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 後輩×先輩 【GL】

1 :いちぜろ2号:08/29(水) 14:04:09 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
ここで小説を書くのは初めてです(゜ω^)
短編ですので見てやって下さい。


主な登場人物

近江 綾 (おうみ あや)
中2、硬式テニス部員

本原 小友里 (もとはら さゆり)
中3、元硬式テニス部員(引退)

エロあり注意です。
ではでは次から始まりです(∵)

2 :いちぜろ2号:08/29(水) 14:10:44 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「あ、おはようございます!」
「おはようございます!」


次々に挨拶をする後輩達。
本原 小友里は、数人の同級生と共に硬式テニス部に
顔を出しにやってきた。

小友里たち3年生はとっくに引退しているのだが
受験勉強の合間に息抜きを兼ねて遊びにくる。



「先輩、来てくれたんですねー!」
2年の近江 綾がラケットを片手に話しかけた。

「うん、勉強ばっかだとしんどいし」
苦笑いしながら小友里は言った。


3 :いちぜろ2号:08/29(水) 14:17:22 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
2年の練習に交ざってみたり
1年に指導をしたりしながら小友里たちは
時間を過ごした。

1、2年の休憩にあわせて自分たちもお茶を
飲んで休んでいると、「先輩っ」と声がした。
綾だ。

「受験勉強、どうですか?先輩のことだから、だらけてそう・・・」
からかうように綾が言った。

「ひどっ、ちゃんとやってるよ!ワークとか」
「本当ですかぁ?」
「本当!」

ひとしきり綾とふざけあっていると、
休憩は終わってしまった。


4 :いちぜろ2号:08/29(水) 14:28:05 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「で、・・・だから、打点を・・・」
顧問がラケットを持ちながら2年に説明をしている。
すっかり疲れた3年たちは、部室前のベンチで
だらけていた。


「・・・じゃあ、片付けて、職員室前に集合」
あ、もう終わりか。ほんとだ、時間が・・・

はい!と声を揃えて返事をした後、
2年は1年と一緒になっててきぱきと片付けをはじめた。


「ボール2球無いよ!1年探してー!」
「せんぱーい!ありました!2球!」


いつも通りの時間に、いつも通りに今日の部活は終わった。



5 :いちぜろ2号:08/29(水) 14:37:01 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp

「先輩、ちょっと」


ラケットを背負い、自転車の鍵を取ろうと
カバンのポケットを開けようとした小友里は
声をした方に顔をあげた


「綾、どうしたの」
「あの、ちょっと部室来てもらえませんか、個人的に渡したいものが」
「ここじゃ駄目なんかよー」
「あはは、ちょっと」


綾に丸め込まれて、小友里は部室へ向かった。
「何なに?何かくれるの?あ、相談とか・・・」
小友里は笑いながらそういい、使い古されたパイプ椅子に座った。

その時、綾が静かに部室の鍵を閉めたのを、
小友里は気づかなかった。



6 :いちぜろ2号:08/29(水) 14:44:03 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp

「・・・・綾?」
綾が問いかけに答えない。
小友里はもう一度言おうと口を開けた、その瞬間・・・

「え・・・」
綾は正面から小友里を抱きしめていた。

「どうし・・・」
言い終わらない内に、綾は小友里にキスをした。
何が起こったのか理解できず、小友里はただぼーっとしていた。


綾は無言のまま、ガクンとパイプ椅子を倒した。
「ぅわ!」
小友里は驚いたが、なんとか頭を打たずに済んだ。



7 :いちぜろ2号:08/29(水) 14:58:57 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
綾が小友里を見下ろす体勢になり、
ようやく綾が口を開いた。


「ずっと・・・こうしてみたかった・・・・」


そのまま、綾が言葉をつづける。
「いいですよね、先輩・・・・?」

「綾・・・って・・・女の子が好きなの・・・?」
混乱した頭で必死に考えて小友里は言った。

「先輩だから・・・好きなんです・・・誰でもいいんじゃない・・・先輩だから・・・」

そういうと綾は小友里の着ていた体操服に
手を入れた。

「・・・やめようよ・・・綾・・・」
「やめません・・・やめれませんよ・・・先輩・・・」

綾の手が、下着越しに小友里の胸に触れた。

「先輩・・・思ったよりある・・・なんか、ずるいですね・・・」
ぷちっと音がして、下着のホックが外された。


8 :いちぜろ2号:08/29(水) 20:21:54 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「嫌・・・いや・・・っ、」
「先輩・・・可愛い・・・・」

涙目で嫌がる小友里をみて、
綾は今まで知らなかった自分に気づいていた。


私・・・Sなんだ・・・
泣きながら嫌がってる先輩、かわいい・・・
もっと苛めて泣かせたい・・・


「先輩、可愛いです・・・・見てもいいですか?先輩の胸・・・」

小友里はいやいやと首を横に振ったが
綾は行為をやめなかった。



9 :いちぜろ2号:08/30(木) 19:49:48 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
綾は強引な仕草で、小友里の着ている体操服を
胸の上まで引き上げた。
ホックが外されただけの下着が腕に引っかかったまま
で、その姿を綾はなんて扇情的なんだと感じていた。

堪らず胸の突起に舌を這わせる。
綾の脳内は言いしれぬ恍惚感で満たされていた。


「・・・・!」
「声・・・我慢してるんですか?何で・・・?」
「嫌・・・」
「・・・・。さっきから、それしか言いませんよね」


小友里がいくら嫌がろうと、綾には無意味だ。
もっと、本気になってしまう。
そのことは綾自身が一番よく分かっていた。

学校の部室で、大好きな先輩をレイプしてる。
この背徳感ですらも綾を本気にさせる一要素だった。



10 :いちぜろ2号:08/30(木) 20:37:49 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
綾の手は腹を伝い、小友里のズボンへと掛かる。
紺色の無地で、ローマ字で校名が書かれているだけの
シンプルな、いわゆるハーパン。

引きおろす寸前に、綾は小友里の顔を見やった。
小友里の意思次第で行為をやめるなんてことは
綾の頭には無く、ただなんとなくした行動だった。


小友里はすでに空ろな眼をしていた。
額に汗が滲み、呼吸はかすかに乱れていた。
綾の背中に「背徳感」が一本の電流になって駆け抜ける。

綾は心を決めてズボンを下着ごと引きおろした。
それは、そのままするすると足を抜け、
カーペットの床にぱさりと落ちる。



11 :いちぜろ2号:08/30(木) 20:55:51 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「女の私相手に・・・なんでこんなに濡らしてるんですか?
先輩、すごいやらしいですよ・・・もしかして先輩も、
そっちの気アリだったりして?・・・それはないかぁ」

いやらしいって・・・。自分のこと棚にあげておいて。
小友里は喉元までそんな言葉が出掛かったが
すぐに羞恥心でかき消された。

自分でもびっくりするほど、秘部を濡らしていたのだ。
口では散々イヤと繰り返していたのに。
小友里は自分が分からなくなり、顔を真っ赤にして
ゆるゆると首を振った。

「『嫌』?ですか?・・・この期に及んで」
「・・・だって・・・ねぇ・・・あ、や」

小友里が、綾の服の袖を掴んだ。



12 :いちぜろ2号:08/31(金) 15:49:51 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
掴まれた袖に掛けられた幾ばくかの力が
シャツに皺をつくり、目に見える状態として綾に伝わった。

この人に袖を掴ませているのは
私に襲われる恐怖か、それとも別のなにかか?
行為に没頭する綾のなかに、とても冷静な
もう一人の自分が存在しているようだった。

綾の指が秘部へと伸びる。
小友里の肩が小さく揺れ、目尻からは
ぽろぽろと涙がこぼれている。

本格的に泣いちゃってるなぁ・・・

「自分でもろくに触ったことも無さそうですもんね」
「・・・・・・触ってたら、やばい、よ」
「そうですか?私、先輩でならできるな」
「・・・・?」
「自慰ですよ、じ・い」

先輩の、もとから赤かった顔がさらに赤みを増した。
やっぱり、先輩は・・・可愛い・・・。


13 :いちぜろ2号:09/01(土) 19:26:10 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
はぁ・・・ はぁ・・・ はぁ・・・

いまのこの空間には、車の走る音も、
雑談の声も、スパイクの鳴る音も、
なにも聴こえない。
先輩の吐息のみが響いている。

こんだけ、なーんにも聴こえないなんて。

綾は数年前、家族で旅行に行くため、いつもより
2時間半も早起きして荷物を抱えながらバス停までの
道のりを歩いたときのことを思い出していた。

いつもあんなに車が通ってて、
自転車も通ってて、人も歩いてて。
なのに綾の歩いた道は、空気がなんとなく
ひんやりとしていて、人がいない。車もいない。
もしかしたら、振り返ったら家族もいなくて、
荷物もどこかへ行ってて、自分ひとりに
なってるんじゃないか?
そう考えると、周辺にそびえる住宅などが、
急に空虚なものに見えてきて、
綾は自分の足音だけを聴きながら、ひたすら荷物を
抱えてバス停へと急いだのだった。

ま、空虚云々は大きくなったいまだからこそ
思えることなんだけど。

綾は小友里を犯しながら、その部室に
数年前に歩いたあの道を見ていた。

このまま小友里が消えてしまったらどうしよう。
一瞬だがそんな錯覚も起こしてしまった。



14 :いちぜろ2号:09/02(日) 22:04:21 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「・・・あ」

小友里の涙が指先に落ちたことで
綾は我に返った。

小友里は依然、綾の体の下で
涙をこぼしながら愛撫に耐えている。
耐えている・・・とはいっても、
すでに自らの淫らな液で綾の指を濡らしている。

もう・・・いいかな・・・、 いいよね・・・。
綾は行為を次の段階へと導こうとしていた。

そして、ついに。

「先輩、変な感じしても、我慢して下さいね・・・」
そう言って綾は、小友里の秘部に指を一本、押し進める。

「・・・・!? 嫌ぁ・・・やだぁ! あ、んぅう・・・!」
小友里は初めての指挿入に強い違和感を感じ、
反射的に体を引こうとした。
が、綾が空いた方の腕で小友里の脚を固定する。
成すがままの小友里は、ただ泣きながら声をあげるより
他に無かった。

15 :いちぜろ2号:09/03(月) 19:30:28 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
私、綾に・・・ レイプされてる・・・

小友里の頭は混乱していた。
四方から様々な音楽を大音量で流し続けられるような、
頭がぐちゃぐちゃに掻き混ぜられる感じ。
小友里の脳内は、まさにそんな状態だった。

「やだぁ、んくぅ・・・! んうう・・・!」
「・・・どんな感じですか?」

綾が、真っ赤になった自分の顔をまじまじと
見つめながら、わざと意地悪く尋ねてくる。

「・・・変な、感じ・・・! 嫌ぁ・・・抜いてよぉ・・・」
少し間が空いて、小友里が途切れ途切れに言う。



16 :いちぜろ2号:09/07(金) 14:54:33 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
小友里の声とは反対に、
綾は指で小友里の秘部を攻め続ける。

混沌とした頭の中で小友里は、あるひとつの言葉が
はっきりと浮かび上がってくるのが分かった。

どうしよう・・・
なんか・・・きもちいい・・・

小友里にとって綾に犯されることに
快楽をみつけるのは屈辱だった。

私・・・変・・・
綾にレイプされてる・・・のに・・・
嫌だ・・・認めたくない・・・

認めたくない・・・
・・・けど・・・

17 :いちぜろ2号:09/07(金) 15:15:05 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「綾ぁ・・・ 綾ぁ・・・」
小友里が消え入りそうな声でつぶやく。

意味を持たない呼びかけに、綾は
「大丈夫です、先輩・・・」とだけ答えた。

そして何の前触れもなく、
指が一本増やされた。

「ひやぁ、やだぁ・・・広がっ・・・あっ」
「ちゃんと・・・咥えてますよ、私の指」

綾の指が、小友里の中を掻き回す。

「ひぁ・・・っ、 綾ぁ、綾ぁ・・・!」
「・・・先輩?」

18 ::09/07(金) 15:28:14 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
綾は内心驚いていた。
小友里が、自分の首に腕を巻きつけてきたのだ。
あの先輩が・・・

「んぅ・・・! んくぅう・・・! 綾っ・・・」
「・・・先輩」

攻め立てる指の動きが、
少しずつ速くなっていく。

「あ、んんう・・・! 綾、綾・・・」
「先輩・・・気持ちいんですか?」

自分の名前ばかり繰り返す小友里に、
綾は問うてみた。

「あ、あ、わかんな・・・んぅ・・・」
つい先ほど快楽を自覚してしまった小友里は
顔を真っ赤にしつつも嘘を吐いた。

「・・・気持ちいんですね、なんか嬉しいです」
小友里の快楽を汲み取った綾は
にやりとも、にこりともつかぬ笑みをみせた。


19 :いちぜろ2号:09/09(日) 14:23:27 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp

先ほどまで部屋に響いていたのは
小友里の吐息だけだったのが、今では
小友里の喘ぐ声や淫らな水音まで加わっている。

「あ、んぁっ」
「先輩・・・イきそうなんですか?」

事実、小友里は既に限界が近かった。
それを察した綾は指の動きを速めていく。

「あ、やだぁ、あっ! 綾ぁ・・・!」
「先輩、いいですよ・・・イっても」

「あ、変・・・んぁぁ・・・あっ」

小さく、びくんと身体を揺らし、
小友里は初めて絶頂へと達した。


20 :いちぜろ2号:09/11(火) 23:34:53 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
眼は空ろ、体はひくひくと、わずかに震えている。
小友里はまだ先ほどの絶頂の余韻に浸っていた。

じっと動かない小友里の体を、綾が拭った。
絶頂直後の疲労感、特有の憂鬱感をいまだ強く感じ、
小友里はずっと押し黙っていた。

部室のドアを少し勢い付けて開けると、
空はもう暗くなり始めていた。
時計は5時42分をさしている。

部室のドアを開けた瞬間、
今まで部室で小友里を犯していたのが
夢の中のことのようで、自分のしてしまった
ことながら、綾は妙な浮遊感を感じた。

21 :いちぜろ2号:09/13(木) 00:04:47 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
振り払われるのを覚悟で、
綾は小友里の手を取って歩きだそうとした。

だが小友里は綾の手を振り払うことはなく、
二人はすんなりと手をつないだ。

小友里がどんな気持ちで自分に手をつないで
歩いているのかは、綾には分からなかった。
けれどそれは決して、小友里が綾を許しただとか、
安堵しただとか、そういう事では絶対にない
ということは明らかだった。

二人とも、一言も発しないまま、
ひたすら帰り道を歩き続けた。
小友里の家の前まで着いたとき、小友里は
綾の手からすっと自分の手を抜き、
綾と眼を合わせないまま行ってしまった。

綾は、歩く間中、そして小友里が
自分から離れていくときに何も言えなかった、
否、言わなかった自分が腹立たしくも、
情けなくもあった。


22 :めだか:09/13(木) 19:28:29 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
いちぜろ2号さん>>初めまして。「恋は飴の様に甘い恋がしたいよね」を書いているめだかです。GLですかぁ^^GLって少ないから期待あげです。これからも頑張ってください。応援しています^^

23 :いちぜろ2号:09/13(木) 23:20:41 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
めだかさん
初めて他の人からのレスが・・・
ありがとうございます(゜ω^)
期待だなんて・・・そちらも頑張ってくださいね。

24 :めだか:09/14(金) 07:26:44 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
いえいえ^^でも書き込まないだけで、美奈さん見てると思いますよ?

25 :めだか:09/14(金) 07:27:10 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ミス 美奈さん ○皆さん

26 :いちぜろ2号:09/14(金) 18:09:40 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
めだかさん
いや・・・どうでしょうね 笑
もしそうなら嬉しいのですが(゜ω^)

27 :いちぜろ2号:09/14(金) 18:21:27 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
小友里が帰ってしまっても、綾は
いまだ小友里の家の前を動けずにいた。

扉を見つめながら、綾は
小友里がもう一度出てきてくれるのではないか、
という気がしていた。

有り得ないこととは分かっていた。
けれど、綾の足は小友里の家の前を動こうとはしない。

5分ほど立ち尽くしただろうか。
綾は心の奥深くに沈むなにかを感じながら
足を引きずり帰路についた。

帰り道はとても空虚なものだった。
途中のことはほとんど覚えていない。
インターホンのボタンの冷たさで
綾は自分が家に着いたのだと思い出した。

28 :めだか:09/14(金) 21:44:42 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
テラ空しす(泣)

29 ::09/15(土) 18:55:11 HOST:p16222-adsau13honb6-acca.tokyo.ocn.ne.jp
あげ★

30 :いちぜろ2号:09/15(土) 19:46:23 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
めだかさん
空しスな雰囲気出せてますか?
うれしいです(*'ω'*)

みさん
あげありがとうございます!

31 :いちぜろ2号:09/15(土) 21:17:46 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
一枚の扉を隔てて、小友里は玄関に座り込んでいた。
ぺたりと床に手をつけ、片方が脱げかけた
スニーカーも放置して。
そして、行為のときから変わらぬ空ろな眼。

実際のところ、なぜ黙って手を引かれ続けたのかも、
眼も合わさずに去ったのかも、自分でよく解らない。

先ほどからずっと、頭の濁りが消えない。
絶えず脳が霧につつまれているかのようだ。

綾・・・

脳裏に、自分を犯した後輩の名が浮かぶ。
綾は、私が好きだったの?
好きだから、あんなことをしたの?

再び行為のときに頭の中で聴いた、
大音量の音楽が頭を突き破らんと鳴り響く。

やだ・・・ 痛い・・・


32 :いちぜろ2号:09/15(土) 21:50:18 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
その瞬間。

ざっとコンクリートが擦れる音がした。
そしてそれは、自分の家の目の前で起こった音だろう。

ざ・・・ ざ・・・ ざり・・・

間を空けてその音は連続し、少しずつ遠ざかって
いくのが解った。

おそらく人の歩く音だろう・・・
ぼんやりとそこまで考えて、小友里は直感的に思った。

「・・・綾」

綾だ。
居たんだ・・・ 立ってたんだ。

扉の向こうで、私が出てくるのを
ひたすら独り待っていたんだ。

「・・・綾、あやぁ」

自然と声が絞りだされる。
そして同時に、今日で何度流したか知れない、
枯渇を知らない涙が止めどなく流れてきた。


33 :いちぜろ2号:09/16(日) 14:11:52 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp

―――・・・あの日から2日が経つ。
小友里は、同期の友人から「部活に顔出しに行こう」
と誘われても、どうしても行けずにいた。

2年の近江 綾。
あの日、私は・・・あの子に犯された。

友人からの誘いのメールが入るたびに
思い出す、あの名前。

もしも・・・あの行為はあの子の気まぐれで
私が部活に顔を出しても、何ともないという顔で
「先輩っ」なんて話しかけてきたら・・・

居た堪れない。

けど・・・あの子は私に好きって言ったんだよね?
恋愛の対象として、私を見ていたんだよね?
そしてあの日、部室で私を犯した。

私は、綾に会ってもいいの?
会ったら、どんな顔をすればいいの?
どんな言葉を交わせばいいの?

自分の気持ちもわからない。

34 :にこ:09/16(日) 22:15:42 HOST:softbank220030254169.bbtec.net
あげ!!

35 :いちぜろ2号:09/17(月) 09:53:33 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
にこさん
あげありがとうございます(゜ω^)

36 :いちぜろ2号:09/17(月) 10:04:35 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
綾も同じく、あの2日前の出来事を思い出していた。
身勝手かつ不謹慎な考えではあるが、
綾にはあの日の出来事が、夢の中の出来事か、
または他人のことのような感覚がしつこく残っていた。

でも、やはりあの日自分は、先輩を犯した。

あの日から先輩は、部活に顔を出さない。
いつも「受験勉強、疲れるよー」なんて言いながら
楽しそうにラケットを振るっていた先輩が、
部活に顔を出さなくなった。
それは・・・九分九厘、私のせい。

けれど、私は・・・先輩が好き。
よくある「憧れ」の気持ちと錯覚しているのでもない。
恋愛の対象として、先輩をみている。
いま、確実に言える自分の気持ちといえば、
これだけだろう。

今思えば、「心が手に入らないのなら、体だけでも」
という考えだったのだろう、私が行為に及んだのは。

最低な思考だとも思うし、 ・・・最高な思考だとも思う。
ああ、今わかった。私、病気なのかな・・・

37 :めだか:09/17(月) 15:23:38 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
似たもんどうしですね〜*´∀`*


あげ

38 :いちぜろ2号:09/17(月) 20:24:09 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
めだかさん
根底ではわりと似てるのかもですね〜(*'ω'*)
綾は歪んでますけどね〜 笑
あげありがとうございます(゜ω^)

39 :いちぜろ2号:09/17(月) 20:30:28 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
夜が明ける。
暗闇を押し上げるようにして赤色の空が
コップから零れた水のように広がってゆく。
夕方のやさしいオレンジ色とは違う。
やがてその赤は白んでゆき青空へと色を変えてゆく。

朝か・・・
綾は久しぶりにみた朝やけをほうっと
溜め息まじりに眺めた。

綾は昨日の夜中から、3日後にせまった
実力テストの勉強をしていたのだ。

ややこしい方程式を眼にしても、
長ったらしい英文を訳していても、
頭に浮かぶのは、先輩・・・ 小友里のことだ。

私、こんな事してていいのかな。
暗記ペンを片手に綾は思った。

なんか頭で思うだけでさ・・・行動しなくて。
先輩がいちばん、傷ついてる。

綾は疲労感と眠気をひしひしと感じながら
教科書を通学かばんに詰め込んだ。

40 :ww:09/17(月) 20:34:23 HOST:FL1-122-130-21-197.gif.mesh.ad.jp
ァゲ(*>艸<)
ぁたしGLダィスキ(*ノωノ)
GLの小説少ないからがんばって
てヵァタシも中学の頃テニス部ゃたー

41 :めだか:09/18(火) 16:09:49 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
徹夜しても学校はあるもんだ〜。おもしろいです^^更新頑張ってください。あげ

42 :いちぜろ2号:09/18(火) 23:06:50 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
wwさん
ありがとうございます(゜ω^)
確かにGLモノは少ないですね・・・
女の子向けサイトだからでしょうか(´・ω・`)
実は私もテニス部なんです!自分とかぶらせた方が
リアルに書けるかなと思ったのですがテニスの場面
なんて出てくるはずもなく・・・いつか出したいです 笑

めだかさん
毎度毎度ありがとうございます。
感謝してます(*'ω'*)
徹夜で勉強なんてとても出来ませんね・・・
おもしろいだなんて・・・そんな・・・
更新頑張らせていただきます!

43 :いちぜろ2号:09/18(火) 23:33:25 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
浅い眠りをまちまちに繰り返しただけの
体は食べ物を通すはずもなく、綾は朝食を抜いた。
母親は心配して少しでも食べていきなさいと
促したが、黙って首を振った。

「行ってきます・・・」

綾は寝不足の体で力無く玄関の扉をこじ開け、
歩き出した。

学校に着いてすぐ、正門をくぐろうとしている
小友里の姿が眼に入った。
昨日の夜から、考えていたのは小友里のことばかり、
真っ先に眼につくのは当然だろう。

「あ・・・先輩・・・、 本原せん・・・」
いつものような大きな声が出ない。
綾はもごもごと口ごもっていた。

「・・・おはようございます!」

半ば叫ぶような声で綾は言った。
だが小友里はというと、綾のほうを一回も
見ないまま、小走りで3年校舎のほうへと行ってしまった。

先輩に無視された。
それだけでも、綾に多大なショックを与えるには
十分だった。

いや、てかそれよりも、
私がしたかったのって挨拶?
違う、絶対に。

綾はもともと寝不足でぼんやりとする上に
小友里に無視されたショックでいっぱいの頭に
フル稼働させ考えを改めた。

私が先輩に、今いちばんしなければいけないこと。
それは、そう・・・

謝罪。


44 :いちぜろ2号:09/19(水) 19:57:54 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
・・・とは言っても、今の状態では
先輩とまともに会話できそうにないんだよね・・・

一時間目の授業中、綾は登校中の決心を
自分自身の手に揺らがされていた。

だけど私は、先輩に謝らなければならない・・・
そう、話をしないといけない・・・

自然と下唇が結ばれ、ノートを取る手が止まってしまう。

今朝みたいに逃げられても、ちゃんと呼び止めよう。
拒絶されて話なんてしてくれないかもしれない。
けれど、話をしなければ・・・

先生の説明などほとんど耳に入らないまま、
綾は一時間目の授業を終えた。

45 :いちぜろ2号:09/19(水) 20:19:43 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
チャイムが鳴ると同時に、綾は時間割表に眼をやった。

次は技術・・・移動教室か。
いまだ残暑厳しいこの季節は、先生の気遣いにより
暑苦しい技術室は使わず、冷房の効いたパソコン室での
授業になる。

「綾ぁー、行こうっ」
数人の友人が少し離れたところから声をかける。
ちょっと待って、と返事をしながら綾は
通学かばんや自分の机をひたすら確かめていた。

「ごめん・・・技術の教科書忘れた。借りてくるね」
苦笑しながら言うと、友人たちはしっかりしろよ、
と笑いながら先にパソコン室へと向かっていった。

隣のクラスの友人から無事、技術の教科書を
借りられた綾は、小走りでパソコン室へ
向かって歩いていた。

2年校舎から3年校舎へ通じる渡り廊下に
さしかかった時、綾ははた、と足を止めた。


46 :めだか:09/20(木) 07:26:53 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
先輩に借りるのかな?


謝罪なんてなんていい子なんだ・・・

おもしろあげ

47 :いちぜろ2号:09/20(木) 19:19:38 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
めだかさん
ヤることヤっちゃいましたから ←笑
謝らないとって悩んじゃったのですね。
綾は小友里先輩大好きっこですからね(∵`)
あげありがとうございます!

48 :いちぜろ2号:09/20(木) 19:31:42 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
3年校舎の廊下に立っていたのは、
ノートとペンケースを小脇に抱えた小友里、
・・・と見知らぬ3年の男子だった。

綾はぴたりと歩くのをやめ、
床に張り付けられたように足が動かなくなる。

眼を細めて笑い、小友里に話しかける男子の先輩。
空いた手で髪を耳の上にかきあげ、
その言葉に応える小友里。

この雰囲気は・・・ どうみても・・・

話に一区切りついたらしく、二人は会話をやめ別れた。
男子から視線を外し、歩きだそうとした瞬間
小友里と綾は眼があった。
小友里もまた、ぴたりと体の動きが固まってしまう。

「・・・先輩」
少しかすれた声で綾は呼びかけた。

だが数秒の沈黙ののち、小友里は
くるりと足早に踵を返し、歩きだそうとする。

「先輩!」
今度こそはと呼びかける。

49 :ゆL1:09/20(木) 21:13:12 HOST:s42.xrea.com
面白いです(*/∀`*)☆+。
GL少ないですもんね(*pロ`)。:+゜
綾ちゃん頑張って←もっぱら綾ちゃん派 こら

50 :いちぜろ2号:09/21(金) 19:34:18 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
ゆL1さん
レスありがとうございます!
面白いだなんて嬉しいです(´;ω;`)
綾には今後、色々なことを頑張らせるつもりです 笑

51 :いちぜろ2号:09/21(金) 19:57:20 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
2度目の呼びかけで、
小友里はようやく素直に綾のほうを向いた。

「・・・あ、あの・・・今のひとって」
綾は尋ねながら知らず知らずのうちに、
視線が宙を泳いでしまう。

「・・・・彼氏」
少しの溜めを作り、床を見つめながら
小友里はポツリと言った。

やっぱり・・・!

綾は嵐のど真ん中に一人取り残されたような
激しいショックを受けていた。

休み時間終了を知らせるチャイムが、
嵐の真っ只中に呆然と立ち尽くす綾の耳にも
かろうじて届いた。

「あ・・・先輩、すみませんでした・・・じゃあ」
綾は力無く小友里に告げる

「あ、うん・・・」
小友里はそう言うとぱたぱたと教室に戻ってしまった。

頭、痛い・・・なんか眩暈がする。
綾はふらふらとした足取りでなんとか
パソコン室へとたどり着いた。
遅かったじゃんと肩を叩く友人の言葉にも
曖昧な返事しかできず、綾は頭の痛みをこらえるのに
精一杯だった。


52 :いちぜろ2号:09/23(日) 19:14:17 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
時間は過ぎ、綾の自室。
綾のあまりの元気の無さにみんな心配し、
テニス部の副キャプテンに部活を休んだらどうかとまで
言われた。部活には出たかったが、お言葉に甘えて
そうさせてもらった。

「・・・・はあ」
全部だるい。精神的に。
綾は制服を着替えることもせずベッドに突っ伏していた。

先輩・・・彼氏、いるんだ・・・
恐らく今日、500回は頭の中に浮かんだであろう
その言葉が、再び綾の頭を支配する。

「やば・・・」
頭痛がぶり返してきた。
行き場のない様々な感情が駆け巡り、
頭が沸騰しそうだ。

「・・・く、」
憎い。
あの男が。
先輩の「彼氏」が。
許さない、
私の先輩なのに。
私が、一番最初なのに。
先輩を最初に愛したのに。

ぐにゃりと、屈折するのがわかった。


53 :いちぜろ2号:09/24(月) 15:16:41 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「・・・・っ、」
自らの秘裂に指を這わせる。
綾はふつふつと湧き上がる感情を処理しきれず、
ひっそりと自慰にふけっていた。

先輩は私のもの。
私と最初に一つになったのは
私なんだから、私の。
他の男に・・・先輩が汚されるなんて、耐えられない・・・

私のもの私のもの私のもの私のもの私のもの私のもの私
のもの私のもの私のもの私のもの私のもの私のもの私のも
の私のもの私のもの私のもの私のもの私のもの私のもの
私のもの私のもの私の私のもの私の

嫉妬に狂った体は、止まらない。
ほとんど慣らさず、綾は指を挿入した。

「・・・つあ、・・・ん」

この痛みは、先輩のからだの痛み。
私は再び、先輩を犯した。
あの日よりも激しく、乱暴に、狂ったように、
頭のなかで、先輩を犯した。

ぐちゅ・・・じゅぶっ

生々しい音をたてて指を出し入れし、内壁をこする。
すると頭のなかで先輩が顔を歪め、
泣き叫び、許しを請う。

「先輩・・・? こんなに・・・濡らして・・・」

息を荒げ、途切れ途切れに
頭の中の先輩に言葉をかける。

54 :めだか:09/24(月) 19:08:37 HOST:ntmygi023016.mygi.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
嫉妬かぁ〜。いいねいいね^^

あげあげ

55 :いちぜろ2号:09/25(火) 17:30:56 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「ん・・・・!」
くぐもった声が漏れる。
これは本当に私の声なんだろうか。
自分でもそう思ってしまうほど、綾の声は
甘く、淫らな声だった。

浅く、深く、本能のままに指を動かすと、
無意識に首が反っていく。

「いぅ・・・あ・・、先輩・・・!」

絶頂が近い。
綾の指は自らの淫らな液が
滴り落ちそうなほどに濡らされている。

「・・・・っ」

強いオルガズムが爪先まで駆け巡り、
綾は制服姿のまま絶頂に達した。

脳内で激しく息をつく小友里と共に・・・

56 :いちぜろ2号:09/25(火) 17:31:55 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
めだかさん
お返事より先に小説を更新してしまった・・・
すいません(´・ω・`)
ええ、なんかおかしいことになってますねー
嫉妬は大好物です 笑

57 ::09/25(火) 21:54:53 HOST:05004016676432_es.ezweb.ne.jp
切ない(;;)
作者さん頑張って下さい☆

58 :いちぜろ2号:09/28(金) 19:25:44 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
なさん
切ないですか?! はじめて言われました・・・
ありがとうございます(´・ω;`)

59 :いちぜろ2号:09/28(金) 19:41:38 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
じっとりとした湿気に耐えかねて、
綾はようやく眼を覚ました。
悪い目覚めだ。額にはぽつぽつと汗が浮かんでいる。
時計を確認すると、5時42分。
先ほどひとりで迎えた絶頂から、30分ほど
眠っていたらしい。

太ももまで下ろされた下着が纏わりついて気持ちが悪い。
ティッシュを1、2枚、手にとり大まかに秘部を拭った。

トゥルルルルル・・・・
連続する呼び出し音。ゆるゆると気だるげな
足取りで電話のある居間へと向かう。

「はい、近江ですけど・・・」
どこか低めのトーンで呼び出しに応える。

「もしもし・・・あ、ごめん・・・綾?」
聞き覚えのある声。
否、ほんとは一番聞きたかった声。

「・・・先輩?」


60 :いちぜろ2号:09/29(土) 15:08:42 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
陰鬱な雰囲気が漂っていた眼は
ぱちりと見開いて、思わず声が裏返ってしまった。

「あのね、今・・・綾の家の下にいるの」
ぱっと窓を確認すると、確かに自宅脇のベンチに
座って携帯電話で通話をする小友里がいた。

「え?ど・・・どうしたんですか?」
「話さないといけないことがあって・・・ごめんね」

動揺を隠せない声色で家に上がるよう言うと、
短い返事がありノイズがかった会話は途絶えた。

「・・・おじゃまします」
玄関にちょこんと靴を揃えて小友里が家にあがる。
綾はそのなんでもない光景を愛しいと思った。

「いきなり、ごめんね・・・本当に」
乾いた笑いを漏らしながら小友里が言った。


61 :林檎+゚ (kHtdi/LYqw):09/29(土) 16:56:43 HOST:ser357651000554674
おー更新されてる(^ω^)
おもしろいです★
頑張ってください^^

62 :いちぜろ2号:10/02(火) 07:25:21 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
林檎+゚さん
レスありがとうございます!
面白いですか?(´・ω;`)うれしいです
精進しますー

63 :いちぜろ2号:10/02(火) 07:41:45 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
小友里は綾の向かいに正座したまま、
何から話してよいやらと言う表情で黙っている。

「綾、」
ぽつりと小友里が最初の言葉を放つ。
綾は小さくはい、と相槌を打ち、続きを待つ。

「あの日のこと・・・憶えてる、よね」

小友里の言う「あの日のこと」とは
勿論、二人の関係が捩れた日・・・綾が小友里を
部室で犯した、あの日を指すのだろう。
綾は視線を床に移し、こくりと頷く。

「あのとき・・・私、辛かったよ」
色んなことで、と小友里が付け加える。

「体の辛さを言ってるんじゃないの。
勿論、体も辛いけど・・・心の辛さが一番あった」

きゅっと小友里が手のひらを握る。


64 :いちぜろ2号:10/05(金) 19:24:57 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「でもね、でも・・・私、綾が帰ったときに、泣いたの」

どういうことか、わかる?
小友里が綾の眼をじっと見つめ言った。
綾は小友里が言ったことが半分理解ができずにいる。

「辛さとか葛藤とかにいっぱい苦しめられた。
でも、気持ちがちょっと落ち着いたときに考えたの。
私、なんていうかな・・・綾と、もしかして一緒に
いたいのかもって。 ・・・変だよね。
でも、やっぱり綾はいつでも私の可愛い後輩なんだもん」

微かに頬を赤らめた小友里が言い終わった途端に
綾は小友里を抱きしめていた。

最初から、こうすればよかったんだ。
抱きしめて、あなたが好きです、って言えばよかったんだ。

つんと綾の鼻が痛み、涙がにじんだ。


65 :いちぜろ2号:10/05(金) 19:35:47 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
「好き・・・好きです、先輩・・・」
声の震えを悟られまいとしながら、
綾は小友里に告げた。

小友里はうん、うん、と眼をつぶりながら頷く。
「私も・・・綾が好きだよ・・・」

「あれ?」
はた、と綾が思い出したように小友里の顔をみる。

「先輩・・・彼氏いたんじゃないんですか?」
少し焦りを含んだ眼で問う綾に、ああ、と小友里は言う。

「ごめん・・・嘘ついちゃってたの」

彼氏ができたというのは葛藤のさなか、
綾を避けたいがために瞬間的に思いついた嘘だと言う。
豆鉄砲を喰らった鳩のような顔で小友里を見つめていた
綾は、そうなんですかと面食らい、
小友里はごめん、と苦笑いした。

数秒の沈黙。
数日前までの空虚なそれではなく、
黙っていても満ちているのがわかる、
暖かな沈黙。

沈黙のなか、どちらからともなく
二人は触れ合うだけの口付けをした。


66 :迷子の名無しさん:10/05(金) 22:45:45 HOST:07032460790047_vq.ezweb.ne.jp
気になりますね〜 あげ

67 ::10/06(土) 02:12:27 HOST:05004016676432_es.ezweb.ne.jp
先輩泣かせるねえ(;o;)
更新頑張ってください☆
あげぇ↑↑

68 :いちぜろ2号:10/07(日) 18:30:47 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
迷子の名無しさん さん
あげありがとうございます(*'ω'*)

なさん
先輩の台詞、ちょっと無理あるの承知で
だったのですがうれしいです(´・ω;`)
もうすぐ完結できるはずなので頑張ります〜


69 :いちぜろ2号:10/07(日) 18:40:51 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
唇が離れて眼を合わせる間、
二人ともなんとなく気恥ずかしくなり
同時に眼をそらした。
綾の「送ります」との言葉で小友里が立ち上がった。

綾は自身愛用の自転車によいしょと跨り、
小友里は後ろの荷台にちょこんと座る。
左足が地面を蹴り、自転車が走り出す。

綾は前を向いたまま、後ろに座っている小友里に言った。
「先輩、今度遊びにいませんか?ふたりで」

その言葉に小友里は「いいよ」と頷く。
それってデートだよね、という小友里の言葉に
綾は頬が微かに赤くなったが、後ろの小友里に
悟られずに済んだ。


薄闇が自転車で駆ける二人を包む。
二人の発する言葉は空に吸い込まれ溶けていく。
近々やってくる、冬の白い吐息のように。


70 :いちぜろ2号:10/08(月) 08:19:10 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp

―― そして、来たる「初デート」の日。
綾は頭をフル回転させ、自分が知り得る限りの
服の組み合わせを考えた。

やっぱ、可愛い系・・・かなぁ?デートだし・・・
頭の中に浮かんだ「デート」の3文字に
綾は激しく高揚した。

結局、服を決めるだけで15分近くを要した。

先輩も、こんな風に嬉しくなったり赤くなったり
しながら準備してくれてるのかな・・・
クローゼットに収められている洋服をひっくり返し
今日着ていく服について考えあぐねている小友里を
想像して、綾はなんとなく頬がゆるんだ。

待ち合わせは、正午に噴水公園。
そろそろ家を出たほうがいいだろう。
綾は携帯のモニターを横目で確認し、かばんを手にした。


71 :いちぜろ2号:10/09(火) 22:44:48 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp

――やっぱし、スカート? いや、うーん・・・
小友里はフローリングの床にぺったりと座り込み
あれでもない、これでもないと服を選んでいた。
右手左手に1着ずつ、そして傍らのソファにも数着、
クローゼットから引っ張り出した服が置かれている。

小友里に見向きもされず、まるで本来の役目を
果たせていないテレビに、ようやく小友里の眼が向いた。
常時、左上に表示されている時刻を確認したのだ。

ちょっとこれは急いだほうがいいよね・・・
結局、白いチュニックワンピにレギンスという
格好に落ち着き、ぱたぱたと騒がしい足取りで
かばんを手に取り、ドアノブに手をかけ・・・ようとしたが
携帯を忘れていたことを思い出し、またもや
ぱたぱたを家のなかに戻るはめになった。

「・・・今度こそ」
今度こそ、忘れ物はない。
ほう、と浅いため息をひとつ吐き出し、
小友里はようやく家を出た。


72 :バール:10/13(土) 16:44:38 HOST:wtl7sgts57.jp-t.ne.jp
今日一気読みしました!
凄く面白いです(^O^)
今後の展開も期待age!

73 :いちぜろ2号:10/17(水) 20:24:55 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
中間テストで長い間、更新停滞してました。
その間に見に来てくださった方、本当にすみませんでした・・・

バールさん
レスありがとうございます!
一気読みって、いい響きですね(゜ω^) 笑
もうちょいのちょいで完結できるはずですー!

74 :いちぜろ2号:10/17(水) 20:37:34 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
じり、とまったく季節外れの太陽熱線が
綾の首筋と、綾の腰掛けるベンチを焼いた。
そういえば朝食のついでに観た天気予報で
今日は汗ばむ陽気だと言っていた。
綾は頭の片隅でお馴染みの気象予報士の声を
ぼんやりと思い出した。

はた、と綾の目線がある人影をとらえる。
白のチュニックワンピに、小さなリボンの付いた
レギンスを身に着け、セミロングの髪を
ピンで軽く纏めた小友里が小走りにこちらへ近づいてきていた。

「先輩!」
綾が嬉々として声をかけると、小友里も
ひらひらと手を振って応える。

小走りで移動した距離は短くはなかったらしく、
小友里の息はかすかに上がっていた。

「ごめ・・・綾、待ったよね」
携帯のサブモニターで時刻を確認しながら
小友里が言う。綾はその言葉にふるふると首を振った。

いこっか。
小友里の言葉に導かれ、綾は横に並んで歩き出した。

75 :バール:10/17(水) 21:41:05 HOST:wtl7sgts57.jp-t.ne.jp
>>73 えぇ〜!?!
もうすぐで終わっちゃうんですか?
もっと続ける気はありませんか?
展開期待(新四字熟語)
アゲー(ノ><)ノ↑↑

76 :いちぜろ2号:10/18(木) 18:23:17 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
バールさん
はい、そうなんですよ〜(・ω・)
一応、短編と最初に言ってありますしね・・・(∵`)
というか最初はもっともっと短い予定だったのに
なんでこんなに長くなったのやら・・・;
エロを伸ばしすぎたんでしょうか 笑

77 :いちぜろ2号:10/18(木) 18:40:46 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
ガタンゴトンと心地よく上下する車体に揺られて、
二人は電車に乗っていた。

電車に揺られながら、二人はたくさんの話をした。
学校のこと、受験のこと、昨日のテレビのこと・・・
合間の沈黙すら大事にとっておきたいくらい、
綾にはその時間が愛しく感じられた。

カンマ1秒がすっごく長くなったら・・・
先輩とずっとこうしていられるんだな・・・

流れる風景を眼に焼き付けながら、
綾はひっそりと考えた。


78 ::10/19(金) 01:06:21 HOST:ser359479000952088
>>1-77

79 :バール:10/19(金) 20:00:07 HOST:wtl7sgts57.jp-t.ne.jp
物寂しさが感じられる…
終わりが近づいて来る感じが…
ラストにアゲッ(>_<)//

80 :いちぜろ2号:10/19(金) 23:09:04 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
バールさん
レスありがとうございます!
自分の文章をそういう風に言ってもらえると嬉しいです。
なんか毎度毎度ありがとうございます(´・ω;`)



81 :いちぜろ2号:10/19(金) 23:23:29 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
電車を降りてから、真っ先に発せられた
綾の「なんかお腹空きました」との言葉で
小友里は苦笑を浮かべながら、綾の手を引き
改札を出てすぐのファーストフード店へと足を踏み入れた。

綾はハンバーガーを頬張りながらも、
片時も小友里との会話を絶やそうとはしなかった。
小友里もジュースをすすりながら相槌を打つ。

「先輩」
「ん?」
「・・・、 なんでもないですっ」
「なに、気になるってー、綾!」

ついついと、小友里が綾の肩を小突く。

「先輩」
「だから、どうしたの綾」
「先輩、私先輩のこと好きです、何回言っても足りないくらい」

ぶく、と小友里の咥えていたストローが音をたてた。

「え?え・・・、 私も、好きだよ・・・?綾」
「なんではてなが付くんですかー」
「嘘!ごめん、」
「・・・・・」
「好きだよ、 綾」

きぱっと、小友里が綾の眼をみて言った。
綾はポテトを噛み締めながら、眼をつぶり頷いた。

82 :バール:10/20(土) 00:09:42 HOST:wtl7sgts57.jp-t.ne.jp
綾さん可愛いv
出来ることなら終わらないで〜(T-T)

83 :ゆき:10/20(土) 14:18:11 HOST:deigo218.nirai.ne.jp
いつもこそこそ見てました 壁|ω・)

GL好きです(^ω^)おもしろいです-!

頑張ってください

84 :いちぜろ2号:10/21(日) 17:54:15 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
バールさん
レスありがとうございます!
毎回そういってもらえて嬉しいです(´・ω;`)
ですが終わってしまいます・・・;
なんだかごめんなさい・・・;

ゆきさん
レスありがとうございます!
自分の小説がこっそり見てましたなんて
言われるとは 笑
完結までの数レス頑張ります!

85 :いちぜろ2号:10/21(日) 18:12:38 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp
ファーストフード店での告白劇もつかの間、
昼食を終えてからというもの二人はよく遊びまわった。
雑貨屋、古着屋、本屋・・・
途中、なんとなく立ち寄ったいくつものボックスに
それぞれ商品が陳列された変り種の雑貨屋では
二人とも夢中になり、デザイン違いのおそろいの
ブレスレットまで購入した。

「ふああ」
満足した、という様子で綾は伸びをした。
その様子を横で満足そうにニコニコと見つめる小友里。

どちらからともなく帰ろうということになり、
行きとは真逆の電車に二人乗り込んだ。

「なんか・・・眠くなってきました・・・」
こしこしと軽く眼をこすり、綾が言った。

時間はすでに夕暮れどき。
さっきまで白々しいほどに青かった空が
嘘のように一面にオレンジ色に染まっていた。
海へと沈む太陽が、街中を、二人が揺られる電車内を、
オレンジ色に焼き尽くす。
電車という密室空間は、オレンジ色で飽和していた。
その飽和空間に、二人はただ、外の風景と共に
流されながら漂っていた。

「寝ていいよ、ちょっとだけ」
小友里の言葉が車両に響いて、飽和していた何かが
ぱちんと欠落するような、膨張するような。

綾は小さく頷いて、浅い眠りについた。


86 :バール:10/21(日) 20:13:45 HOST:wtl7sgts55.jp-t.ne.jp
終わりが…(T-T)
アゲッ…アゲー (ノ><)ノ

87 :いちぜろ2号:10/22(月) 19:44:04 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp

――……夢をみていた。

朝もやの中、しんと静まり返る空気、
繋ぐ手と手、あれは・・?

ひんやりとしたコンクリートを踏みしめて、
綾は歩いていた。

見慣れた指だ。視線でゆっくりと辿ると・・・
やっぱり、手を繋いでいたのは、先輩だった。

じゃあ、ここは・・・?
ざりざりと地面を踏みしめる音が耳に響き、
綾は思考を巡らせる。
ふっと頭に浮かんだもの、それは数年前のあの道、
家族で旅行へ行ったときに歩いた、早朝のあの道。

綾は不安に駆られた。
この道を歩いては、先輩が消えてしまう!

私、この道、歩いたら・・・先輩も・・・ぜんぶ・・・

心臓を引っ掻き回される感覚に負け、綾は振り返る。
けれど、先輩はそこに居た。
いつもの笑みで、いつもの足取りで、綾と手を繋いでいた。

よかった・・・先輩、居た。
繋いだ手も、目尻にくっ付く涙も、夢ではないように
熱を持っていた。ここに居ると、繰り返し植えつけるように。

まだ白けたままの朝もやの中、
私と小友里先輩は歩いていく。
振り返っても、いなくなったりなんてしない・・・

ただ二人、手を繋いで。

88 :いちぜろ2号:10/22(月) 19:48:46 HOST:zaqdb738e73.zaq.ne.jp


これで、「後輩×先輩」は完結です。
こんな妄想作文に付き合ってくれた皆さん、
今まで本当にありがとうございました(´;ω;`)

二ヶ月に渡る連載、楽しかったです。
連載当初は30レスくらいのほんとに短編で終わる予定
だったのですが、なんででしょうね・・・? 笑
やっぱり最初の部室エロをねっとりやりすぎたっぽいです 笑

では、ほんとにほんとに
読んで下さった皆さんありがとうございました!(´;ω;`)

いちぜろ2号.

89 :バール:10/22(月) 22:56:01 HOST:wtl7sgts55.jp-t.ne.jp
ウオォー(ToT)
独りじゃないのは幸せだ〜(泣
いちぜろ2号さん(T_T)
感動をありがとー(T◯T)/゛


ピコ森

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