ち悪いのか、先生は眉根を寄せていた。
俺は指を動かしながら、何も入ったことのないここを、今から俺の指が犯すという、この状況に胸を熱くしていた。
「ちゃんと息吐いてよ。痛かったら俺の手、爪立てていいから」
クリームの滑りを利用して、中指をすっと半分ほど入れてみた。
先生が細く息を吐く。
- 292 :ハト:09/11(月) 23:12:39 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「…解る?指…変な感じする…?」
「解っ…けど、い、たっ…痛っ、ァ…!」
「ただ入れただけなんだけどなあ…」
きついよなあ、やっぱ。
指が圧迫される。
「でも、ごめんね」
指を、ゆっくりと根元まで進めた。
「あ、痛っ、あ、あ」
先生の右手がまたぎゅっと握られる。
俺の手にはその強さが伝わったが、爪を立てられる痛みはない。
「気ィ使うなよ先生…俺、今からもっと痛いこと、もっとひどいことしようとしてんのに」
挿入した中指に、人差し指を添えた。
そして、中で押される中指の横を這うように、人差し指も中へ中へと押し進めた。
「あっ……!った、あ、い…っ!」
先生の声は言葉になっていない。
途切れ途切れのただの音が、形のいい唇から零れるだけだ。
ごめん、痛くして、ごめん。
申し訳なく思うのと同時に、俺は何とも言えない興奮を覚えていた。
泣かせたい―――そう思った。
「きっついけど…もう一本くらい、入れとかないと」
静かにそう呟く。
言葉のトーンとは逆に、今度は薬指を一気に突き立てた。
「あ……っ!」
涙が滲んだ目を見て、悪いことをしたと胸が痛むと同時に、これ以上ないというくらいの愛おしさを感じる。
痛いな、ごめんな、でももう少し我慢して。
まだシャンプーの香りが強く残る髪を触って、体をかがめてキスをした。
繋いだ手をもう一度握った。
- 293 :。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。:09/12(火) 19:46:22 HOST:actkyo060183.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
- やったぁmmmmm
更新@バン乗り成功☆ミ ウチも銀魂読んでます!!あのスレはどう考えてもスレチですが,おぉ!!って思ってしまいました(汗 更新楽しみにしてます!!頑張ってサイッッ
- 304 :ハト:09/17(日) 23:35:03 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
- みなさまこんばんは。
試行錯誤の末、何とか終わりまで運ぶことができました。 何とも中途半端でわかりづらい終わりになってしまったので、 最後にまたあたしのレスをつけたいと思います。
。*。+゚σ(o´∀`悠) ゚+。*。さん、+綾葉+さん、夕莉さん、 みぃさん、もろこしさん、298番さん、さがってるからさん、 ベアさん、ぇぃこさん、☆シロフォ☆さん、
温かいコメント、上げ、ありがとうございます! それでは以下、完結まで一気に更新です。
◇◇◇
先生はまだ肩で息をしている。
締めつけられる指の感触は、先生にとっては相当な異物感なんだろう。
「息止めんなよ」
窮屈な3本の指を、中で少し折り曲げた。
内壁を、僅かに引っ掻く。
「あアっ!」
今までより大きな嬌声に、耳の奥が熱くなる。
無言のままで、3本をバラバラに動かした。
先生の喘ぐ声と、卑猥な水音が同時に耳に入る。
「…っあ、や…!やだっ……!」
「ごめん、やだとか…」
嫌がられると、逆に燃える。
繋いでいた左手を一度離して、勃ち上がる先生自身を柔らかく扱いていく。
それは俺の手の中で、簡単に硬さと熱さを増していった。
- 305 :ハト:09/17(日) 23:36:23 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「あ、あァぁっ…!」
白い喉がのけぞった。
先生の腹と俺の手が、白濁で汚れる。
密かに息を呑んで、もったい振るようにゆっくりと指を引き抜いた。
垂れていた先走りで濡れて、最初より幾分広がった入り口がいやらしかった。
先生の、整わない呼吸がやけに艶っぽい。
手についた精液を、潤滑油代わりに穴に塗りこんだ。
ツプ、と僅かな水音がする。
力なく投げ出された右足を、ゆっくりと肩に担いだ。
先生には、少しきつい体勢かもしれない。
でも、悪いとは思いながら、俺自身ももう限界にあった。
息を吐いてから、少しずつ腰を進める。
「……っう、あ…!」
「うわ……っ、すげ、」
ついさっき指が入ったばかりとはいえ、きついことに変わりはない。
これ以上入ったらやばくないか、という不安に駆られるが、それでも尚、先生をおかしていく。
「ん、あ…っ、はぁっ、あ、んっ……」
先生の目に浮かんでいた涙が、痛みからか解らないがとうとう溢れ出た。
声と声の間隔が狭くなる。
白いシーツを握りしめるあまり、皺が寄っていた。
そんなのじゃなくて、俺にしがみついて爪立てればいいのに。
ただ、そんな風にするところが逆に先生らしくて、それでもいいと思った。
「せんせ……」
何かが違う、と気付いた。
俺が本当に呼びたいのは、先生なんかじゃない。
両目がじわじわと熱くなる。
- 306 :ハト:09/17(日) 23:38:25 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
余裕なふりをしていつも焦っていた俺には、重すぎた4文字。
口にしたら歯止めがきかなくなりそうで怖かった。
今はもう、本当に勝手だけど、止める必要がないように思えた。
息を呑む。
「春介、」
半分消え入りそうな声で、呟いた。
小さな声だったが、ベッドが軋む音と荒い吐息しかない部屋には十分に響き渡る。
先生の体がびくりと跳ねて、僅かに中が締めつけられた気がした。
先生がゆっくりと目を開けて、こっちを見る。
もう力が入らないであろう両腕を、俺の首へ伸ばした。
「あ、…ゆ……ァっ、」
何か言いたそうにしている。
依然慣れない痛みに耐えるように俺の首に強く腕を回して、俯いた。
「………融児…」
何だか俺まで泣きそうになった。
耳が痺れるような感覚がある。
名前を呼んで、名前を呼ばれて、これ以上ないくらいに嬉しくて、これ以上ないくらいに興奮した。
「春介、好き…すげー好き」
「あっ、も…、ん、……い…っきそ…」
「俺も…やばいかも、そろそろ……いこっか…」
手を下へ伸ばして、もう一度先生を包み込む。
俺の腰の動きに合わせるように、緩急をつけて擦り上げた。
「は、あ、……ッ!」
「春介……だいじょぶだから、出して…?」
「んぁ、あ、っ…あぁッ……!」
お互いに精を吐き出した後で、狭い中からゆっくりと自身を抜き取る。
放たれた精液が糸を引き、てらてらと光っていた。
先生の腕の力が抜けて、俺の首からずるりと落ちる。
あまりの疲労感に、俺もそのまま先生の上に体を投げた。
「…重いんですけど…」
「無理…動けねぇ…」
繋がった、ただその満足感と疲労感と、確かな幸福で満ちていた。
- 307 :ハト:09/17(日) 23:40:14 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
二人ともそのまま動かずにいてからしばらくして、俺は先生の上から隣へと移動した。
先生はまだぐったりして、動くのも嫌という様子だった。
汗のせいで風邪を引かないように、布団を腹の辺りまでかける。
「疲れた?」
「…疲れた、より…痛い……」
左腕で目を覆ったまま、ぼそぼそと呟くようにそう言った。
本当に、力の抜けきった感じだ。
そんな様子を見ていると、何だかだんだん不安になってくる。
「え、あの、気持ちくなかった?」
聞いてから少し後悔した。
これでハイとでも言われた日には自信とか全部吹っ飛んでしまう。
先生は左腕を静かに下ろして、俺の方を見た。
ふっと、口元に笑みが浮かぶ。
「すみません、余裕なくて」
「いや、…俺もだけど」
「何か改めて言うのも変ですけど…よかったですよ、ちゃんと。」
遠慮がちに先生が言う。
その言葉にひとまず安心した。
そういえば、と思い出し、更に質問を投げかけた。
「…あのさ、さっき…融児、って」
意図せず、声が小さくなった。
ヤってる最中の勢いってこともあるし、ただ俺が呼んだから合わせただけかもしれないし、うわ言みたいだったから覚えてないかもしれない。
え?とかは?とか言われたらどーしよう、とまた不安に思いながら、恐る恐る先生を見た。
「呼びたかったから」
少しの沈黙があって、短く返事があった。
具体的じゃない言葉に、思わずえ、と呟く。
「多分ずっと、西田君のことそうやって呼びたかったから」
そう言って照れたように笑う先生はすごく可愛かった。
俺もそうだ、ずっと、先生のこと春介って、呼びたかった。
- 308 :ハト:09/17(日) 23:46:44 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
「じゃあ俺これから春介って呼」
「絶対だめです」
言葉の途中で遮られた。
間髪入れずに禁止を受けてショックを隠せない俺の横で、先生は笑っている。
「…学校では。」
いたずらっぽく笑って、そう付け足した。
「…わっ…解ってるって、それくらい!」
「ええ、解っててもらわないと」
こういうところでは先生の方が一枚上手なんだろうか。
俺にとってはどうにも複雑な心境だけど。
目が合って、どちらからともなくキスをする。
そして顔を見合わせて小さく笑い合った。
先生が好きだ。
ずっと、ずっと好きでよかった。
開ききっていた距離を、俺が一方的に詰めていった。
ようやく少しは縮まったかと思ったところで、突き放された気にもなった。
ウザかっただろ先生、しつこくて、邪魔で、何でこんな生徒居るんだろうって思っただろ。
でも俺は先生に対する行動全部に後悔はしてない。
情けないとこも見せたし、しょうもないと思われただろうけど。
それでもやっと今、この距離なら手を繋げる、キスできる。
今はただ、この縮まった距離に溺れていたいんだ。
できるなら、この先もずっと。
- 309 :ハト:09/17(日) 23:57:21 HOST:61-27-16-98.rev.home.ne.jp
◇◇◇
以上、2月末からダラダラと続いた...distance...は完結となります。 え、何この終わり方……って感じですが、終わりです。 何はともあれ、最後までお付き合い下さった皆様に感謝いたします。
途中で1ヶ月以上更新しなかったり、1週間後と言いつつ期限までに更新できなかったりと、 何やってんだハト、という感じでしたがどうにか完結できてよかったです。 「完結」という言葉が何だか格好良くてあたしの小説に使うには恥ずかしいのですが…笑
レス下さった方一人ひとりにレスを返すのも途中で挫けてしまいました。 ですが、上げも含めて全て身に染みて嬉しかったです。 読む度に、頑張ろう、書き切ろうと思えました。
今回、この小説がハトにとって初めて書いたものだったのですが、 ペース配分や長さや設定、流れなどまだまだだな、と反省しきりです。 次回作を書く機会があれば、今回の反省点を生かして頑張ります! 書くこと自体は楽しかったので、次も何か書いてみたいなーと思っております。
またお目にかかることができたら嬉しいです。 それでは、...distance...閉幕です。 たくさんのご声援をありがとうございました!
ハト
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