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ピコ森

名前を呼んで

1 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/14(水) 18:47:49 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
何だかスレが消えてしまっていたようなので
また立てさせていただきました。
また、よろしくお願いします。
そして、間違っている所や少し付け足したり省いたり…
いろいろと修正します。
間違いや感動など、どんどんお願いしますー。
亀更新かもしれませんが、また今後もよろしくお願いします。





2 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/14(水) 18:48:10 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ねえ、名前を呼んで――。

セックスの時だけじゃなくて、どんな時だって名前を呼んで欲しいの。

あたし達は、恋人同士だよね?

どうして呼んでくれないの?







「あ…っ、んぁあ…いゃぁ…っ…」

「嫌? んなこと思ってねーくせに」


あたしの秘部から、潤った音が耳に聞こえる。

「つーか濡れすぎ。ぐちょぐちょいってんじゃん。ほら、聞こえる? 」

そう言って、わざとらしく音をさっきよりも出す。


「や…っ、…めて…はずかし、い…ぁあっ…」

「今更恥ずかしいもなにも無いだろ」

いかにも、“くだらない”といった表情をする。

微かに、笑みも見せる。

どことなく、見下しているような感じがする。

「んっ…あぁっ…! ち…とせっ…、ぁっ! あぁあっ! やっ…ぁっ…」

千歳の指の動きが激しくなる。

その激しさで、あたしの体は一気にイキそうになる。

「え、何? イくの? 気持ちいい? 玲はイくの早いなあ…。まだこれからなのに」

その言葉を聞き、必死でイきそうなのを堪えようとする。

だけど、千歳の指の動きは激しくなるばかりで、快感が押し寄せてくる。

「あっ…! ゃぁっ…ィ…くっ! あっ! …っぁああっ、んぁあ…ぁあぁああっ…!」



――あたしは我慢しきれずにイった。

千歳の言う事はあたしの全てを動かす。

千歳に嫌われたくないから、言われたら我慢だってする。

だけど、こればっかりは我慢しても堪えきれない。


千歳の指の動き、気持ちいいから。


「今日は何回イく? 今日はもう二回目だよ」

イったばかりで、体が波打っているあたしを見て千歳は言った。

あたしの体にはまだ、さっきの快感の余韻が残っていて息が荒かった。

そんなあたしに千歳は覆いかぶさった。

「あー、何か玲、って感じ。玲は何か落ち着く」

セックスの時にはほら、こんなにも名前を呼んでくれる。


あたしの肌から出た汗が、千歳の肌にも纏わりつく。

千歳の肌も、少し湿っていて、あたし達の汗は混ざり合う。


ゆっくり、唇を重ねあう。

食いつく様に、お互いを求め合う。

「は、ぁっ……」

「ん……」

激しくなるにつれて、あたし達の口から甘い吐息のように声が漏れる。

絡み合う舌は唾液でヌルヌルしている。

だけど、そんなキスでさえ気持ちがよくて唾液の量なんて気にしてなんかいられない。

3 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/14(水) 18:56:28 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
今、体を、肌を重ねているあたしの恋人。

“千歳”という名前だけでも、何だか愛おしくなってくる。

そして、肌を重ねるごとに想いは強くなっていく。

そんな気がする。

それほどまでに、あたしは千歳のことを好きなんだ。

名前をセックスのときにしか呼んでくれなくったって、千歳のことが大好きなんだ。

愛しい。

気持ちいい愛撫。

気持ちいいキス。


あたしはもっと、千歳を求める。


「っ…はぁっ…ちとせっ…す…き…はぁっ…」

「んっ……? はあっ、俺……も…っ」

セックスのときはこんなに優しいのに。

でも、千歳のことを本気で好きだから辛くても、離れることが出来ないんだ。



千歳の指が、ゆっくりとお腹を伝ってあたしの秘部へと移動する。

それの後を追うように、千歳の唇も下へと移動する。

千歳の唾液が秘部へと、線を描く。


あたしの秘部は、まだ濡れていた。


千歳が指を入れて少し動かしただけでくちゅくちゅ、といやらしい音が耳に届く。

「つーか……まだこんなに濡れてんだ。すごいな。淫乱?」

くすくす笑いながらあたしの秘部を弄る。

その言葉に反論できない。

だってあたしは淫乱な女だから。

ただのキスでさえ、体が感じているようで、下辺りがムズムズし出す。

「ほら……さっきみたいにまだぐちょぐちょ、音でてるよ。すごいな、玲は」

「あぁあんっっ…はっ…ぁっ…ぃゃ…そ…なこと…ゆわないでぇ…っぁあっ…」

「玲見てると言っちゃいたくなる……。ほら、くちゅくちゅ、くちょくちょ、ぐちょぐちょ、ぐちゅぐちゅ……」

「ふぁぁっ…! ぁっ! ぁあんっ…んぁあっ…っ!」

耳に届く声と、秘部に感じる指の感覚であたしは何とも言えない感覚に襲われる。

千歳のセックスは最高だ。

「イきたい? まだ、イかせないけど」

あたしの心の中ではイきたいイきたい…と必死に叫んでいる。


4 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/14(水) 19:02:40 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
だけど、千歳の言うがまま。

千歳の動きはギリギリの所でゆっくりになる。


ぴちゃぴちゃ、と耳に届いた。

もう、あたしの秘部はこれでもかってほどに濡れていて、シーツに水溜りが出来ている。

千歳が指二本で激しく出し入れをしている。

その出し入れしている音が、ぴちゃぴちゃなんだ。

「あぁぁあっ…! も…ぅ…ぁああっ! ゃっ…ぁっ…ぁあああっ」

本当にもう、絶頂に達しそうな所で、千歳の動きはゆっくりになる。

「はぁっ…っやだ…ちと…せっ…イかせて…」

あたしの体は、イきそうなのを何度も止められておかしくなっている。

息が荒くて、体が快感を求める。





「じゃあさ、バイブかしてやるからそれで自分でイっていいよ」

指を勢いよく抜き、立ち上がる。

千歳は、気まぐれが多い。

自分が思い立ったら、それをあたしにさせる。

それにあたしは逆らえない。


千歳の持ってきたバイブは普通のバイブだった。

小さめのサイズの、振動が何個もない一つのものだった。

「ほら、これでイけるだろ?」

ゆっくりあたしに差し出してきた。

そのバイブをあたしは恐る恐る手にする。

千歳の前で、何度かオナニーをした事がある。

だけど、これだけはいつまでたっても慣れない。

恥ずかしさがこみ上げてくる。

だけど、快感にあたしの体は負ける。


5 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/14(水) 19:03:58 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

「あぁあっっっっ!」


ヴヴヴ、と小さく震えているそのバイブを自分のクリトリスへとあてる。

イき気味のあたしの秘部はヒクヒクなっている。

そんなのは気にならず、早くイきたいことだけが頭の中を駆け巡る。

しかも、千歳に見られているんだと思えば、あたしの体はもっと感じやすくなる。


「っ…ぁっ…見…ないで…ぁあっ」

真正面から見つめてくる千歳の視線。

恥ずかしくて、恥ずかしくて堪らない。

「見るよ。いいじゃん、自分でイけるんだよ? 嬉しいでしょ」

千歳の言葉を聞いた時に、すでにもう、じわじわと絶頂に達するまでの快感が襲ってきた。


「ぁぅ…っぁあっ…んっ…ぁっ! ぁああっ! ぁっ、ぁっ…」

「俺もたっちゃったし……玲よすぎ……」



微かに、千歳の声がしたけど、何も言い返すことは出来なかった。

快感が押し寄せてくる。

それと同時にあたしの喘ぎ声も大きくなる。




「っっぁあっ! ぁ…っ、ゃぁああっ…ぁっ、ぁっ、ぁっ…ぁあああっ……!!!」


「……イけた?」

あたしは絶頂を迎えた。

たまりにたまっていたあたしの絶頂は、ものすごく気持ちよく感じられた。

「…っはぁっ…はぁっ……」

大きく肩で息をする。

目が虚ろになりながらも、千歳のほうを見てみると、ゆっくり近づいてきた。

「やっぱさあ、玲が自分でするの見るのって……いいよな。何度見ても飽きないし」

そう言いながら、あたしの胸に顔をうずめた。

温かい、舌の感触がした。

ゆっくり、ゆっくり動いている。

「ぁっ…千歳っ……」

胸の間をゆっくりゆっくり舐めている。

わざと、そういうところを舐めている気がする。

じらしているんだ。

きっと、じらしている。

でももう、今のあたしにそんなのは効かない。

さっき、千歳の前で恥ずかしい事をしたばっかり。

お願いするのなんてどうってこと無い。

今のあたしには、そう思える。

6 :りぃpq'v`●)*゜:03/15(木) 17:17:07 HOST:U049049.ppp.dion.ne.jp
(+!'屮`★)屮ageます★ミ
凄く上手く書けてますね^^*
読んでて、本当にりぃが千歳クンに遣って貰ってるみたいに感じちゃいました゚.♪:。+(U∀Up照q).:。+♪゚.:。+
これからも頑張って下さいヾ(●´∀`)ノ

7 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/16(金) 17:15:28 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
りぃpq'v`●)*゜様___
お褒めの言葉、ありがとうございます。
すごく嬉しいですv
りぃ様がそんな風に感じられたのですか!
すごく嬉しいです。これからもまた、頑張ります。
ありがとうございました。

__更新__


「千歳っ…ちゃんと、舐めて…? そこじゃなくて乳首…ちゃんと舐めて欲しいの」

まだ、快感を求めているあたしの体。

とても淫乱。




「玲……良すぎ……。まじ全てを舐め尽したいくらい」

千歳はそう言うとぴちゃ、と音を立てながらあたしが言った所を舐め始めた。

千歳の唾液の音、ぴちゃぴちゃ、くちゅ、と耳に届く。

それが余計に体を反応させる。

「ぁあっ」

「すごく乳首たってるじゃん。気持ちイイ?」

意地悪な微笑を浮かべ乳首をぎゅっと摘まむ。

「んっ…」

千歳の言う台詞はいつもエッチ。

すごく恥ずかしい事もサラリと言う。

あたしはその千歳の言葉に欲情する。

もっと、もっと、もっと……。

そう思う。


「つーか、俺、もう無理。すごいんだけど、俺の」

舐めるのを止め、あたしの手を掴んで自分のモノへと誘導する。

ゆっくり、あたしの手に千歳の大きくなったモノが触れた。

温かくて、大きくて。

千歳は真っ赤になっている。

少し目を細めて照れた表情をしている。

こんな顔は、ものすごく可愛いのに。


「もう挿れさせて」



千歳は自分のモノにコンドームを器用につけ、あたしの秘部へと近づけた。

「千歳……」

意味もなく、千歳の名前を呟いてみた。

千歳は優しく微笑み下に力を込めた。

ググッと先端が一気に激しく入ってきた。

あたしの秘部はぐちょぐちょに濡れているから何の抵抗もなしに入ると思った。

「……きつ…っぁっ……」

眉間にしわを寄せて汗をかいている千歳。

千歳にはあたしのナカはキツいらしい。

そしてゆっくり挿入してきた。

「ぁああっ! んぁっ…ゃぁっ…」

「ぅ…ぁ…」

最初はゆっくり動いていたけど、千歳の腰の動きはどんどん早くなってゆく。


8 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/16(金) 17:16:57 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
上からポタっと千歳の汗が落ちてきた。

その汗はあたしの肌へと馴染んでいった。

あたしの秘部が濡れている所為で千歳が動くたびに音がする。

「…っはっ…、玲…濡れすぎ…、音がいやらしいん…だけどっ…?」

「はぁっ…んっ、ぁっ、ち…とせぇ…っ! 」

あたしの体が段々と上昇し始めた。

ぐぐぐぐっと、頭に向かって来るこの感じ。

とても気持ちが良くてたまらない。


千歳の腰の動きが更に早くなった。

落ちてくる汗も増え、あたしも汗を掻く。

ぐちゅぐちゅ、と言う音が早くなり、あたし達の喘ぎ声が大きくなる。

「ぁあっ…っゃぁっ、んんっ…ぁっ! ぁっ、ぁっ、ぁぁっ…千歳せぇっ……!」

「玲っ…玲っ…ぅぁあ…玲っ……っ!」

何度も何度も名前を呼んでくれる。

そんな千歳の声を聞きながら、あたしは――。

あたしの大きくなる声を聞きながら、千歳は――。



「ぁあああああっ…!」

「ぅぁあっ…はぁっ…ぁっれ…いっ…!!」



絶頂を迎えた。



次の日が日曜で学校も無かったので、千歳の家に泊まった。

千歳は独り暮らし。

初めてそれを知った時、「ほんとにこんなことってあるんだ」って思った。


あの後あたしたち二人は、キスを交わして裸で抱き合って眠りについた。

温かくて優しい千歳の温もりを感じながら__。


千歳に、ちゃんといつでも名前を呼んで欲しいと願いながら__。

9 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/16(金) 17:19:44 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
あたしはまだ、知らない事の方が多い。



あたしが目覚めたのは朝の八時。

千歳が部屋を出るドアの音で目が覚めた。


布団の中で、千歳のことを考える。

あたしは今、高校二年生だ。

高校一年の冬から千歳と付き合いだして、もう一年が経とうとしていた。

告白をしたのはあたし。

だけど、セックスを強請るのはいつも千歳。

初めてのセックスのときにあたしの名前を呼んでくれた。

すごく嬉しかった。

初めてのセックスの時に「好きだ」と言ってくれた。

涙が出るほど嬉しかった。

だけど――



セックスするときだけ。

それ以外は苗字で呼んだり“おい”だったり“お前”だったり。

セックスのとき以外に名前を呼んでもらったことは無い。

苗字ですらも、滅多に呼ばれない。



こんなにも好きなのに。

こんなにも愛しいのに。

苦しいくらいに好きなのに。


千歳の全てをあたしは知らない――。

知りたくても、知る事が出来ない。

だってなんだか怖いから。


「千歳……」

沢山の思いを込めて呟いてみる。

喉の奥が熱くなって気持ちを叫びたい衝動に駆られる。

目の奥も熱くなってきて涙が流れそうになる。

だけど、それを押さえ込む。


あたしが、“どうしてセックスしてる時しか名前を呼んでくれないの?”と言ったら

千歳は壊れてしまいそうだ。

冷たくも見える千歳だけど、意外に脆い。

あくまでもあたしの推測だけど、そう思うんだ。

真実を知りたいよ。

もっと沢山の気持ちぶつけたいよ。

怒り、悲しみ、嬉しさ、愛情――。

ただ名前を呼んでもらえないだけで、周りから見たら普通の恋人同士だ。

だけど、あたしはきっといろんな事を押さえ込んでいる。


なんて、あたしの我侭だよね。


あたしは、千歳を壊したくないよ。

だって、ちゃんと話してくれる時が来るでしょう?

あたしはそれを待っている。


“まだ”言えないだけなんだよね。

“いつか”言ってくれるよね。


“真実”と、“あたしの名前”――。

10 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/16(金) 17:21:25 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

そんな事を虚ろに考えているとドアが開いた。

見てみると、千歳が湯気の立つマグカップを二つ手に持っていた。


「あ、起きたか。ココア作ってきたけど? 飲む?」

そう言ってテーブルにコトリと置いてゆっくり座る。

少しまだ眠たそうな顔、小さな寝癖、作ってきてくれた温かいココア。

全てが愛しく感じられる。


あたしはそのココアに飛びつき、布団から出た。

「や、服、着ねーと風邪ひくからな」

千歳の言葉に自分が今裸だという事が分かり慌てて布団に戻る。

でも、あたしの服はきっと千歳が洗濯している。

見てみると無かったから。


「ああ、そういえば洗濯してんだった。俺の貸すから」

そう言いながらクローゼットの方へと行った。

欠伸をしながら服をえらんでいるその姿でさえ、愛しく思ってしまうあたしは狂っているんだろうか。



ぼーっとどこかを見つめていると、千歳が服を差し出してきた。

「はい、でかいかも知んないけど。まあ、無いよりマシだろ?」

「うん、ありがとね」

受け取った洋服からは千歳の匂いがした。

嗅がなくても分かるその匂いで、「ああ、千歳のだ」と実感した。


着てみると思っていたより結構大きかった。

千歳の大きさも、実感する。


布団から出て二人でココアを飲んでいると千歳が口を開いた。

「んで、今日どうする? どっか行く? それとも朝っぱらからする?」

あたしの方をニヤニヤした顔でじいっと見つめてきて、千歳は言った。

本当、朝っぱらからなんて。

エッチなんだから。



「え、何それ。本気で言ってんの? 朝っぱらからはー……ねえ……」

何とも答えようが無いあたしは曖昧に返事を返す。

白い歯を少し見せながらまだニヤニヤしている。






「つかー、だめ。もいっかいすんの。起きた時から決めてたんだよ。

お前見てたらしたくなった。だからどうにかして……」


そう言いながら、あたしをベッドの上にゆっくり乗せ、さっき着たばかりの洋服を脱がす。


「ん……」




ベッドの軋む音が頭の中でリピートされた。

11 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/16(金) 17:23:11 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
あたしの乳首を甘噛みして、歯と唇で弄る。

「ち、とせっ……朝からなんて……ぁっ」

朝からというのには、少し抵抗があったあたしは喘ぎと共に言葉を発す。

「だって感じてんじゃん。何? 気持ちよくないの?」

弄っていた口の動きをやめ、下からあたしを見上げてきた。

その顔に心が締め付けられ、何とも言えなくなる。

「ゃ…その……、えとー……そ、そういう訳じゃないのっ」

少し、傷つけたかなあと思い、必死に言葉を探す。

だけど、上手く言葉が見つけられなくて何を言っているのか分からない状態。


「じゃ、いいじゃん。もう一回気持ちよくなりたいでしょ」

その言葉を言い終えた後にまた胸を弄り始める。

本当にもう、何も言えなくて、甘い喘ぎ声だけを発す。








その時、子機のコールが鳴った。

あたしにはとても激しく鳴った様に聞こえた。

千歳は電話の方を勢いよく振り向いた。

あたしの体から素早く離れ、子機を手に取る。


「はい、望月です」

いつもの、ダルそうな声じゃなくてしっかりとした声だ。

何だか嫌な予感がしてあたしは服を着始めた。

「はあっ……」

一つ、大きくため息をつく。






『――誰かそこに居るの?』



子機から聞こえた声は、女の人の声だった。

千歳はあたしを見て動揺している。


「え、や、えっと……」


ボリューム下げろよな、と心の中で想いながら千歳から目を離す。


『彼女? 出来たんだあ……可愛い?』

「……えっと……」



千歳の焦る声を聞いて女の人は何か勘付いたのか、こう言った。

『また後で掛けなおすね』

「おう……」


千歳の声よりも、千歳の動揺した声よりも、あの女の人の声が頭の中を駆け巡る。

あたしは布団の中に潜り、千歳の声を無視した。

12 :美寿保:03/20(火) 16:21:31 HOST:ntt3-ppp805.gunma.sannet.ne.jp
私この小説好きです♪
前から読んでたんですけど、これなら本になってても良いんじゃないかなって思いますよ!!
続き書いてくださいねッ☆

13 :ユウコ:03/20(火) 21:02:57 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
ゃっぱ何回見ても良いなぁ………(*O艸o`◎%)自分と重ねてしまいまス(´・ω・。)
玲ッ……!頑張れ。・゜(´Å`゜)゜・。

14 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/22(木) 20:22:26 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
美寿保さん___
す、好きですかっ!
わわっ、すっごく嬉しいです〜
そんな事言ってもらえるなんて…
何かウキウキになってしまいます★
凄く嬉しい感想をありがとうございました。
続き頑張って更新しますねv
ありがとうございました。

ユウコさん___
何回見ても良いですかっ!嬉しいです〜
そうやって応援してくれる方がいると
頑張ろうという気になってきます!
玲ちゃんにも頑張らせます! 笑
嬉しい感想、とても心にしみます〜
ありがとうございました。

__更新__



「聞こえた? もしかして」

「おい、聞いてんの?」

「え、何、シカト?」


いくつかの千歳の言葉が耳に入ったけど、頭の中にあるのは千歳の声じゃない。


何度か無視をし続けた後に、千歳は布団の中に潜り込んで来た。


「何でシカトすんの? 意味分かんないし」

あたしの背中側で、大きくため息をつく。

あたしがため息吐きたいんだよ。

どうして千歳がため息をつくの。



「聞こえて……たよ」

小さく、小さく小さく呟いた。

でも、千歳はちゃんとそれを聞き取っていた。

「ってか、何をそんなに拗ねてんの?」







――外は激しく風が吹いている。

千歳は、いつもあたしの心を掻き乱して、愛に溺れさせる。

それは、強い風が沢山のものを吹き飛ばしていくかのように。



木々が揺れる、音がする。

ねえ、「好きだ」と言って。「愛してる」と言って。

キスして。

あたし“だけ”を見て。

千歳は誰を見ているの。

あたしと重ねて誰を見ているの。

さっきの女の人?




――いい加減、あたしに夢中になってよ。





15 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/22(木) 20:23:42 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
強引に、体を千歳のほうへと引き寄せられて、唇を、千歳の唇で塞がれた。

「んっ……は」

激しく、あたしの口の中を支配している。

生暖かい舌の感触が気持ちいい。

抵抗する事もできずに、千歳に体を預ける。



一旦、激しいキスを終えると千歳は首筋にキスマークを付け出した。

「何で無視すんの?」

1個つけた後に言葉を発す。

そしてまた1個、もう1個――といくつかの千歳の跡が付けられた。


「何も気にしないで」

耳元で、小さく囁かれた。

あたしはそんな千歳に何も言えずに体を預けたまま。



「服なんか着ちゃってるし。俺、どうにかしてって言ったよね? したくねえ?」

そう言いながら、もう一度服を脱がし始めた。





「まあ、今は我慢できそうに無いからヤダって言ってもしちゃうけどね」






何も気にしないで?

意味分かんない。

あたしは千歳の恋人だよ?

気にするに決まってるじゃん。

千歳は、ちっともあたしの事分かってないんだね。

何も分かってない。

今は、こんな事をして欲しいわけじゃない。

今は、さっきの事を聞きたいの。


だけど、聞けないあたしが悪いんだよね――。








「……っ…、ぁっ! は、ぁあっ…!」

びんとたっている乳首を音を立てて舐めながら、千歳の愛撫は下へと移動しだした。


千歳の口が、あたしの秘部に向かった。

ゆっくり、唾液を付けながら、割れ目をなぞる様にして舐め始めた。


「んっ…、千歳っ…そ…んな所っ、汚い…よぉ…んっ……」

あたしがそう言うと、指を秘部に突っ込み、あたしの液をすくい取った。

そしてあたしに見せ付けた。


「え、こんなに感じてんじゃん? もっとナカまで舐めて欲しいんだろ?

だってさ、玲のこれ、糸引いてるよ?俺の唾付けないでいいくらいに濡れてんじゃん。

玲はさ、エッチだね」


何度か指と指をくっ付けたり離したりした。

だけど、言い終えると、すぐに秘部へと向かって行った。

16 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/22(木) 20:26:26 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

「ここ、押して欲しいでしょ」

そう言うと、あたしの返事を待たずに“ここ”を舌で強く押した。


「あぁあっ…! ゃっぁあっ…ん、ぁんっ…」









「もっとぐちょぐちょにしてあげる」




――優しい愛撫がとても気持ちいい。

千歳。

ちゃんとあたしを見てる?

あたしを誰だと思っているの。

あたしは玲だよ。

ちゃんと“あたし”、を見てよ。


目を見て名前を言ってくれない事、知ってるんだから。

名前を呼んでくれたって、目は何故か嘘を物語っている。


何を抱え込んでいるの。

あたしじゃ何も出来ないの?

本当の千歳を曝け出してよ――。



あの後、二人は一つに繋がって絶頂を迎えた。


そのまま千歳は生気を失ったかのようにパタッと倒れこんだ。

もう、寝息をたてて寝ている。


一定のリズムを保っているその寝息があたしまで眠りに誘う。

隣にいることが、傍に居る事が、こんなにも心地よい。


千歳はあたしで満足できてますか?

あたしが居て、嬉しいですか、心地よいですか。

千歳があたしを突き放してくれないから、あたしは千歳から離れられないよ。





ふと、さっきの行為を思い出す。

あたしだけど、あたしじゃない声。

あんな声出せるのは、千歳しか居ないよね。




「ぁっ、ち、千歳っ……! んぁっ! ぁぁぁあんっ……んっ、ゃっ、ぁあっ」


「玲、声出すぎ。そんなに気持ちいい?」


あたしの感じる所を何度も何度も攻めてきた。


「気持ちいいんでしょ。ちゃんと気持ちいいって言わなきゃ」


強く強く、何度も刺激を与えた。


「ね? 気持ちいいんでしょ? 言ってよ……」


「んっ……い、いぃ…! 気持ち……いぃっ……っ!」


千歳の言うがまま。

あたしはすんなり千歳の求めている言葉を言う。


「イきたい? イきたいだろ? イかせて、ってゆって」

イかせない程度で刺激を与えだした。

やっぱり、イきたいのにイけないのはツライ。


「ぁっ、千歳っ……イ…かせてぇっ……」



「いいよ」




熱いよ。

千歳の触れたところが熱いよ。

千歳の指は魔法の指なんだよ。


ほら、あたしをいとも簡単に絶頂へ迎えさせれるんだよ。

あたしを、こんなにも夢中にさせてるんだよ。

気づいて。


お願いだから。

17 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/22(木) 20:28:28 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp


今、隣でくたくたになっている千歳に抱きつきたい。

ぎゅうっと、千歳が苦しがるほどに抱きしめたい。

あたしは、千歳を運命の人だと信じている。

だって、ここまで好きになれたのは、千歳だけなんだから。

千歳。

千歳。

千歳。


意味もなく、心の中で名前を呼ぶ。

一言一言を、噛み締めるように呼んであげたい。


名前を呼ばれることって、大事なことだと思わない?

世の中に、同姓同名の人は何人も居るかも知れない。

だからこそ、特別な人が、名前を呼んでくれなきゃ不安になるんだよ。


同じ名前は何人もいる。

だから、“あたし”、たった一人の“園田 玲”だけを呼んで。







まだ閉じているカーテンの隙間から、太陽の光が差し込んでいる。

ちょうど、千歳に向かって差し込んでいるから千歳が輝いているようだ。


だけど、あたしの頭の中には千歳以上に誰かも分からない女の人がいる。

セックスに、あまり集中できなかった気もする。

秘部を弄られている時だって、キスしている時だって、絶頂を迎えている時だって、頭の片隅に居た。




そして、また一つ。


「はあー……」

大きくて長い溜息をつく。





溜息を吐くと、吐いた分だけ幸せの数が減ると聞いたことがある。

それって、本当なんだろうか。

実際、数え切れないほどの溜息を吐いてきている。

溜息を吐かずに生きてきたならば、あたしはすごく幸せなのだろうか。

実際、千歳と一緒にいられることはものすごく幸せだ。

じゃあ溜息を吐いていなかったのなら、あたしは名前を呼ばれていてのだろうか?


好きだ、愛している、と本気で言われることが出来たのだろうか。




ただの迷信。

でも、千歳相手になら本気で想う。


「溜息なんてつくんじゃなかった」と、後悔までしてしまう。

だけどね、こんな状況だったら吐きたくもなる。

18 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/22(木) 20:33:17 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp



あたしはそおっと、カーテンを閉めた。

隙間から差し込む光みたいな、つまんないもので眠りを壊されたくないだろうから。

布団から出ている肩がものすごく寒そうに見える。

その肩にもそおっと、布団をかける。



「んん……」

寝ぼけた声で唸る。

起きたのかな、と思い顔を覗き込んでみると、小さな寝息を立ててまだ寝ていた。



そしてあたしは、そおっと千歳の顔に近づき、唇を頬に当てた。


「好きなんだけどなあ……」






唇を離した後に小さく呟いた。

手をゆっくりゆっくりと、千歳の綺麗な髪へと伸ばして指に絡ませた。

サラサラの、黒い髪の毛は千歳を引き立たせている。

一回も染めた事の無いその髪は、真っ黒で艶がある。


「きゅ、キューティクルがある……? っていうのかなあ」

なんと言えばいいのか分からないその髪の事を独り言のように呟く。



出来るだけ音を立てないように、ベッドから降りて服を着る。




時計の針は、九時半を指していた。


持ってきていた荷物をまとめ、ドアへと向かった。





「ごめんね。今日はもう、あたし無理みたい」

そう、出る時に呟いて静かに部屋を後にした。



今日はもう、一緒にいられない気がした。

あの女の人の事が頭から離れない。

顔も知らない。

だけど、声だけは頭の中にはっきりと残っている。

それだけ、彼女の声はあたしに衝撃を与えさせた。


あたしに千歳は無理なのか――。

と、よく考える時がある。

だけど、離れられない。

傍に居て、キスして、愛撫してくれる。


とても愛しい千歳から、そんな簡単に離れる事なんかできない。



あたしは、千歳のことを愛しているよ。

だけどね、いつかはあたしも限界が来ると思う。


思いたくないけど、思ってしまうよ。

だからはやく捕まえて。


あたし、時々壊れるんだから――。

19 :夏姫 (IB9MD2L68o):03/22(木) 20:35:06 HOST:pc23025.amigo2.ne.jp
あげえ!!
ウちも探したンですけど…
なくて…

始めからとか
もどかしいですね! ぷ

20 :りぃpq'v`●)*゜:03/22(木) 22:13:30 HOST:U049090.ppp.dion.ne.jp
($◆'`艸)↑аgё↑
ほんっとこの小説大好きですww
主さん文才ありすぎ……///
これからも頑張って下さいヽ(★'`!)ノ
また、あげに来ます☆彡

21 :りぃpq'v`●)*゜:03/22(木) 22:13:32 HOST:U049090.ppp.dion.ne.jp
($◆'`艸)↑аgё↑
ほんっとこの小説大好きですww
主さん文才ありすぎ……///
これからも頑張って下さいヽ(★'`!)ノ
また、あげに来ます☆彡

22 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 19:50:52 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
夏姫さん___
またまた読みにきてくださってありがとうございます。
頑張って先へ先へと更新してゆきますね!
間違いを直したり、少し台詞を変えたりしていますので
全く一緒ではありませんよ^^
ありがとうございました。

りぃpq'v`●)*゜さん___
そんな事言ってもらえるなんて…光栄ですっ
嬉しすぎて舞い上がっちゃいます 笑
文才があるだなんて…!そんな事無いですよっ
日々努力してがんばって行きますねvv
ありがとうございました。


__更新__

いつもは駅までバスで行くのだけれど、今日は風に当たって歩きたい気分だった。

千歳の部屋に居た時から、風は強かった。

今も、強い。

冷たくて、あたしの心を更に冷たくする。



自分で勝手に部屋を出てきたのに今更後悔してる――。

もしかしたら千歳に「もういいよ」って言われるんじゃないか、と不安が押し寄せてきた。

だけど、あたしの体は駅まで向かっている。

止まらない。

今更もう、Uターン、なんて出来ない。

もし戻ったら、あたしが千歳を“壊して”しまいそうで怖かった。

あの事を問い詰めて、問い詰めて問い詰めて……千歳を狂わせるかもしれない。

そんなの、嫌。




「好き、好き……だよぉ……」

マフラーに埋まっている口から愛の言葉を吐き出す。

だけど、風に溶けて、儚い、泡沫の想い――。





どうして恋人同士なのに、こんなにも辛いのだろうか。

今まで背けてきた千歳の行動、千歳の想い出の品。

今更それが、どんどんどんどん蘇ってくる。

あたしは唯、千歳の一番にして欲しいの。

あたしだけに夢中になってほしいの。

名前だって呼ばれたくて呼ばれなくて、たまらないのに。

あたしの存在を、証明して欲しいのに。


千歳はあたしの気なんて全く知らないんだよね。

優しい声で、何度も何度も呼ばれたい。

耳元で囁かれたい。

甘く、小さな吐息混じりの声で。

そう思ってしまうのはいけない事なの――。

だけどね、もう仕方ない事なの。

恋してしまったんだから。

愛してしまったんだから。

願ってしまったんだから。

そんな簡単には、消え去ってくれないの。


夢の中で、何度も何度もあなたの名前を呼ぶけれど、千歳は振り向いてくれない。

いつになったら名前を呼んでくれるの?



23 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 19:53:17 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

「はあっ……」


何かにその証を残すでもないそのため息のようにあたしの気持ちも消えていってくれたらいいのに。

思えば思うほど強くなっていくんだね、気持ちは。



あたしがこんなにも名前を呼ばれたいって、千歳は知ってる?

あたしが本気で好きだと千歳は知っていても、名前を呼んで欲しい事は知らないでしょう?

いい加減気づいてよ。

心の中だけで気持ちをぶつけるのはもう飽きた。

ちゃんとしたあたしの声で千歳に気持ちを言いたいよ。

千歳がこんな気持ちにさせてるんだから。

大嫌い、大好き。



切符を買っているときも、電車を待っているときも、電車に乗ってからも。

あたしは千歳のことを思い続けた。

考え続けた。


自分でそうしたんじゃなくて、勝手に千歳がいつも頭の中に居て離れないのだけれど。


電車はかなり空いていて、簡単に座席をゲットできた。


実際、あたしの住んでいる所は結構田舎で、電車に乗っても結構座れる。

しかもこの、中途半端な時間だから余計に。

座って、窓の外にどんどん流れていく風景を見つめた。

公園、学校、団地……沢山のものが目の前を流れている。

時々、幸せそうに手を繋いで歩いている恋人達を何度か見た。

その姿がとても憎たらしくて憎たらしくて、その時だけ目を背けた。

自分に関係の無い人たちのその姿を見て、“憎たらしい”と思う自分に嫌気がさした。


――あたしはこんなにも本気なのに。

何て神様は不公平なんだろうか。

どうして、どうしてこんなに本気のあたしに千歳は無理なのか。

好きすぎて好きすぎて、愛しすぎて愛しすぎて堪らないのに。


何て、自己嫌悪。


好き嫌いを決めるのは千歳であって、誰を選ぶかも千歳が持っている。

唯それが、自分が気に食わないから神様なんかに押し付けちゃうんだ。

嗚呼、本と、自己嫌悪。


自分が嫌でいやで堪らなくなってきた。

自分に腹が立って、もう、頭の中はぐっちゃぐちゃ。

24 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 19:58:34 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

電車の中は妙に寒くて、手が冷たくなった。

こんな時、隣に千歳がいたらきっと、手を繋いで暖めてくれるだろう。

体を少し、近づけてくれるだろう。


セックスのときしか名前を呼んでくれなくっても、あたしの目を見て名前を呼んでくれなくっても。

普通の千歳は凄く優しい。

少し意地悪くなって、冷たい顔をする時もあるけれど、そんなの簡単に許せてしまう。

普通の時も酷い千歳だったら、堂々と文句を言えて、憎めたのに。

千歳が優しすぎるから憎めない――。




電車はいつの間にかあたしが降りる一つ手前の駅を通り過ぎていった。

こんなに早かったっけ、と心の中で呟いた。

千歳の事を考えると、時間が過ぎるのが早く感じる。



電車を降りると風が顔などに当たり、冷たい。

「さっむいなあ……」

と、何度も何度も独りごとを言いながら、足の速度を速めた。


寒いわりには太陽がいつの間にか顔を出していた。

だけど、光は弱く、風が冷たいからまるで意味が無い。


あたしは太陽を見つめながら歩いた。


家へと続く、真っ直ぐな道を上向きながら歩いた。


涙が出そうなのを堪えるために――。






家に着き、自分の部屋にダラダラと歩いて行きベッドに倒れた。

携帯をバッグから取り出してみるといつの間にか電池が切れていた。

だけど、そんなのどうでもよくなって、着ていた服を脱いでベッドの中に潜り込んだ。


「あーあ……何で好きになっちゃったんだろう……」

そう。

好きにならなければ良かったのかもしれない。

こんなに悩む事も無いし、涙を流す事も無い。

だけど、好きになって、恋人にならなかったら――

あたしは千歳と一つにはなれなかった。


結局、人間は欲望の塊。


だって、体がまだ千歳を欲している。

こんなに切なく悲しい時だからこそ、傍にいて欲しいし、抱いて欲しい。

だけど、セックスの時に時々見せるあの、冷たく、呆れた表情。

そして見下した様子――。

あれは何なんだろう。

25 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 20:01:19 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

千歳のことを考え出すと、本当にキリが無い。


千歳のあの、優しい指で愛撫して欲しい。

あの、柔らかい唇でいろんな所にキスして欲しい。


さっきもしたのに、あたしの体は欲求不満。

千歳が言うとおり、あたしはエッチなのかもしれない。

いや、エッチなんだ。

誰だって、性欲はかなりあると思う。

愛しい人に抱かれたいと思うのは本能なんだから。







――いつの間にか、あたしは眠りについていた。

ふと、目が覚めた時はもう、空がオレンジと紫色だった。



携帯をチラリと見てみても、ついていない。

電池が切れていたんだ、と、その時思い出した。



ダルいけれど起きないわけにはいけない。

重たい体を、溜息をつきながら起こした――。



携帯に充電器を差込み、電源を入れる。


千歳からのメールを期待して、メール問い合わせをする。



怖くて、目を閉じた。

26 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 20:03:42 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

――目を開けた瞬間、心から安心した。



“受信メール26件”



こんなに来ているとは思わなかった。

ただ一通でも来ていれば、と思って問い合わせをしたものだか、らこんなに送ってくれたんだと思うとじんわりきた。


あたしは、そのメールを一つ一つ開いた。


『何で帰ってんの?』

『何で黙って帰るの?』

『何で返信してくんないの?』

『俺何かした?』

『返信してよ』




『電話して』



何で帰ったの?とか、そういうメールばかりだった。


最後のメールは『電話して』


自分で勝手に帰ってきたのに、千歳が怒っていないかすごく不安になった。


震える手で、リダイヤルのページを開く――。




『……もしもし』

「あ、千歳……? あの……今日はごめんね?」

『で? 何で勝手に帰ってんの? 俺何かしたっけ』

声でわかる。

千歳が拗ねているのが。


「ち、違うの……。千歳を起こすのがかわいそうだったから……」

あたしは言い訳を何も考えていなかったけど、自然と口に出せた。

本当にそう、思っていたわけじゃない。

だけど、時には嘘も必要なのね。


「俺さあ、まじでずっと悩んでたんだけど? 俺が求めすぎたのかな、とかさあ……。

もう、俺捨てられたって思っちゃったじゃん……」

言葉の最後に、溜息が聞こえた。

本当にそう、思ってくれているの? と、心の中で問いかけるけど、いつもながら帰ってこない。

それは当然のことなのだけど。

だって、千歳はあたしを誰かと重ねている。

重ねている人が、いなくなることが怖いんでしょう?

あたしがいなくなったことが、重ねている人が消えてしまったと、思っているんでしょう?



そんなあたしって、空しいだけでしょ。





だけど、あたしも離れられないんだよね――。

27 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 20:08:18 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
「ううん、違うよ。千歳は何も悪くないよ。あたしが悪いの、勝手に帰っちゃったんだし」

電話越しだから、どんな顔をしているかは解らないけど、あたしは笑顔を作った。

千歳を不安にさせてはいけない、千歳を悲しませてはいけないと、思ったから――。

「や、まあ、俺も色々とごめん。じゃ、また学校でな?」

「うん、またね」



短い、短い、嘘の電話が終わった。

あたし達、二人とも嘘つき?



そのままお風呂に入り、ご飯も食べずに寝た。






次の日、いつもと変わりなく登校して、勉強して、独りで誰も来ない教室で時間を過ごしていた。

この教室だけ、古びた、懐かしい匂いがする。

落ち着ける雰囲気を気に入り、よくここにいる。


たまに千歳もいるのだけれど、今は一人だ。

廊下側の窓には、大きい棚などが並べられていて、廊下からは中が絶対に見えない。

ドアにもガラスがついていない。

反対に、外の窓と言っても、ここは三階だし、きちんとカーテンがしてある。

ここに来る人など、あたしと千歳以外きっといない。

誰か居た例がない。


あたしはこの場所が、すごく好きだ。


今日、千歳は来るのかなと考えているとドアが開いた。






ドアから出てきたのは、あたしが待っていた愛しい人。

「おお、やっぱりここにいたー。お前ほんとここ好きだなあ」

開いていた目を半分くらいにして、微笑む千歳。


「だって落ち着くんだもん」

長机に座っていたあたしは、ばっと寝転んだ。

別に、千歳に何かして欲しかったわけじゃない。

だけど、千歳はあたしに覆いかぶさってきた。




「え、ちょ、千歳? どうしたの?」

あたしは今から何をされるかは予想出来ていたけど、突然的だったから問いかけた。


「最近俺、何回ヤっても足りないんだよね……。寝転んだお前見てたらヤりたくなった。だからさせて――」



千歳はそう言うと、あたしの口の中に侵入してきた。

吸い付いたり、咥えたり、舌を使ってあたしの思考を揺らめかされる。

「んっ……はぁっ……」

あまりの激しいキスに、息が苦しくなった。

だけど、千歳はやめない。




あたしだって、やめて欲しくない――。


28 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 20:09:44 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

あたしの唇から離れていった唇は、あたしの首へと移動していた。


首をススーっと舐められるのに、あたしは弱い。

ものすごく、ビクビクする。


「あぁっ……ん」

たまに、吸い付く音がそそらせる。


千歳の細くて器用な指は、いつの間にかブレザーの下のシャツのボタンを開けていた。


熱くて気持ちいい、千歳の指が背中に走った。


そんな時でさえ、あたしを気持ちよくさせてくれる。


ツーっと何かを伝っていくような感じでホックまで移動させる、その行動があたしには堪らない。




「んっ……」




「ねえ、乳首たっちゃってるよ? 早くね? ヤル気満々じゃん」

意地悪く笑いながら、あたしのたった乳首を弄ぶ。

指先だけで転がしたり、押したり。

そんな簡単な前戯でさえも、気持ちよすぎる。

きっと、他の男なんかにこんな事させられても、何とも思わないだろう。

千歳の指だからこそ、こんなにも気持ちよくなれるんだ。


「誰か……来ちゃうよぉ……」

このまま続けて欲しいながらも、少しだけ抵抗を見せた。

無理だっていう事は、分かっているのだけど。

「そしたら見せ付けてやればいいんじゃね? すぐに出て行くっしょ」

その後に、はははっ、と付け足して軽く笑った。

少し細くなる目がすごく優しい。


千歳が笑うことが、こんなにも嬉しくなってる。


嗚呼、あたしは千歳に溺れきっている。



「んっ……そ、だね……ぁあ!」

あたしが言葉を言い終えようとしたその瞬間、あたしの秘部に、愛しい指が進入してきた。

「あっつ……。なか、すんげぇぬくいよ……。しかもさ、トロトロしたもんがあるから超いい。ははっ」

そういい終えると、あたしの乳首を吸い始めた。

音を出して吸うからいやらしい。


そして、ものすごく、そそる。

29 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/24(土) 20:11:09 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
初めはゆっくりだった指の動きが、段々と激しくなり、早くなっている。

その度に、あたしの声は増すばかり。


「ぁあっ……。はっ、ぁっ…んっ……」

「学校とかでするとそそるでしょ。いつもよりすっげー濡れてる。びちょびちょじゃん。音、出してやろうか」


そう言うと、あたしが答えないうちに、わざと音を出し始めた。




自分でも感じる。

いつも以上に濡れていることが。

あまりにもぴちゃぴちゃと、音が出ている。

その音は、何故だか興奮してしまう――。


「ひぁっ……! ん、ぁっ…ぁあっ……んっ…!」

音だけでなく、いつも異常に千歳の指も気持ちよく感じる。

千歳にとってはいつもと変わらない動きをしているのかもしれない。

だけど、あたしにとってものすごく気持ちいい。



もっと。

もっと。


もっと、もっとして。

はやく

イきたい。


そんな願望が心の中で生まれた。

だけど、千歳の指はあたしを一向にイかせてくれない。


焦らさせることが得意なんだろうか、と思うくらいにじれったい。


「ちと……せぇっ……っ。もっと、もっと…ぁっ、は…げしくっ……してっ……?」

「イきたいんだ? でもなぁー……指動かすのって結構疲れるんだよねー……」


ふう、と小さく溜息を吐かれた。

あたしって、千歳にとって疲れる女なのだろうか。

すこし、目に涙が溜まるのを感じた。




「なんちゃってね。イきたいんだろ? イかせてやるよ」


吐息と一緒にその言葉が耳に入ってきて、あたしの体はビクン、と反応した。

耳にふーっと息を吹きかけられた感じ。

こそばゆくて、少し感じる。


そんな些細な事に感じる自分が、なんとなく嫌になってくる。


だって、あたしって性欲の塊みたい。



千歳限定だけど。

30 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:32:12 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp


激しかったけど、どこか焦らしていた指は奥を一気に突いた。


「あぁあっ……!」

「っ……。今さ、二本なんだけど……。四本挑戦してみる?」


「んっ……ひぁぁっ! ぁあんっ……! ちとせっ……。ちとせっ……」

何度も何度も高スピードで出し入れされて、あたしは言葉を返せなくなっていた。

あたしの口から出るのは、あまりの快感からの喘ぎ声。


「ああ、答えれないぐらいに気持ちいいんだ? ははっ。でもさ、四本いく前に玲、イっちゃいそ――」




「あぁぁぁぁっ……!!」

あたしは、千歳の言葉を遮るようにして絶頂を迎えた。

だって千歳は喋りながらも、指の動きは全然怯まない。


イきたかったあたしにとっては、二本なんて簡単にイっちゃう。




「あーあ、やっぱりイったか」

「はぁっ……、ごめ……んっ……」


まだ頭の中に弾けた物が残っている感覚。

イったときの余韻は、こんなにも残るものだっただろうか。

秘部はきゅううっと千歳の指に、食いついている。




「ん、でもまあ、四本挑戦してみるか」



そう言った途端に、あたしのなかにはもう一本の指が勢い良く進入してきた。


「いっ……たぁっ……」

「ん、痛い? ごめんね。でも気持ちよくしてやるから」


指が増えた所為で、音が激しく聞こえる。

どんなに濡れまいと思っていても、秘部だけは正直なんだ。


「ぁあっ……ち、とせっ…。んぁっ…」

「まだ痛い? もう少し慣れさせないとね」


痛いよ。

だけど、千歳のだから愛しく感じるの。

痛くても我慢できるし、その痛みが快感に変わってゆこうとするの。


耳の奥で、チャイムが鳴った気がした――。

気がしたのではなく、本当に鳴っていた。

もう、感じることしか出来ない。

気持ちいい。

チャイムなんか気にしないで続けて。

千歳は続けてくれるでしょう?


「続行するから」



「んぁぁあっ……はぁっ、も、い…イきそぅ…ぁあんっ」

あたしの秘部は、まだ千歳の指に吸い付いている。

ぎゅっと、ぎゅっと、しがみ付くように。

大きくて、痛いけれど。

愛しくて、気持ちいい。



「一回イってるとイきやすいよなあ。イっても続けるからね」

31 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:34:01 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
何を言っているの。

あまりの快感に分からないの。

もっと、もっと。




早く名前を呼んで――。



「あぁぁぁっ……。千歳ぇっ……! ちと、せ……。ぁあっ、あっ……」

「何? 玲。そんなに気持ちいいんだ。後一本残ってるんだぜ?」



――願いと快感が交差する中、あたしは二回目の絶頂を迎えた。


心臓の鼓動はいつもに増してはやく、秘部がヒクヒクしているのが感じる。

今は、少し冷たい空気さえも気持ちいい。

気持ちいい。


気持ちよすぎる。


埃っぽい所だけど、千歳が居ればそこはあたしにとっては楽園――。

お酒に酔う以上に、あたしは千歳に酔いしれている。


「もう、もう……無理っ…! 早く、欲しいの…」

愛が欲しい。

あなたの愛が欲しい。

一番の愛が欲しい。

偽りの無い、正直な愛を。

それが、本当の願い。



あなたは気付いてくれますか?

早く気付いてください。


あたしはこんなにも、好きなんです。




――結局四本まであたしの体は持たずに千歳を求めた。

千歳も「仕方ないな」と、ポツリと言い、一つになった。


願いながら。

涙が出るのをこらえながら。


あたしは快感だけに集中しようとした。

だけど今日は、何故だか一つになっているときに空しい感情が出てきた。


空しい。

どうして?

セックスのときしか名前を呼んでもらえないから?

全てだよ。

何もかも。

離れられない自分にも、千歳の愛情にも。


本当、空しい。

ただ、真実さえ教えてくれたらそれでいいのに。


優しすぎるから言ってくれないんでしょう?

いいよ、傷つけて。

どんなにぼろぼろになったっていい。

嘘はいやよ。


32 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:36:10 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
なんて思っていても、結局言う勇気も無い。

今日は、なんて言ってるけどいつもなんだ。





あたしは、愛に飢えてる――。

違うかな。

千歳なりに愛してくれているんだよね。

あたしがただ、わがままなだけなんだよね。


だけどね、ちっぽけな事だけど


あたしは大切だって思うよ。

一生、背負うものなんだから。

自分を、表すものだから。






行為を終え、お互いに制服を着ているときに事件は起こった。


千歳は、偶然あたしの近くに携帯をポケットから出し、置いていた。

でも、あたしは別に中身を見ようなんて事は思わない。

そこまでして、何かを得ようとも思わない。


だけど偶然、千歳の携帯が光った。

あたしはその光に気付き、ふと携帯を見た。

学校内で音が出るといけないので、音が出なくなっている。

だから、反対側を向いて着替えている千歳は気付いていない。


あたしは千歳に渡そうと、携帯を持った。




見よう、なんて思ったわけじゃない。

出来れば見たくなんかなかったかもしれない。

だけど、目に入ってしまった。

――イルミネーションウィンドウが。









『着信 玲』




あたしと同じ漢字の名前が。

ミ エ テ シ マ ッ タ――。

33 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:36:39 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
あたしはその携帯を一刻も早く手放したくて、千歳に押し付けた。


「携帯っ、光ってる」


「ああ、さんきゅ」

強引に押し付けるようにあたしは渡す。

何故そうやって渡すかを千歳は知らない。

あたしが見てしまったことを千歳は知らない。

その電話に出るの?


その人は誰?

あたしと名前が一緒なのは、単なる偶然?


もう、分からないよ――。

名前が一緒なだけであたしはこうも、不安になる。

あたしから不安を取り除いてよ。




「はーい。どした?」






いつもと声のトーンが違うように感じた。

いつもより少し明るくて、あたしに話しかけるよりも優しい声。






『あ、今学校だったよね? ごめんね』




まただ。




携帯からもれる、女の人の声。

この声は、はっきりと残っている。


あの時から――。

あの時の、女の人だ。


そしてまた今日も、声がもれている事を千歳は気付かない。


「ああ、いいよ。どうかしたの?」

あたしが居るのに。

よくもそんな堂々と電話に出られるものだ。

『最近ね、調子いいから……。だから久しぶりに会えないかなあって』

「そうか。よかった」

『あ、今彼女いるんだよね……。彼女さんに申し訳ないからやっぱりいいやっ』

「あー……。うん、別にいいよ? 俺もそう思うから」

『そう思うってー……。会いたいって思ってくれてるの?』

「うん、当たり前じゃん。ははっ」

『今……一人? 何してた?』

「ん、や、まあ、うん。ごめん、また後でかけるわ」

『うん、分かった。待ってるね』

「じゃあな」



あたしは黙って、二人の会話を聞いていた。

結構これ、応えるなあ。

あたしと居るってこと、言えないんだ。

あたしと同じ名前の人と、会いたいって思ってるんだ。


あたしは何なんだろう――。

34 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:37:53 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

あたしはシャツのボタンをいつも以上にゆっくりと留めていた。

俯きながら、聞きたくなるのを堪えて。

ここが学校だという感情も、少し薄れていた。



逃げ出したい。

今、この場所から。

そんな衝動がすごい勢いで襲い掛かってきた。



「逃げ出しなよ。もう、いい加減諦めたら? あなたには無理だよ」


知らない声がした。

頭で。

心で。


知らない?

知ってる。

よく知ってる。


あの女の人の声。

もう一人の“玲”さん――。

実際に玲さんからそんな言葉を聞いたわけでもない。

だけど、頭が、心が、その声で再生するんだ。

あたしの心を嫌って程に傷つける。

もうやめて、と心の中で唱える。

だけど、何故だか止まらない。


頭、心。

どちらとも“あたし”なのに、あたしを傷つける。

どうして。

あたしはそんなに嫌われているのか。


それなら、もう要らないよ。

捨てたいよ、出来る事ならば。

だけど、だけど好きなんだもん。

一生を誓える程に、好きになってしまったんだもん。

そんなのを簡単には諦めきれないよ。

諦める切欠はきっと沢山あるんだろう。

だけど、それを押し切ってまで、傍にいたい。

そう思うんだ――。

35 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:39:12 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
「おい、何でそんなにトロトロやってんの」


頭の中の声が消えた。

千歳の声は、少し冷たくて、“心ここにあらず”といった感じだ。


おい?

行為の後は、名前も呼んでくれないんだね。


あたし、心捨てちゃうよ?




あたしは黙って俯き、トロトロトロトロボタンを留め、スカートを曲げ、ネクタイを締め、ブレザーを着る。

そんなあたしを、千歳がイライラしながら見ているのが分かった。

そんなオーラを放っている。


「おい、聞いてんの? 何でお前そんなにトロトロ着替えるんだよ。しかも無視するし」











『逃げ出しなよ。もう、いい加減諦めたら? あなたには無理だよ』





また、リピート。

今度は一回だけ。

頭の隅々まで響くように、大きくリピート。








「……っ! あたしはっ、“おい”とか、“お前”とか……。そんな名前じゃないっ! ちゃんと……っ、“玲”って名前がある!」



あたしはそう千歳に向けて思い切り叫んだ。


そして、古びた匂いがして、懐かしい感じのする教室のドアを思い切り音を立てて開け、走った。

36 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:40:39 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
馬鹿。

馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。

最低最低最低最低。




どうしてよ。

どうして、こんなにも。


千歳はあたしをこんなに好きにさせたの。

どうしてよ。



どうしてよ。

どうして、こんなにも。

冷たくて名前も呼んでくれない様な人を好きになったの、あたしは。

どうしてよ。



千歳のために流した涙は、どれくらいだろう。

千歳のために流した涙は、意味がなかったのかな。

意味がなく、流れ落ちたのかな。


流した分だけ、何か救いがあればいいのに。

神様は、あたしを幸せにはしてくれないの?


違うんだよね。

偽りの愛かもしれないけど、恋人で居るあたしは幸せなはずなんだよね。


あたしがわがままなんだよね。

本当に?


何も教えてくれない千歳は悪くないの?








――答えが出ない。

出なかった。

だからあたしは走った。

ひたすら、門を目指して走った。

バッグも何も持たずに走った。

どこかを目指していたわけじゃない。

ただひたすら、直感を頼りにして走った。


千歳が追いかけてきてくれる事を望みながら――。

37 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:43:04 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp




あたしは何度も振り向いた。

千歳の姿がありますように、と願いながら。

だけど、その願いはすぐに打ち消される。


千 歳 の 姿 が 無 い こ と で 。


それが空しくて空しくて、あたしはひたすら走った。



いい加減、体に限界が来たみたいなので足をゆっくりと止めた。

その場所は学校からかなりはなれた、人気の無い所だった。

振り向いても、姿は無い。


あたしはまた、涙を流した。

「追いかけてきてくれたって……っ。いいじゃんかあ……」

本当に人気は全くなく、余計に孤独感を醸し出した。

だから余計に、涙が出てきた。






あたしは、声を上げて泣いた。

ただただ、一人の世界に閉じこもった。

狂ったように泣いた。

何もかもが嫌で、辛くて。

幼い子供がだだこねて泣くような声を上げた。


自分の愛は、千歳には届かないの? と、そんな気持ちばかり。

なんだかここまで千歳のことばかり考えている自分が悔しくなってくる。

あたしはこんなにも、泣いているのに。

あたしはこんなにも、愛しているのに。


純粋に、好きなのに。

大好きなのに。








風が冷たい。

太陽は出ているけど、風がものすごく冷たい。

泣き狂っていて、惨めな姿のあたしを軽蔑するかのように。


『そうだよ。はやく諦めて。千歳を忘れてよ。千歳はあなたを追いかけてきてはくれないよ? きっと』



冷めた口調であの女は言う。

あたしの頭の中と、心の中を侵して。

顔も分からない。

年齢も分からない。

その人が千歳にとって何なのかも分からない。



「ちとせ……っ。ちとせっ、ちとせっ……ちとせぇ……」

お願いだから追いかけてきて。

何か言ってよ。

何も言ってくれないのが一番不安なんだから。


突き放すならとことん突き放して別れを告げてくれればいいのに。


――きっとあたしは立ち直れないけど。

38 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:44:25 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

名前を呼んでも千歳は居ない。

息を切らして走ってくる姿、頭の中だけに居る。

何て空しすぎるんだろう。


どうしてここまであたしは好きなんだろう。


名前を呼んでもらえなくて、見下したような態度をされて、本当の事を言ってくれない。

なのに、好きなんだ。


優しいよ、千歳は。

あたしをひどく突き放さない。

でもきっとそれは、自分への優しさもあるんだろう。

誰かと重ねている所為で、あたしを突き放すのには抵抗があるんだろう。





千歳は本当、馬鹿だよ。









携帯から着信音が流れた。

千歳限定のラブソング。




あたしは急いでポケットに手を突っ込む。

冷たくて上手く動かない手だけれど、必死に携帯へと向かう。



もちろん、イルミネーションウィンドウには愛しい名前。


あたしは急いで開く。


――だけど、右手の親指は通話ボタンを押さない。

「何で……何で電話なの?」

寒さと悲しみで震える唇から漏れる声。

戸惑っているうちに、着信音は途切れた。


「何で電話なの……? 追いかける気なんて、全く無いんだね」


着信音は、また鳴り出す。

いつもは鳴ってうれしいラブソング。


だけど、何だか今は悲しいよ。

電話で済ませれる出来事なんだ、千歳にとっては。






何度も何度も、鳴っては切れてのくり返し。




あたしは唾を飲み込んだ。

何かを決心したように。

39 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:47:25 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
7度目の着信音が鳴った時に、あたしは電話に出た。

手が冷たくなりすぎて、携帯を持っているのかもあまり分からなかったけど、ぎゅっと力を入れた。



「はい……」

きっと、あたしの声は震えている。

『はい、じゃねえよ……。いきなりどうしたんだよ。俺、お前があんなに言った意味が分かんない』



耳を疑った。

分かんないの?

名前があるって、言ったんだよ。



「ねえ千歳。どうして追いかけてきてくれないの? あたしの事好きなの? あたしは千歳にとって、なんなの」

あたしは頑張って冷たい口調で言った。

気を入れてないと、また泣きそうだったから。



千歳は黙っている。

風の音と、木々の音だけが空しく響く。



「あたしはっ……好きだよ? 千歳の事、好きだよ? きっと、誰よりも好きだよ」



それでも千歳は黙っている。

あたしは賭けに出る。








「ねえ千歳っ……? あたし待ってる。千歳があたしを探し出してくれるまで、待ってる。い、一生……、一生待ってる、から」




あたしがそれを言い終えた瞬間、あたしは一方的に電話を切った。

賭けに出る。

千歳はきっと、来てくれるよね?


最後の方は、涙が出てきて言葉が震えた。

待ってるよ、絶対。



一生待ってる――、何て言ってしまったけれど寒くて寒くて外にいるのが嫌になってきた。

まだ昼を少し過ぎたぐらいなのに、今日に限ってこんなにも寒い。

神様は本当に意地悪だ。

だけど、千歳が来てくれればいい。

寒さなんてものは吹き飛んで、一番に抱きつきたくなるだろう。


風が目に冷たく吹き付けるから涙も止まらない。

悲しさで泣いている所為もあるのだけれど。


「千歳……早く来て……。さみしい、よ」

コートも何も無い。

いつかは電池が切れる、携帯だけ。

そんな状況であたしは精一杯唇を動かして独りごとを言う。



心の中は、水浸し。

あたしの肌は、乾いたまま。

心までもが、乾ききってしまったらもう、終わりなんだよね。

涙を流さなくなったら――、終わりなんだよね。


40 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:51:07 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ぼーっとどこかを見つめる。

見つめた先には古びたベンチ。

そこにあたしはゆっくりと座った。

後はただ、千歳が早く来てくれるのを祈って待つだけ。


――今なら千歳の為に命を落せる、って確信が沸いてきた。

好きすぎてたまらない千歳の為に。


――本当に?

あたしは弱虫だから無理だよ。

苦しいのに千歳を突き放せないあたしに、そんなことは無理だよ。

あたしも本当、千歳に負けずどこまで馬鹿なんだろう。


千歳に“馬鹿”なんて言える筋合い無いよね。


ごめん。

嫌いになれなくてごめん。

欲張りでごめん。

弱虫でごめん。



愛しちゃってごめんね。





あたしはいつの間にか眠りについていた。

夢を見た。

あたしは涙を流しながら千歳から離れて行き、カッターで自分の手首を切る夢を。

なんて残酷で現実味のある夢なんだろう。

左手首に、無い痛みを感じる気がした。


ふと気付いた事。

もう真っ暗。

どれだけ眠っていたんだろう。



携帯に目をやると、夜の七時を回っていた。


千 歳 は 来 て く れ て な い 。

41 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:52:37 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

「ははっ…。あはっ……。あははっ……!」

残酷すぎて涙が出てきた。

そして、その涙とともに本心じゃない笑いが溢れた。



ここまで好きなあたしのこの行動は、くだらない事?


何でここまで走って来たんだろう。

こんなに全く人気の無いところへ、どうしてあたしは走ってきたんだろう。



嗚呼、千歳はこの人気の無い場所が分からないんだ。

きっと探してくれている。



こんな場所に居るあたしが悪いんだ。

謝ろう。


そうだ、謝ろう。

今すぐ千歳のところへ行こう。










あたしが立ち上がった瞬間、後ろから腕を掴まれた。




振り向くのが怖かった。

以外に力は強く、振りほどこう――何ていう考えが浮かばなかった。



「……やっと起きた」

夜の静けさが、その声を引き立てた。


――千歳の声だ。

あたしは声のする方へ顔を向けた。

千歳が居た。

本物の、千歳が居た。

少し困ったような顔をしているのだけが、月明かりで分かる。

困ったような、疲れたような、そんな顔。

「千歳……。来て、くれたんだ」

あたしは千歳が怒るかなあと思いながらボソボソと呟いた。

上手く千歳のほうを見れなくて、今が暗いことをあり難く思った。

千歳は腕から手を放し、あたし達の間にあるベンチを回って、あたしの前に来た。

「何であんな怒ってたんだよ。っていうかその前に、お前起きないし。しかも笑い出すし。まあしつこく起こせなかった俺も……俺だけど」

口を下へとまげて、いじけた。

千歳には悪いけれど、その顔はものすごく可愛い。

「ごめん……。全然気付かなくって。それで、起きて千歳に……千歳に謝ろうって思――」






冷たい唇同士のキス。

唇の温度で千歳がどれだけ待っててくれたのかが、分かる気がする。

冷たいけど、気持ちいい。


唇だけで、あたし達は長いキスをした。

離れてはくっ付け、離れてはくっ付け。


千歳の匂い――。

42 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:54:50 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

「ん……千歳っ……?」

唇が離れて、間のあいた時にあたしは千歳に問いかけた。

「黙って。俺、結構怒ってるから。だから今から俺んち行くから。何するか分かるでしょ」


今すぐセックスしたくなるような、もどかしいキスをあたしに残して手をとり歩き始めた。


千歳の家につくまでの間、何も喋らなかった。

だけど、切符を買うとき意外は力強く手を握り合っていた。


「これは千歳の愛情表現?」って聞きたかったけど――やめておいた。

話しかける勇気が出なかったのも事実だ。

無視されたら……なんて考えると、簡単には口も動かなかった。

電車にゴトゴト揺られながらも、手の温もりは溢れ出るほどにお互いに集まった。

暖房がついている電車の中でも、千歳は時折体を振るわせた。

その度にあたしは、手の力を強めた。

少しでも、あたしの温もりを分けてあげられるように。



――ほら、傍にいるだけでもこんなにも。

あたしを夢中にさせて、鼓動を早くさせて。

こういうのを罪な人、っていうのかな。

なーんて、しょうもない事をずっと頭の中に浮かべていると、降りるべき駅についた。

ただただ黙って、千歳に手を引っ張られながらもようやく千歳の家に着いた。


いつもの千歳の匂い。


ここはあたしの大好きな場所。

だって、どこもかしこも千歳だらけ。

変態なのかもしれない。

だけど、そんなのどうでもいいよ。

自分勝手に思うだけならいいでしょう。

千歳の匂いですら、愛しいくらい惚れて、惹かれて、溺れているんだから。

こんなに人を一途に好きになれる?

一途な自分だけは、あたし、自分で自分を褒めるよ。

だって名前を呼んでもらえなくっても、確かな愛なのかも分からないけれど、ずっと傍にいるんだよ。

辛くても、離れていることの方がよっぽど辛いよ。

なんて、自分が被害者ぶるのはよくない。

あたしはあたし。

あたし達はあたし達。



二人だけなんだ。

43 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:56:34 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

「早く来てよ。俺の命令、聞けよな。俺がいじめるの好きだって、知ってるだろ」

千歳の空間にうっとりしていたあたしに、千歳は冷たい声で言った。


千歳だから、いじめられたいって思うんだよ――。

そう、言いたかった。

そう、言えなかった。

それはいつもの事。



「俺、今からお前にいろいろ聞くから答えろよ」

ギシ、と音を立ててベッドに座り込んだ。

「早くこっち来いよ」

ゆっくりゆっくり足を進めて、千歳の横に座った。



今からが始まりなんだ。

今日、あたしはどんな事をするんだろう。

きっと、どんなに恥ずかしいこともしてしまうのだろう。


嗚呼、お願い。



「ねえ、俺、今からお前となにするって思う?」

いきなりの冷たい質問に、あたしは戸惑った。

千歳のしたいことは分かっている。

だけど、だけど。

あたしは俯くばかりで、顔が少し熱くなるのを感じた。

「聞いてんの? 分かるだろ? 今日もしたじゃん」

答えを急かす千歳。

口元は意地悪く笑っている。

わざと耳元で息を吹きかけながら言う。

あたしは口先だけで呟く。

「え……っ、ち……?」

それを言うだけでもう、緊張して、恥ずかしくて。

まだエアコンのきいていない部屋は寒いのに、汗をかきそうだった。




「えっち、じゃなくて」

言わせたい言葉は分かってる。

分かったよ、もう言うよ。


「せっ……くす」

「聞こえない」

「せ、せっ……くす」

「もう少し」




「セックスっ」

あたしは手のひら全体で顔を覆い、下に向けた。

そんなの千歳は許さない――。

「したいんだろ? んじゃあしてやるよ」

自分で何するのかを聞いたくせに、あたしを言葉でいじめる。

本当、こういう才能は結構あると思う。


44 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 13:58:26 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
手を顔から離し、あたしをいきなり押し倒して強引なキスをする。

濡れた舌であたしの唇をいやらしく、舐め回す。


唇と舌だけを使い、中には入れてくれない。

千歳は意地悪。

きっとまたあたしに言わせるんだ。

――分かっていても、ドキドキドキドキと胸が高鳴る。

いじめられるのが嬉しい?

きっと千歳だからなんだよね、そうだよね。


いじめても何したっていいから、本当の事だけは教えて欲しいよ。




「なあ、中に入れて欲しい?」

千歳とあたしの顔との距離が離れ、少しだけ荒くなった二人の息がその間で混じりあう。

千歳のキスはものすごく気持ちいい。

キスしただけであたしの秘部はうずうずし出す。

そうだよ。

中にだって入れて欲しいんだ。



「入れ……て?」

千歳の真っ直ぐな視線から顔を逸らし、あたしは欲した。


「いーやらしっ。ははっ」

目元をかなり緩く笑って、舌を絡めてきた。

そうだよ。

このキスが、大好き。

「んっ……。はっ……、んん」

舌の裏をつつーっとゆっくりなぞり、優しく優しく絡み合う。

唾液の音がいやらしい。

二人の荒い息もいやらしい。


いやらしさが、あたしの性欲をどんどん増やしていく。

自分でも、あたしは変態だと思う。

だけどこんなのは千歳の前だけだから、神様許してくれますか?


二人の熱気で体は温まり、薄っすらと汗をかいた。




「冬なのに汗かいちったな。暖房入れなくっていいだろ」

そう言いながら上のシャツを脱ぎ始めた。

すごく格好良くて、すごくセクシーで。

本当に、眩しく見えるくらい。

何て、普通の人から見たらどうって事無いんだろうけど。

好きだから格好良く見えるんだよね。


恋の、病?



「何そんなじろじろ見てんだよ。恥ずかしいし」

あたしは意識もなく、千歳を見つめていたようだ。

見つめていた?

見とれていたんだろう。

少し動くたびにベッドが鈍い音を立てる。

音のしないベッドだったらよかったのに、と思う。

軋む音は何だかとてもいやらしいから。

45 :高坂 陽 (hryAljSVe.):03/30(金) 14:01:32 HOST:pl115.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

そんな事を思っていると、千歳は歯で軽くあたしの唇を噛んだ。

「ばーか。俺のことだけ考えてよ」

少しいじけた顔であたしの着ている服を脱がす。

何だか少し、いやかなり嬉しかった。

その言葉が。



――じゃあ千歳はあたしだけのことを考えてる?

こんなにも憎たらしい質問が、心の中で浮かんでは消える。

あたしはどこまで醜い奴なんだろう。


今だけは、忘れるよ。

あの人の事。




「ねえ、俺のこと考えてる?」

困った顔で、口が緩やかな山になっている。

千歳のいじけた時の顔。

この表情、ずるいよ。

あたしをまた更に溺れさせる。


「考えてるよ、いつも。いつもいつも、考えてる……。あたしは千歳でいっぱいなんだよ」

あたしは軽く微笑み、起き上がって抱きついた。

千歳の肌の温もり。

生で感じるのが一番いい。

こんなにも、あたし達の体の距離は短い。

――じゃあ心は?

もういやだ。

もういい。

今はいいの。


今は千歳を、いつものように感じたいから。



「大胆ですねえ。で、何してほしい?」

また意地悪く笑い、歯を見せる。



「千歳が……したいよう、に……」

「俺のしたい通りだったらいじめちゃうし」

否定しながらも、スイッチは入っている。

千歳の顔で、そんなの分かるよ。

「何でもいい。何でもいいの、千歳なら」




「へーえ」

見 下 し た 顔 。

だけどそんなに嫌にならない、今日の顔は。

いつもはもっと、心から見下されている感じがするから。


今日の千歳は、きっと優しい。

セックスは激しく意地悪なんだろうけどね。



「したいように、ねえ……。ふうん」

ニヤニヤと、緩やかな山になっていた口が今では反対になっている。

悪魔だ、本当に。

だけど、あたしだけの悪魔で居てほしい。


「じゃあさ、俺のコレ、今まじでもうやばいから、どうにかしてよ」

そう言いながら、人差し指を下の方へと向ける。

46 ::03/30(金) 14:01:49 HOST:p1179-ipad05fukuhanazo.fukushima.ocn.ne.jp
凄く面白いです↑↑
ただエロいとかじゃなくて、人の感情を丁寧に
扱っている所が素晴らしいと思います。
早く更新して頂きたいな♪
頑張ってください!!

47 : :03/30(金) 14:47:23 HOST:p31004-adsao01atuta2-acca.aichi.ocn.ne.jp
こういうのめっさ好きです。
私も千歳にいじめられたいっす(ぇ
頑張ってください★
あげです

48 :ゆぅ:04/01(日) 16:06:05 HOST:malachite.aitai.ne.jp
あげ

49 :夏姫 (IB9MD2L68o):04/01(日) 18:04:45 HOST:pc23025.amigo2.ne.jp
age

50 :easy:04/03(火) 09:49:41 HOST:p6101-ipbf205aobadori.miyagi.ocn.ne.jp
age

51 :沙夜:04/03(火) 14:14:52 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
高坂 陽さん!!!!
私あなたの事を尊敬してます!!
こんなに上手く心理描写を書けるのは、世界にあなただけです!!
本気で尊敬します!!

52 :沙夜:04/03(火) 14:14:54 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
高坂 陽さん!!!!
私あなたの事を尊敬してます!!
こんなに上手く心理描写を書けるのは、世界にあなただけです!!
本気で尊敬します!!

53 :沙夜:04/03(火) 14:15:38 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
すいません(;−−)
二回もいれてしまいました。

54 :高坂 陽 (hryAljSVe.):04/06(金) 18:42:42 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
放置状態ですみません;
土日のどちらかに必ず更新します!
その時にコメントも返させてもらいます。
本当、亀更新でごめんなさい;

待っててくださると助かります。

55 :ゆぅ:04/08(日) 19:41:20 HOST:malachite.aitai.ne.jp
あげ

56 :高坂 陽 (hryAljSVe.):04/08(日) 20:03:36 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
桜さん___
す、凄く面白いですかあっ。
そんなそんな…桜さんのような感想をいただけて
ものすごく嬉しいです。
ほんっと亀更新でごめんなさい…
反省が足りませんね;頑張ります!
ありがとうございました。

>>47さん___
めっさ好きだなんて…照れます 笑
いじめられたいっすか!玲ちゃんと一緒ですね〜
頑張って頑張って頑張って…∞
更新してゆきます!!!ほんっと反省です;
ありがとうごいました。

ゆぅさん___
二回もあげありがとうございます。
本当に本当に励みになってます。
ありがとうございました。

夏姫さん___
いつも読んでくださってありがとうございます。
今日の更新からは、前のスレの続きとなりますので
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございました。

easyさん___
あげありがとうございます。
すっごく嬉しいです。励みになります。
この嬉しさを更新に生かせるように頑張ります。
ありがとうございました。

沙夜さん___
いえいえ、お気になさらないで下さい。
そ、尊敬ですか…!?え、そんな…
しかも世界にあなただけなんて…
そんな事言われたの初めてなんで…凄く嬉しいです。
こんなあたしを尊敬してくださって…ありがとうございます。
これからも頑張ってゆきたいと思います。
ありがとうございました。

__更新___(前のスレからの続きになります)

頬を少し赤らめたその顔は、とってもとっても大好きな顔。

いじめられてるあたしが、いじめ返しちゃいたくなりそう。

なんて、一生出来っこないんだけど。


千歳の指の指した先に顔を近づけ、ゆっくりと咥える。

熱くて、大きくて。

すこし苦い味も、千歳のだったら愛しいよ。

苦いのなんてどうにかなる。


だって、千歳でしょ?


あたしは必死に千歳のモノを舐め続けた。

少し甘噛みしたり、吸ってみたり。

時々出す甘い喘ぎ声は、あたしの性欲を駆り立てる。

あまり簡単にイかせるのは、ちょっと面白くない。

だってすぐに快感が押し寄せてきて、イってしまうと千歳もつまらないでしょ。

あたしはそこまで深く考えていつもやっている。


バカみたい?

バカみたいでもいいよ。

千歳のためにならバカにだってなんにだってなれるよ。





「んっ……っ。れ、いぃ……。っう……」

まるで女の子みたい。

とても可愛らしい。


だけどあたしはいじめるのよりは、いじめられるのが好き。

快感に襲われて、恥じらいを持った千歳。

そんな時に名前を呼ばれると、ものすごく抱き締めたくなる。


小さな子供のようで、母親からの愛情を待っているようで。


57 :高坂 陽 (hryAljSVe.):04/08(日) 20:19:53 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
あたしの唾液の音で、くちゅくちゅ、と音がする。

もうすぐ千歳はイきそうかな。

少し強く快感を与えてみる。


絶頂を迎えそうになるときに、あたしの名前を呼ぶ千歳のクセ。

ずっとしてたら分かってしまった。


「れぃっ……! ぅぁ……。んん……っは……っ……!」

あたしの事、考えて絶頂を迎えてくれていますか?

それとも、ただの快感だけ?



「っは……! ぁっ……! ぁあっ………っ!!」








千歳の出したモノが、あたしの口の中に溢れ出る。

「飲んで……っ」

少しだけ荒くなった息のなかで、懸命に言葉を発す。

あたしは言われた通りに、口の奥にそれを流し込む。




雑誌とかでは「口内射精」は嫌がる人が多い。

だけどあたしは嫌じゃない。

だって千歳の一部だもん。

それを自分の体の中に取り込めるなんて、嬉しくてたまらない。



「今度は玲の番だよ」

そう言ってあたしの秘部へと顔を近づける。


勢いよく進入してきた、生暖かい千歳の舌。

激しくあたしのなかで動きまわる。


「んっ…ぁあっ……。ひぁっ……!」

千歳の舌はなかで懸命に動いている。


あたしが絶頂を迎えそうになったときに、千歳は舌を抜いた。

そしたあたしの唇を塞いで、なかにすべりこんできた。


変な味。


千歳は自分の舌をあたしの舌に絡ませると、離れてから言った。








「玲の味」

58 :沙夜:04/08(日) 20:38:20 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
主さんは本当に小説書くの上手いですね。。。
私も一応本好きで、自分で書いてみたりするんですけど、コレガさっぱり。。。(;−−)
主さんがうらやましいです!!

59 :ユウコ:04/10(火) 17:11:38 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
ほんとイィ。・゜(´Å`゜)゜・。
切なくて………好き。+(U∀U*。)

60 : :04/15(日) 15:15:29 HOST:p4094-ipbfp1102fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp
あげ

61 :ゆぅ:04/15(日) 16:53:39 HOST:malachite.aitai.ne.jp
あげぇ

62 : :04/15(日) 19:55:27 HOST:softbank221029168041.bbtec.net
こんばんは。お久し振りです。
誰って感じですね;笑
あれです。・・・ミスって名前出しちゃった阿呆です。
玲ちゃんの{馴れ馴れしい; 笑
感情がストレートに入ってきて本当切ないですね・・・ 何
頑張って下さい!この阿呆も応援してますんでっ

63 :ユウコ:04/17(火) 18:06:41 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
ァゲ。・゜(´Å`゜)゜・。がんばレェ!!!!!

64 :ユウコ:04/18(水) 22:30:45 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
。・゜(´Д`。)ァゲ……。

65 :ゆぅ:04/19(木) 14:31:08 HOST:malachite.aitai.ne.jp
あげぇ

66 :ユウコ:04/21(土) 00:44:53 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
ァゲ…………(。´・ω・)

67 :ユウコ:04/21(土) 21:00:38 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
。・゜(´Å`゜)゜・。

68 ::04/22(日) 00:35:28 HOST:05004016703676_ey.ezweb.ne.jp
あげ

69 :高坂 陽 (hryAljSVe.):04/22(日) 09:57:40 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
沙夜さん___
やや、上手いだなんてそんなこと…
あたしも自分流ですからw
いろいろと評価してもらうと、書きやすくなりますよ。
あたしなんかの作品にそんな事言ってくださって
ありがとうございます。

ユウコさん___
5回もあげてくださってありがとうございます!
本当更新亀すぎですよね…;
ごめんなさいです;もっと頑張らないと…
ありがとうございました。

>>60さん___
あげ、ありがとうございます。
とおおおおっても励みになります。
ありがとうございました。

ゆぅさん___
2回も上げてくださってありがとうございます。
それなのにあたしときたら亀更新で…
本当ごめんなさいです;
楽しみにして下さっている人がいるんですから
もっと頑張りますね、ありがとうございました。
(って、自惚れですね;)

>>62さん___
こ、こんにちはあ。お久しぶりですねv
覚えていますよ〜。尊敬してますんで^^
全然「玲ちゃん」でいいですよ!嬉しいです。
感想、とても嬉しいです。頑張ろうという気が
起きますよ〜。そのわりには更新遅いんですが;
応援ありがとうございます。
あたしもまた見に行きます。ありがとうございました。

か さん___
あげありがとうございます。
頑張って更新したいと思います。
励みになりますv

__更新__


何だかあたしを食べられたようで、体が火照ってくるのが自分でも分かった。

それから千歳はまた、あたしの秘部へと向かっていった。


ヌルヌルしている千歳の舌は、あたしが感じるところを弄くり回す。

その度に腰がちょっと動いて、急激な快感に襲われる。


絶 頂 に 達 す る よ う な 快 感 に 。





「っやぁっ……! 千歳、ちとせぇ……っは……。ィ、く、ぁああっ!」


びくびくと痙攣を起こしたように、あたしの足は震える。

何度この感覚を体験してきただろう。

何度も何度も、同じ快感を得ているはずなのに。

あたしはその快感のたびに、必死に何度も感じ続ける。


飽きない快感。

何度体験しても、飽きない快感。


それを千歳は与えてくれる。

一人で自慰をするより、千歳にされるほうがよっぽどいい。

だって愛しい指で、愛しい体で愛撫されるなんて。

なんて幸せな事なの。




あたしは絶頂に達した余韻に浸っている時に、そんな事を考えていた。

そんなの、千歳は気付かないって思うけど。


「なに考えてんの」

千歳がいきなり聞くからあたしは慌てて「なんにも」と言った。


「ふうん。ねえ、もういい?」

何だかうずうずして、落ち着きなく見える千歳は可愛い。

あたしはうっすらと笑みを浮かべて「うん」と言う。



一つになることに、千歳が求めているのはただの快感?

それともあたしとの愛?

それとも、重ねている誰かとの愛?

ただの快感ならば、あたしはただの快感道具なのか。

どうなのか、そんなの分からないよ。

分かりたくないけど、分かりたい。

知りたくないけど、知りたい。




何て、一人で思ってるのは無駄だって事、あたしはいつになったら認められるのかな。

70 :沙夜:04/22(日) 10:05:09 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
切ないですね(;;)
主さんは心理描写がメチャクチャ上手いです。
小説家に向いてると思いますよ!!

71 :ユウコ:04/23(月) 01:35:41 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
上げ(*O艸o`◎%)

72 :高坂 陽 (hryAljSVe.):04/25(水) 18:38:54 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
沙夜さん___
いつも嬉しい感想、心にしみます…
心理描写ですか…わあお。
情景描写ももっともっと上手に書けるように
頑張りますね!小説家だなんて…
ありがとうございました。

ユウコさん___
あげ、とても励みになります。
何度もあげてくれて…とっても嬉しいです。
ありがとうございました。



__更新__




ゆっくりと、あたしのなかに侵入してくる熱いモノ。

その熱いものは千歳の一部で、あたしに快感を与えてくれるモノ。

それをあたしは受け止める。

侵入を、許すんだ。





「っぁ……!」

一度全部入りきったところであたしは軽い、喘ぎを漏らす。

まだまだこんな快感じゃ治まんないよ。


「ね、……動く、から」

あたしは瞼をゆっくり下ろして、目で返事をする。





「んっぁ…! ぁ、んっ……!やぁっ……」

寒いはずなのに、いつの間にか体は温まっていて、薄っすらと汗をかく。

千歳が腰を振るたびに、肌と肌がぶつかり合い、お互いの汗が混じり合う。


嗚呼、なんていやらしい。






あたし達は一度絶頂を迎えたはずなのに、またも激しい快感に襲われる。



「っれ、い……。れい…れい…」

何度も何度も名前を呼ぶ。


それはあたしなの?

それとも重ねている誰か?

どっちなの。

教えてよ。



そんなの聞けるわけもなく、あたしはただひたすら感じ続ける。



「んんっ……っはぁっ…! ね、も…ぅ…ィっちゃ…ぅよ…ひぁぁぁっ」

あたしは絶頂を迎えそうなのを、荒い息の中で必死に訴える。




その途端、あたしのなかから勢いよく千歳はモノを抜いた。




「っは……。ちと、せ?」






あたしは訳が分からず、名前を呼んだ。

絶頂を迎えそうだったのをとめられて、ものすごくもどかしい気持ち。




「俺の上で動いてよ」

73 :沙夜:04/25(水) 20:04:38 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
いえいえ(;−−)
正直な感想を述べたまでですよ!!
本当に上手いと思います。
自信をもってください(^^)/
あげぇ↑↑


74 :あい:04/25(水) 22:22:50 HOST:softbank218142220051.bbtec.net
即ファンになります」ww
あげあげ!!

75 :ユウコ:04/28(土) 04:52:55 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
あげるね(*O艸o`◎%)

76 :レリ:04/29(日) 21:30:46 HOST:07022430222342_mf.ezweb.ne.jp
読んでてめっちゃ恋してる気分になりますッ◇◆
応援してます$$

77 :まな:04/29(日) 22:36:34 HOST:ser356623001882090
あげー

>>1-200

78 :ユウコ:05/03(木) 22:03:21 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
あげるね(。´・ω-)

79 :沙夜:05/04(金) 20:46:56 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
更新まちィ♪

80 :高坂 陽 (hryAljSVe.):05/05(土) 17:11:56 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
沙夜さん___
二回もコメント、とても嬉しいです。
沙夜さんのコメントを、元気の種にして
頑張っていこうと思いますvv
ありがとうございました。

あいさん___
即ファンですかっ…!
そんなそんな…感激ですvv
そんな風に思っていただけて嬉しいです。
ありがとうございました。

ユウコさん___
毎回毎回、上げてくださって…
本当に本当に嬉しいです…。
もっともっと更新でそれを返せるように頑張ります!
ありがとうございました。

レリさん___
恋してる気分ですか…わわっ
そんな風に思っていただけるなんて…
すごくすごく嬉しいです!
ありがとうございました。

まなさん___
あげ、とても嬉しいです。
もっともっと更新頑張らなきゃ…
ありがとうございました。



___
ほんっと更新亀すぎでごめんなさい;
「頑張る」「頑張ります」、と口ばかりで…
でも絶対放置だけは本当にしません!
キチンと完成させますので!
気長にまってくださるとものすごく助かります。
暇があれば沢山更新しようと思っています。
ゴールデンウィークなんですが…
もう何なんでしょう!明日、まだ更新できるようだったらします!

本当、今の状態を抜け出せるように
全力はつくします!!!
これからもよろしくお願いします。

__更新___






そう言った千歳の瞳は、何だか冷たかった。

お願い、のように言葉は言っているけれど、口調や表情は命令だ。


何て悪魔なんだ。

千歳の馬鹿。


断れるわけ、ないじゃんかあ。



「わかっ、……た」

あたしはさっき以上に体が熱くなるのを感じ、千歳から顔を逸らしてそう答えた。



あたしに覆いかぶさるような体勢だった千歳を、胸の辺りに手を置いて押し倒した。


どくどく、と心臓が高鳴る。

なんて恥ずかしい事なの。

今まで上で動いたことなんか無い。


千歳の顔をまともに見れない、あたし。

だけど千歳はあたしをじぃっと見ているだろう。

あたしの顔を見て、楽しんでいるだろう。


屈辱?



そんなの感じないよ。

千歳なんだから。

あたしで千歳が喜んでくれるんだもの。

嗚呼、喜ばしい事だよ。





「ね、早く」

俺もはやく気持ちよくなりてぇんだよ、といわんばかりの表情であたしを見ている。


押し倒したのはいいが、自分でモノを侵入させるなんてとても恥ずかしい。


――千歳の声で、そう我に返った。

そんな戸惑いに気付いたのか、千歳は早く早く、と急かす。


あたしは四つんばいになった。

膝と膝の間に、千歳のおなか辺りを挟んでいる状態。






そこからゆっくり、ゆっくりと腰を下ろしていく。



初めての体験に、戸惑いを持ちながら。

81 :ゅぃ:05/05(土) 17:18:12 HOST:p2003-ipbf706sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp
めっちゃィィです★

82 :沙夜:05/05(土) 19:59:05 HOST:softbank219010217062.bbtec.net
もうヤバイです(><)/
あげぇ↑↑

83 :ユウコ:05/06(日) 19:34:19 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
あげとくね(*o´∀`)o

84 :高坂 陽 (hryAljSVe.):05/14(月) 21:17:42 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
もう直ぐ更新しますので
まっててください;

85 :沙夜:05/15(火) 20:10:10 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
いつでもいいです!!!
頑張って下さい!!!!

86 :高坂 陽 (hryAljSVe.):05/16(水) 18:26:12 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ゅぃさん___
あげ、すごく嬉しいです!
そのあげのパワーを更新に生かせたらいいなと思います。
ありがとうございました。

沙夜さん___
や、やばいですか…そんなそんな…
そんなこと言ってくださる沙夜さんが
もうやばいーですよぅ
気長にまってもらえて嬉しいです。
ありがとうございました。

ユウコさん___
毎度毎度…とても励みになっています。
ってか更新遅すぎですよね;
どうにか頑張ります…!
ありがとうございました。


__更新___



「んんっ……ぁっ」

大きくて熱いモノを、ゆっくりの飲み込んでゆく。


一気におろしてしまったら、簡単にイってしまいそうだ。

千歳の腕を両手で挟んだ状態。

シーツはあたしの手で、くしゃくしゃにしがみ付かれてる。

そんな感覚、自分ではないのだけれど。


まあ、それほどの快感、という事。


あたしの秘部から、千歳の体の上へといやらしい液が滴る。

ぐぐぐっ、と腰を下ろす。





全てを飲み込んだ時、お互いの口から甘い声が同時にあがる。


「んっはぁぁっ……!」

「ぅ…ぁああっ……!」


声はお互いの体を撫ぜるように消えてゆく。



「動い、てっ……」

快感に酔いしれたかのように、千歳は強請る。

その言葉にあたしは従い、ゆっくりと腰を動かす。


大きくて熱いモノがあたしの液で艶を持つ。

なんていやらしい。



ただただ、快感を求めた。

お互いを求め合った。


求め合った?

あたしが一番欲しいのは愛だよ。

千歳が今欲しいのは、愛?それとも快感?

愛だとしてもあたしのじゃないんでしょう。



従うあたしは、ただの空しい奴?



87 :ユウコ:05/16(水) 19:25:58 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
はい更新キタキタキタ(*圉o∀O艸*)☆*゜
ありがとう('∀`●)

88 :高坂 陽 (hryAljSVe.):05/17(木) 19:21:59 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ユウコさん___
はーい、更新キタキタなんですよ!
んで少ないけど、珍しく連続更新ですよ!
ありがとう、だなんて…!
こちらがありがとう、なのですよ!
毎日更新、を目指して頑張ってゆきたいと思います!
ありがとうございました。

89 :高坂 陽 (hryAljSVe.):05/17(木) 19:22:17 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
――そんな考え、いつの間にか消え去っていた。


初めての体験、あまりの快感。

恥ずかしい、だけど気持ちいい。

嗚呼、恥ずかしい事って気持ちいいのね。



「あぁぁっ…! あんっ、ぁん…ぁあああっ……」

腰が動くたび、あたしの喘ぎ声は大きくなる。

大きくなり、激しくなる。

上に乗って動く事は初めてなのに、以外に出来ちゃうあたしは何か嫌だな。



「ねっ……れぃっ…! ぁあも、イき…そ、イく…」

動くあたしを抱きかかえ、自分のモノをなかから引き抜き絶頂を迎えた。

コンドームの下から、白い液がいやらしく流れる。

目を閉じ、とてもエッチな顔をしている千歳をあたしは横になり見つめていた。

今日の千歳は何だかイくのが早かった。


コンドームをはずし、処理を終えた千歳はパタリと倒れこんだ。

今日の絶頂合計、三回。

そしてあたしを探すのに、疲れたんだね。

ごめんね、きつかったんだよね。

わがままは言わないよ。





――ひとりでぼーっとそんな事を考えていると、いつの間にか小さな寝息が聞こえ出した。




結局、あたしはイけなかった。

すごくうずうずする。

だけど今日は十分。

イけないのが、あたしへの罰なんだ。

愛しい人をこんなにも疲れさせてしまった、罰なんだ。

今まで一日にもっともっと、求め合ったことはある。

三回の絶頂なんかじゃ、全然千歳はバテない。

そんな千歳が今、こんなにも。


そおっと、除けられていた布団をかけてあげる。

寝始めたばかりの、小さな寝息を消さないように。


あたしの顔は、ニヤけている。

すごく最低な奴だけど、疲れた千歳を見るのが何だか嬉しい。

だって、そんなに疲れる程探してくれたんだ。

そう思うと、嬉しがらずにはいられない。

疲れている千歳を喜んでごめん。

だけどあたしにとっては、それがものすごくものすごく、



愛しく感じるんだよ――。



90 :ユウコ:05/20(日) 23:25:20 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
ゃらしく切ない……●゜U`●最高ゥ……

91 ::05/25(金) 22:53:32 HOST:fju0371.fjubr1.thn.ne.jp
ずっとファンでした!!
アゲですb(%*'v`$)d☆

92 :ぐるみん:05/26(土) 13:03:24 HOST:zaqdb7370de.zaq.ne.jp
何回読んでもやっぱ 泣けちゃいます。。

感動ものです・・。

これからもがんばってくださいね♪

93 :らさな:05/27(日) 06:46:03 HOST:softbank219047084144.bbtec.net
はじめまして、
きっきによんでしまいました!
千歳くん最高です


94 ::05/27(日) 07:25:00 HOST:07052500734242_vw.ezweb.ne.jp
頑張って下さい!
あげ

95 :高坂 陽 (hryAljSVe.):05/29(火) 19:35:01 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ぎゃああー
更新放置状態ですね;
本当ごめんなさい;
六月一日のテストが終わったら
高坂 陽は戻ってきます!
コメントありがとうございます!!

本当ごめんなさい;
まっててください;;

96 : :05/30(水) 14:56:20 HOST:221x246x128x61.ap221.ftth.ucom.ne.jp
 

97 ::06/02(土) 10:18:59 HOST:07012350486729_mf.ezweb.ne.jp
あげ〜
テスト頑張って下さい
(′・ω・`)+゚

98 :高坂 陽 (hryAljSVe.):06/03(日) 19:40:24 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ユウコさん___
やらしいですかあvvえっ…^^;
喜んでいただけているなら幸いです。
応援、いつもいつもありがたいです。
いつになったら返せるのやら…
忙しくても、更新を日常茶飯事に出来るよう頑張りますね!ありがとうございました。

綾さん___
ずっとファン……ってぇぇ!!!
すっごくすっごく嬉しいです
そんな事言ってくださるなんて…
本当、すッごく嬉しいですよお。
裏切らないように、頑張っていきますね!
ありがとうございました。

ぐるみんさん___
こんなヘボ小説で涙を流して
下さるなんて…!!すっごく嬉しいです。
自分にそんな事言ってくださる人が居る事が
ものすごく嬉しいです。頑張りますね。
ありがとうございました。

らさなさん___
はじめまして。
読んでくださって、光栄です。
千歳くん最高ですかw自分のかいたものが
そんな風に言われる事ってすッごく嬉しいです。
ありがとうございました。

秋さん___
読んでくださって、嬉しいです。
応援もとても励みになります。
頑張っていきますよお!
ありがとうございました。

ぷさん___
わわっ!テストにまで応援ありがとうございます!
あげ、とてもとても嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございました。


_更新___




あたしにも、段々と睡魔が襲ってきた。

お風呂に入りたいな、と思いながら脱いだ洋服をまた着始める。



ふと、時計を見ると九時をまわっていた。

あたしは音をたてないように、そおっと部屋を出た。




何度か使ったことのある台所。

起きた時のために何か作ってあげようと、冷蔵庫を開いた。

いつも千歳は、おいしいといってくれる。

あたしの作ったご飯を。

きっとお腹もすいているだろう。

目が覚めた時に、食べるものがあったら喜んでくれるよね。

勝手に使ってしまうのにも抵抗があったけど、きっと怒らないだろうと思い、取り掛かった――。






もしこの先結婚したら、あたしがご飯作るのが当たり前になるんだ。

何て、あたしの妄想?

結婚、出来ないかな。

あたしの気持ちだけじゃ出来ないよね。


でも、本当の本当に一生好きでいる自信がある。

一生、離れない。

一生、傍にいる。



あたしには出来るよ、絶対。

千歳は?

あたしの事、本気で好き?

千歳の描いてる未来に、あたしはいる?

あたしじゃないなら、誰なのかな。

もう一人の“玲さん”なのかな。




考え出したら、キリが無いよ――。




作り終えたご飯にラップをかけて、テーブルへと移す。

このまま帰ろうかな、と思っているときに足音が聞こえ始めた。

99 ::06/08(金) 17:04:09 HOST:07012350486729_mf.ezweb.ne.jp
テストお疲れ様です+゚
実は私も今日からテストですー^^死

あげ☆

100 :ユウコ:06/08(金) 19:44:52 HOST:05004030961872_vv.ezweb.ne.jp
そして100ゲット⌒笑
見てるカらねd・∀・b

101 :ゆぅ:06/11(月) 18:32:03 HOST:malachite.aitai.ne.jp
あげ

102 :高坂 陽 (hryAljSVe.):06/13(水) 18:46:58 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ぷさん___
お疲れ様、の言葉嬉しいです。
なんだかその言葉好きです。
ぷさんも、テストお疲れ様です。
応援も、とても嬉しいです。
ありがとうございました。

ユウコさん___
100突破しましたv
皆さんのおかげですよね。
前のスレでは結構行ってたんですけどね。
見てくださって、すごくすごく嬉しいです。
ありがとうございました。

ゆぅさん___
応援、ありがとうございます。
応援、というかえげですね;
頑張りますねー
ありがとうございました。


__更新___




「ねえ」


シンとした部屋に、冷たいような、悲しいような声が響いた。

感情はか細いようだけど、声には強い気持ちがあって太い。

顔をよくみると、今にも泣き出しそうだ。


壊れてしまいそうなほどに。

全てを聞き、そしたら千歳はこんな風に壊れそうな顔をするのかな。



「ど、どうした、の?」

泣き出しそうで綺麗な顔を見ていられなくて、あたしは視線を逸らす。

だって、泣きそうな顔してるけど怖かった。





「あのさ、俺が起きた時……。おまえが傍に居ないと、すんげえ困るんだけど」


その台詞をどんな顔して言ったかは、分からない。

だけど予想はつく。

きっと頬を赤らめて、いじけた顔をしているんだろう。

それを頭の中に描くと、あたしは微笑んだ。

千歳の傍に行き、あたしより背の高い千歳を見上げる。




「ごめんね? 起きてからお腹すいてるかもしれなかったから、ご飯作ってた。勝手に使っちゃった。それもごめん」

お腹辺りから背中に腕を回して、ゆっくりと体を委ねた。

ゆっくりと寄りかかられた千歳は、少しも動かない。

そういうところ、やっぱり男の子なんだな、って思う。


千歳の腕も、ゆっくりあたしを抱き締める。

ついさっき、体を重ねたばかりなのに。

昼にも、体を重ねたのに。

あたしの心臓は少しだけ、鼓動をはやめる。


あたし、千歳に飽きる事なんて絶対無いよ。




「でもさ、この前も勝手に帰ってたし……。お願いだからさ、黙って消えるなよ……」

あたしの肩を左手で強く、腰の辺りを右手で強く。

とても、力強く。

こんなに抱き締められたら、自分が壊れてしまうんじゃないかって程に。


その言葉に、どんな深みがあるのかは分からない。

だけどあたしの直感で辿り着いたのは、もう一人の玲さんだろうな、って考え。

それは口にせずに、千歳の暖かい体温をゆっくりと感じた。


103 :らさな:06/16(土) 14:42:55 HOST:softbank219047084144.bbtec.net
かっこいいです!!
千歳くんのような彼氏がほしいです!

104 :高坂 陽 (hryAljSVe.):06/17(日) 19:03:06 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
らさなさん___
かっこいいですか!
千歳くんのような彼氏だったら……
苦労しちゃいますよ 笑
感想、嬉しいです。
ありがとうございました。


__更新__




「千歳、苦しいよ……」

そう言いながらも、千歳の強さに答えるかのようにあたしの力も強くなる。

周りの物音は、一切しない。

あたしに聞こえるのは、心臓の音だけ。

千歳、あたしの心臓の音聞こえてますか。

こんなにもどきどきしているんだよ。


ねえ、気付いて――。















あれからは、特に何もなく普通の日々を過ごしていた。

普通に顔を合わせて、普通に喋って、普通にメールして、普通に手を繋いで、普通に抱き合って、普通にキスをして、普通に恋人同士でいた。

この普通ですらも、あたしにとってはかなり幸せで。


千歳との愛ある行為。

あたしはそれがとても好きでたまらない。

変態な意味ではなくて、繋がれる事が幸せなんだ。

深い深いキスも好きだけど、軽くちゅっとするキスも好き。

千歳の一つひとつの仕草なんかを、愛しく思いながら普通に過ごしていた。


もうすぐ、付き合い始めて一年になる――。


その日丁度学校が休みで、朝から千歳と一緒に居る予定。

なにをしようかな、って何だか顔の全てが緩みがち。



『今度の日曜日で、付き合い始めて一年になるよ。その日は……一日中一緒に居ない?』

もちろん、あたしから言い出した。

それを喜ぶでもなく、面倒くさがるでもなく、いつものように千歳は「いいよ」と言った。

もっと喜んでくれると思っていた。

そんな期待してたから、何だか余計に悲しかった。

だけどそんな事言ってもいられない。

大切な大切な、一年記念日。

あたしにとっては、なんだけど。

土曜の夜に千歳の家に泊まり、日曜日の朝から出かける事。

まだ場所も決まっていないけれど、すっごく楽しみ。

一年、たった一年、って千歳は思うかもしれない。


だけど、一年って結構長くて……すごくすごく宝物なんだ。

105 :mairi-:06/18(月) 20:50:54 HOST:ZC079197.ppp.dion.ne.jp
すごい面白い!本にして!っって感じ!
続き読みたい^0^

106 ::06/19(火) 18:21:03 HOST:KHP059141006231.ppp-bb.dion.ne.jp
スゴイェェナ!!続き読みたい

107 :あこ:06/21(木) 17:22:10 HOST:ZB005152.ppp.dion.ne.jp
きませんねぇー0−:

108 :高坂 陽 (hryAljSVe.):06/21(木) 19:00:28 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
mairi-さん___
そ、そんなに面白いですか!?
本にして、だなんて…
その感想とても嬉しいです。そんなに期待
してくれている人が居るのに
あたし更新遅いですね;
頑張ります、ありがとうございました。

秋さん___
そんなそんな…!もう嬉しすぎです><
最近前よりは少しずつペースが上がって
いってるので、もっと早くしたいです!
そのためには頑張りますね!
ありがとうございました。

あこさん___
来ましたッ!なんだか待ってて下さったようで…
って勘違いもいいところですね;
でもコメントすごく励みになります。
なるべく、更新ペース上げていきます!
ありがとうございました。



__更新__




土曜日まであと一日、という時に千歳は言った。

学校帰りの電車の中で、あたしの手を握ったままで。

「ちょっと電車で行くのも遠いけど、海行かない?」






外はもう、かなり暗くて冬だという事を改めて実感した。

ドア側に立っている所為で、流れる風景は所々明かりがついてる。

その流れていく風景を、見てるのか分からないけどぼんやりと見つめていた。

あたし達には、丁度会話もきりのいいところで終わっていて、沈黙が訪れていた。

――そんな時に千歳は言ったんだ。


千歳は少しだけ顔を赤らめて、海へ行こうと提案してくれた。

何処に行くかまだ自分でも決めていなかったから、千歳から言ってくれたのが嬉しかった。

あたしはきっと、一瞬にして顔がとびきりの笑顔になっただろう。

周りの乗客の人がもし、あたしを見ていたならばあたしの喜びは伝わるだろう。


「うんっ! 遠くっても、どこでもいいよ。時間はあるだろうし。楽しみだね」

何故海に行こうと言ったのかは、分からない。

理由があるようで、ないようで。

だけどそんな一つひとつを深く考えてたって、解決できない悩みが増えるだけだ。

ただでさえ、気になることは沢山あるのだから、あまり考えないで居よう。


「寒いだろうから、ちゃんと着る物持ってこいよな」

言い方は冷たいけれど、命令形だけど、なんだか途轍もなく愛しさを感じるよ。

だって、心配してくれているんでしょう?

あたしの事、心配してくれるなんて。

千歳の中に、少しはあたしも居るんだなって思えたんだ。


「特にお前、風邪引きやすいだろ」

マフラーに口をうずめ、鼻を少しだけ啜る。







――些細な事を、覚えていてくれた。

去年の冬、今年の今までの冬。



何度風邪を引いただろう。

冬の事だけなのに、千歳は覚えていてくれたんだね。

ねえ、あたしの事もしかして本気になってる?

最初から本気?

ただ、恥ずかしいだけなのかな。

なんて、いい方向に考えた後、悪いことが待ち受けてると嫌だからその辺でやめた。





だから小さく呟く。

「覚えてくれててありがと……」

「ん? 何?」

「ううん、何にも無いよ」

小さく呟いた言葉は、電車の音に消されていった。

109 :mairi-:06/22(金) 18:50:46 HOST:ZB005152.ppp.dion.ne.jp
千歳ヤサシー^0^あと、あことmairi-は同一人物です!
これからはmairi-で行きます!やっぱ高坂 陽さんウマイ!

110 :高坂 陽 (hryAljSVe.):06/23(土) 08:40:08 HOST:pl368.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
さん___
優しいですかね、千歳君。
どうなんでしょおー…
でもそういう感想ってすごく嬉しいです。
自分の作ったキャラ(?)なので^^
同一人物さんですね、分かりました。
ありがとうございました。



__更新___




空が青い。

冬にしては珍しいように空は晴れている。

だけど風は冷たいから、迂闊にぼやぼやしてられない。


空の綺麗さは、あたし達の記念日を祝うかのように綺麗だ。

空がこんなだから、あたしの気分も自然とよくなる。

だって何だか嬉しいじゃない。


――朝早くから千歳の家を出てきた。

昨日の夜はお互い寄り添って、温もりを感じながら眠りについた。

千歳はあたしを抱き締めてくれた。


胸がきゅうっと締め付けられているのが、自分でも直ぐに分かった。

だって、凄く愛しかった。

その時肌で感じた温もりは、確かなものであり、あたしに注がれている温もりなんだろうから。

すごくすごく温かかった。

千歳の匂いを感じながら、段々眠りに誘われていった――。



にやけながら、昨日の事を思い返す。

手袋を忘れたので、ポケットに入れながらふらふらと歩いていたから転びそうになった。



「何そんなニヤニヤしてんの……。こけるなよ」

あたしより後ろを歩いていた千歳は呆れた様子で物を言う。


駅まで歩いていく道のりでさえも、千歳とだったら愛しく感じてしまう。

いつもいつも、ニヤニヤしていたいくらい全てが嬉しいよ。


呆れた様子の千歳に「はあい」と呟いて、愛しい背中の傍に近寄った。

ずるいけど、風除け。

こんな事出来るのって彼女の特権でしょ?

あたしには特権が沢山あるんだから使わないと勿体無い。

冷たい風の中でも空は晴れて、あたしの心も晴れて。




楽しい一日が始まりそうだよ。

111 :くう:06/23(土) 17:11:45 HOST:i58-94-130-197.s10.a034.ap.plala.or.jp
ずっと隠れファンでした
こえからも頑張ってくださいネ
あげあげぇ

112 :mairi-:06/23(土) 18:36:17 HOST:X009233.ppp.dion.ne.jp
そんな彼氏ほしいわぁ〜☆ガンバ〜!!

113 :mairi-:06/24(日) 10:40:12 HOST:X009233.ppp.dion.ne.jp
続き早く読みたいです!ガンバ〜☆

114 :mairi-:06/25(月) 16:14:54 HOST:X186134.ppp.dion.ne.jp
もしかして試験中?

115 :高坂 陽 (hryAljSVe.):06/25(月) 16:28:12 HOST:pl332.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
今日から試験中で
更新できませんでした;ごめんなさい。
終わってからしますね。

116 :mairi-:06/25(月) 16:44:26 HOST:X186134.ppp.dion.ne.jp
はい!まッテマス!

117 ::06/28(木) 21:03:51 HOST:softbank221029168041.bbtec.net

お久しぶりです^^
文章が・・・素敵です!!
切なさすぎますっ
玲ちゃんも千歳←も
どちらも何か、こう・・・
もう!とにかく切なさすぎるんです! 何
はい。毎度意味不明な感じで失礼します;
頑張ってくださいね!!

HPの方はもうやっていないんですか?


118 :高坂 陽 (hryAljSVe.):06/29(金) 22:02:46 HOST:pl332.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
さん___
やあっと帰ってきました…
水曜日で終わってはいたのですが
疲れがたまっててバタンキューでしたよ 笑
期末も終わって少しゆとりがあるので
なるべく更新していきますね★
ありがとうございました。

Tさん___
お久しぶりです!
あたしもちょっと見に行きます!
って…そんな褒めないでくださいよお
舞い上がっちゃうじゃないですかあ…笑
意味不明なんかじゃないです!
すごくすごく励みになります!
とてもとても嬉しいです!
それで…HPというかブログだったんですよ〜
イラストとか短編小説載せたり…
でもあんまりかけないこととかが多かったので
やめちゃったんです;

では、ありがとうございました。

__更新__




電車に揺られながらも、きっとあたしのニヤケは止まっていなかっただろう。

どうしても、一年記念日が嬉しすぎで嬉しすぎで。

今までに遠出した事もそんなに無かった。

朝が早かったから、一日は長く感じるよね。

でも千歳は嬉しそうな素振りを見せるでもなく、いつもと変わらない。

小さく、欠伸をした。

電車の窓から差し込む眩い光に、目を細めながら。







そんな千歳を隣で感じてた――。







あたしの意識は、千歳が欠伸をしていた所まで。

気付いた時にはもう、降りる駅の一駅前だった。

「おい、起きろよ。もう着くから」


暗い闇から、その言葉で一気に光の世界へと導かれた。

不思議と目覚めは良かった。


「……あっ! ごめん、千歳……」

あたしは慌てて起きて、寄りかかっていた千歳の肩をパシパシと掃った。

「ああ、別にいいよ。朝早かったしな」

少しだけ、ほんの少しだけ口元を緩めながら千歳は言った。




ねえ、抱き締めてもいいですか?

キスしてもいいですか?

愛を叫んでもいいですか?

すごくすごく愛おしいです。


その表情、あたしの心を赤色で埋め尽くしてくれます。

反則だよ、そんな顔。

そんなさり気ない微笑み、ずるいよ。

あたしをこんなに嬉しくさせる。

あたしをこんなに切なくさせる。




その笑顔を、一生見続けていたいと。





「うわあ……さむっ……」

海はかなり風が吹いていた。

とても冷たくて、結構着込んでいるのだけれど意味が無いように冷たい。

何もつけていない肌があまりの寒さに赤くなっているだろう。



手をなるべく袖の中に引っ込めて、千歳より後ろを歩いていた。

下を向いて、砂にブーツが軽く埋まるのを見ながら歩いた。

あたしの手に温もりを感じたのは、それから少し後のこと。

119 :高坂 陽 (hryAljSVe.):07/06(金) 19:41:30 HOST:pl332.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp


海に着いて、何をするでもなくただただぼうっと座っていた。

波が来ない所の砂浜に、手に感じた温もりを握ったままで。

体を寄り添わせ、寒さを二人で分かち合う。

そんな気がした。

付き合い始めてから伸ばしているあたしの長い髪が、時々風に靡いて千歳の頬をくすぐる。

でもそれを嫌がるでもなく、ただただ海を見つめていた。

風に靡いた髪が頬に触れるほど、今のあたし達の距離は近いんだ。

その幸せを微笑みに変えながら、同じように海を見つめた。

空が晴れているから、海が綺麗な色。

すごくすごく、綺麗に感じる。

手ですくってみると透明なのに、何で見えるのはブルーなのかなと考えたことがある。

それは途轍もなく簡単なことだった。

空の色、なんだって。

教えてくれた千歳は、あたしを少し馬鹿にした。


『今時誰でも知ってるだろ』

それにムッとすることもなく、ああそうなんだと素直に納得できた。


千歳に教えられた事、沢山あるよ。

いろんな想い出を頭の中にリピートしながら、目だけは海を見つめていた。




座ってから一時して、千歳が最初に口を開いた。

「何で今日海に来たか、聞かないの?」

問いかけながらも、あたしを見るでもなく目線は海。

もしかしたら、違う事を頭の中で描いているのかもしれないけれど。


あたしこそ、そんな事聞くのがなぜか分からなかった。


「え? 別に。誘ってくれて嬉しかったよ?」

疑問なんかないように振舞った。

だって、誘ってくれたんだから。

「そ」

あっさりと言い放たれた言葉は、波の音に消された。

120 :mairi-:07/08(日) 15:16:44 HOST:X073160.ppp.dion.ne.jp
あぁ!!!!!新しく書かれてる!!
お帰り〜^0^これからもガンバ!

121 :mairi-:07/11(水) 15:40:22 HOST:X186093.ppp.dion.ne.jp
まだかな〜^0^

122 :mairi-:07/14(土) 15:22:33 HOST:X183054.ppp.dion.ne.jp
もう書いてくれないの??
あせってゴメン・・・
待ってるからね!!!

123 :沙夜:07/14(土) 20:28:12 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
やっぱりコレ泣けるわぁ!!!
すごい面白いです!!更新まち!!!!

124 :高坂 陽 (hryAljSVe.):07/19(木) 19:32:10 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
mairi-さん__
三回もコメントありがとうございます!
何だかとても放置的な心配をかけてしまったようですね…
でも絶対に放置はしません!信じてください!
完結できるよう、必死に頑張ります。
応援いつも、励みになっています。
ありがとうございました。

沙夜さん___
泣けますか…!?わあお!
そんな事言っていただけるなんて…
あたしなんかの小説で…
もおう、あたしのほうが泣けちゃいますよ!!!
いつもコメント嬉しいです。
ありがとうございました。



__更新___



耳に入るのは、波の音だけ。

こんな寒い日に誰も海なんか来ないのだろう。

ただひたすら波だけが、淋しそうに音を奏でる。

今になって緊張してきて、上手く話せなかった。

隣に千歳が居るってだけで、心がきゅうっと縮こまる気がした。

千歳はあれから何も、一言も喋らない。

勘違いかもしれないけれど、今日千歳はわけがあって海へつれてきたのだと思う。

わけもなく海へは連れて来ないだろう。

だけどそのわけを聞くのが何だか怖くて、結局心の中でもやもやするだけ。

何て臆病者なんだろう。

傷つくのを恐れて、何にもいえなくて我慢して。

我慢してても辛いのに、聞く勇気が出ないのだろう。



あたしが心の中でこんな事考えているなんて、隣にいる人は全然気付いていないんだよね。


どれくらい時間が経っただろう。

段々と太陽が上に来ているのは分かる。

なのに寒い。

太陽なんか意味もない程に寒い。


あたしは膝を抱えて、顔を埋めた。

今日は、嫌な予感がする。


何のために今日来たの?

切なそうに見つめる海に、意味はあるの?

海だけじゃない、切ない瞳は何の意味があるの?

お願い、何か教えてよ。

何か話をしてよ。











「……千歳?」



背後から、女の人の声がした。

ソプラノの綺麗な声で、透き通った感じだ。

あたしはその声に、反応したけれど振り向くことは出来なかった。

声の主が何だか怖かった。


見てしまうのが怖かった。



振り向く千歳を感じた。

「やっぱり千歳だ。後姿で分かったよ。偶然だね」

喋らないでよ。

今までに無いくらい、胸が苦しい。

段々と早くなる心臓を洋服の上から押さえつけ、ゆっくりと唾を飲む。

涙が出そうになるのを必死でこらえた。



「お、おう……」

あたしが居るからなのか、千歳は何だか口だけでもごもご喋る。

「ちょ、ごめん。少しだけ待ってて」

そう言いながら素早く腰をあげ、あたしの返事を聞くまでも無く姿を消した。

「え、いいの……?」

ソプラノの彼女は、あたしを気にした風に焦りながら言った。

少しだけ、振り向いてみた。

千歳がソプラノの彼女の腕を掴んで、どこかへ連れて行っていた。

冷たい風にのったソプラノは、とても綺麗だった。

綺麗過ぎるほどに綺麗だった。

何も喋ることなく、ただひたすら黙っていた。

何も言葉を発せなかった。



きっと、もう一人の“玲”さんなんでしょ。

125 ::07/20(金) 08:11:31 HOST:ser359497000828629
自分のことと重なって泣けます(;_;)


126 :高坂 陽 (hryAljSVe.):07/20(金) 18:29:40 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ェさん___
共感していただける小説を
かけているなんてとても嬉しいです。
こおんな小説で涙を流してくださるなんて…
もうとってもとっても励みになります!
ありがとうございました。



__更新__



何でなのかな、こんなにも想っているのに。

千歳はあたしの想いじゃ満足できないのかな。

恋人なのに、片想いしてるみたいだよ。

誰よりも近くに居るのに、もう一人の玲さんには勝てない気がする。

何でなのかな。

何でこんなにも、あたしばっかり。

あたしばっかり想ってて、あたしばっかり傷ついて、あたしばっかり喜んで、あたしばっかり、泣いている。

何であたしばっかり――。

千歳が居ないと、あたし生きてゆけないよ。

ねえお願い、一生傍にいてよ。

千歳が居れば、他の誰も要らない。

千歳さえいればあたしは幸せなんだ。

千歳があたしの前から消えるなら、死んだ方がいいよ、消え去った方がいいよ。

ねえ信じさせて、千歳を。

あたし本当は疑いたくなんか無いんだ。

いつもいつも、いつだって好きな人を信じて居たいんだ。

だけど不安になるんだ、愛が足りないから。

わがままだけど、千歳の今の愛だけじゃあたし満足できない。

もっともっと欲しい、千歳の愛が、声が、愛撫が、全てが。

欲張りだって想うかもしれないけれど、反対にそう思うほど好きなんだ。

それを千歳は分かってくれるかな。

あたしの事好きになってくれるかな、一人の園田玲として見てくれるかな。

いつになったらこれが本当になるのかな。

悲しい涙なんて、不安な涙なんて、流さなくていいようになるのかな。






――そんな日来るのかな。

段々と、涙が目に滲んできた。

もう止まりそうになかった。

このまま永遠に流れてしまうのではないかと、ふと思った。

そして、あたしは千歳に好きになってもらえないんじゃないかとも思った。

いい考えなんて出てこない。


こんな寒い海に、ただ一人あたしは顔を膝に埋めたまま泣いた。


声を出さずに泣いた。

いつの間にか波の音さえも聞こえないように自分の世界に入っていた。

周りの人の気配も感じられない。

車の通る音さえも聞こえない。


たまに遠くを走るバイクの音が聞こえるくらいだ。

なんて静かなところなんだろう。

こんなところで一人にしないでよ。


怖いよ。

寂しいよ。

海はこんなにも青くて綺麗で、だけどあたしの心は真っ黒。

光さす場所が見つからない。

真っ暗な闇の中を、必死に駆け回っている、探し回っている。


でも、答えが、ゴールが、見つからないよ。

127 :沙夜:07/22(日) 20:54:08 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
本当に泣ける。
というか、怜の気持がもろに入ってきて泣けます!!!!
塚馬路でせつなすぎるゥ。。。
応援してます!!!!
頑張って下さい!!

128 ::07/26(木) 20:55:35 HOST:07012350486729_mf.ezweb.ne.jp
あげっ(・u・)

129 ::07/31(火) 22:15:33 HOST:07012350486729_mf.ezweb.ne.jp
下がってる!
あげ(´V`)


130 ::08/03(金) 13:14:31 HOST:07022400512734_vx.ezweb.ne.jp
あげ☆

131 :高坂 陽 (hryAljSVe.):08/03(金) 17:30:51 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
な、なんという放置期間…
眼精疲労になっていたため、親に止められていました…
でもでもやっと今日、思い切ってすることにしました!


沙夜さん___
そんなに感じ取ってくださって
本当に本当に光栄です…
切なすぎるだなんてっ…!本気であたしが
泣いちゃいそうですよ…!本当に嬉しいです!
ありがとうございました。

ふさん___
2回もありがとうございます!
放置期間中、救われました! 笑
あげがとても励みになります!
ありがとうございました。

愛さん___
あげ、とても嬉しいです。
励みになります。
ありがとうございました。



更新__________






千歳が、千歳が。

千歳が――。

























あたしは何となく、歩いていた。

何処へ向かっているか分からない。

無意識に体がふらふらと動いているような感じ。

あても無く、ただひたすらに何かを探すように。

何かを探してる。


――何を?



そんなの決まってるじゃない

千歳しか居ないよ?



――何の為に?


好きな人を探す理由なんて無いでしょ。

千歳に会いたいんだもん。





ブーツのヒールの音が、嫌に響く。

響く、というより耳に残る。

何かのカウントダウンのような、とてもとても嫌な予感がよぎってくる。

嫌な予感はするのだけれど、体は千歳を探してる。

違う。

動くのはきっと、本心だよね。

心のどこかで「それでも」って気持ちがあるから、探すのをやめられないんだよね。





千歳。

千歳。

あたしは何度でも呼ぶよ、名前を、千歳を。

あたしは何時までも想うよ、千歳を。





あたしの想いは本物で、一生で、永遠なんだよ――。



























「千歳はもう……あたしの事好きじゃないの? あたしより、あの子の事が好きなの……?」



132 :高坂 陽 (hryAljSVe.):08/03(金) 20:20:02 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

耳に残る、嫌な声。

分かるよこの声。

さっきも聞いたから良く覚えてる。

あたしは全然、何も知らないもう一人の玲さん――。



あたしが行き着いたのは、あたしが居た海の場所からじゃ見えない場所のバス停。

二人はベンチに座って小さな声で話してた。

その二人を、少し離れた壊れかけの小さな小屋からあたしは見ていた。

あの雰囲気の中に、入るにも入れないよ。

涙が出そうになるのを、ぐっと、いつもよりぐっとこらえて待った。

千歳があたしのところに来てくれることを。


ねえ、寒いよ。

体が寒いし、何より心が寒い。

氷に包まれているように寒いよ。


この寒さはね、千歳じゃなきゃ温められないんだよ?

この氷は、千歳じゃなきゃだめなんだよ?

千歳はどうしてそれを分かってくれないの。

あたしの愛、分からない?

あたしがこんなにも想っている事、分からない?

ねえ、寒いよ。

手を握ってよ。

指を絡めて握る、「恋人つなぎ」ってのを。

抱き締めてよ。

力強く、あたしを独占するように。

甘いキスをしてよ。

どんなキスでもいい

愛が感じられるなら。

温もりを感じ取れるなら。


一人で願って、あたし寂しい人みたいじゃない。

彼女なのに彼女じゃないような、こんな惨めな気分いい加減終わらせたいよ。

千歳が、あたしの一生の恋愛物語を始めて、それと同時に悲恋物語も始めたんだよ。

恋愛物語は終わらせなくてもいいから、悲恋物語をどうか終わりにして。

あたしだけに、あたしだけに愛を頂戴。

あたしの、一生物の恋愛、本物にして。





これだけは、千歳にしか出来ないことなんだよ――。

133 :沙夜:08/03(金) 22:41:58 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
毎回毎回。。。
いい作品を読ませていただいてアリガトウございます。
毎度、読むたびに泣いています((汗
主さんは心理描写がうますぎです。。。
本当いつも応援しております!!
頑張って下さい^^

134 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):08/05(日) 02:02:50 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
沙夜さん___
いい作品だなんてっ……!
とんでもないですよぅ!
本当、こちらこそ毎回毎回心にしみる
応援の言葉嬉しいです。
うますぎだなんてもう…!
あたしにとっては100億光年かけ離れた
ことばですよっっ!!!でもでも…
すっごく励みになります。ラストに向けて
頑張ります。ありがとうございました。


更新___

結局、涙はこらえきれなくてしゃがみこんで泣いた。

「泣いた」というよりも、「涙を流した」の方が適切かもしれない。

あたしは表情を変えることなく、ただ呆然としていたから。

眉間にしわを寄せるでもなく、唇を噛み締めるでもなく、ただただ呆然とどこかを見つめながら涙を流した。

もう、あたしのこと何か必要ないのだろうか。

そう思い始めると、一気に胸が苦しくなった。

あたし、千歳が居ないと死んでもいいよってぐらい、好きなんだよ。

でもね、もし今――。

あたしの事捨てて、玲さんの方に行ったとしたら……死 ねるかな?

人って案外弱い生き物でしょう?

きっとそんな簡単には死 ねないでしょう?

特にあたしは弱虫で、意気地なしの小心者だから。

でもね、「死 ねる」って覚悟を怖くても思えるほど好きなんだ。

好きで好きで、仕方ないんだ。

どうしてそれを分かってくれないのかな。

足りないのかな、こんなんじゃ全然。

もっともっと、千歳とっては欲しいものなのかな、あたしの愛。


溺れてしまったんだよ、千歳に、君に――。





「じゃあ……キスして。あたしはまだっ……千歳のことが好きなの! 本当は、本当は別れたくなんかなかったっっっ!」

その声が聞こえた途端に小さな白い、ふわふわしたものが降ってきた。

あたしの手のひらに落ちるとすっと溶け、ふわふわのコートに落ちるとじんわりと溶ける。

地面には、溶けたのも分からないように溶ける。


それを雪だと認識できたのは、あたしの頬に落ちてきた時だ。

流れる涙の筋と、同じ場所に落ちて一緒に流れた。

雪が混じった涙が、口に入ってきてもいつもと変わりはなかった。

だけど何だか急に恐怖を覚えた。

雪があたしを本当に凍らせてしまいそうで、殺されてしまうんじゃないかって。

本当に怖くなった。

体中が震えて、かじかんだ手のひらがいっそうに震えて。



「うぅ……ぁっ……。ち、とせっ……ちとせっ……ちとせぇぇぇ……」

声に出しているのに、声になってないような。

雪とともに溶けていく、そんな感じ。







ふと、見てみたんだ、あの二人を。




135 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):08/05(日) 02:27:28 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp

一番、見たくなかった光景――。

あたしはその光景に、無意識に体が動いていた。

二人の前に行き、心の中のもやもやを吐き出した。


「どうして? どうしてなの? 何でっ……何でキスなんか……」

一文いちぶん言う度に、流れ落ちる涙が量を増す。

冷たさで赤くなった手で、涙をふき取るけれど意味はない。

「千歳は……あたしの恋人なのに。どうして? どうして恋人じゃないあなたが千歳にキスするの……」

喉が熱くなって、うまく声を出せなくなった。

だけどあたしはやめなかった。

今の姿がどんなに惨めでも、あたしは伝えることをやめなかった。


玲さんはあたしの突然の問いかけに戸惑っていたから、答えなかった。

千歳も、何も言わなかった。

まっすぐにあたしを見て、すごく泣きそうな顔をしていた。


「あなたも……千歳のこと好きなのかもしれない。すっごくすっごく、好きなのかもしれない。

だけどね、今はあたしが恋人なんだよ? 彼女なんだよ? どうしてそれを、邪魔するの……。

あたしは、千歳にセックスの時しか名前を呼んでもらえなくてもずっと思い続けてきた。

不自然な千歳の行動に、すべてを聞きたい衝動をずっと抑えて我慢してきた……」



涙で、二人の表情がうまく見えなくなった。

波の音すらも、耳に入らない。

海は結構、近くにあるのだけれどね。

寒いのなんてどうでもよくなって、今はただ心の痛みだけを感じた。


「今は、今はあたしなの……。お願いだから、邪魔しないで……。

っ……本当は何度も言いたかったっ! どうして名前を呼んでくれないの、と。

どうして時々、あたしと誰かを重ねるのって! でもあたしは……そんなことが理由で別れがくるのが嫌だった……。

全てを我慢してきたの……。聞きたかった……。電話から聞こえる、女の人の声は誰なの? って。

あたしの事、一番に思ってくれてる? って。あたしと、一生を、永遠を誓える? って……。

千歳の全てを、本当のことを……!本当は聞きたかった……っっっっ!」




そこまでいうと、足に力が入らなくなって地面に座り込んでしまった。

なんて惨めな姿なんだろう。

だけど二人は何も言わない。




「あたしは……それほど千歳が好きなの……。これほど想ってるの……。

お願い、千歳を取らないで……。千歳がいないとだめなの……。

お願いだから、お願いだから……千歳、あたしの事いい加減千歳の一番にしてよおっっっっ……!」







泣き崩れた。

嘆いたよ、自分の惨めさを泣き声にして。

何度も呼んだよ、千歳の名前。

どうして何も言ってくれないの?

そんなに泣きそうな顔をして、千歳は何を言いたいの。

ああ、あたしに別れを告げたいのか。

「ごめん、俺はやっぱりこいつがいい」って、そっちの玲さんを取るつもりなのか。


ああそうか、そうなんだ。

そっかそっか、分かったよ。





邪魔者は消えるよ。

ごめんね、こんな事言っちゃって。

二人にとっては、とてもとても迷惑なことだったね。

ごめんね、ごめんなさい。





でも千歳、忘れないで?


千歳のことを本気で想っている、あたしがいるって事を――。






ごめんね。

ごめんね。

好きになってしまってごめん。

溺れてしまってごめん。

諦めきれなくてごめん。

いい人になれなくてごめん。



本当に、ごめんなさい――。


136 :沙夜:08/05(日) 22:41:19 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
レイが本当に切ないです…。
千歳もお願いだからレイの方を選んであげて…。
小説なのになんか熱くなっちゃいますね^^;
私この小説大好きです!!!!
ピコ森のなかで一番好きデス!!!!
応援してます!!

137 ::08/06(月) 15:52:24 HOST:ser352898013157517
ぁげ(´・ω;`)

138 :未久:08/06(月) 15:56:15 HOST:bmdk2195.bmobile.ne.jp
あげぇぇ♂♂♂

139 :う-:08/06(月) 16:07:57 HOST:cwtl7sgts51.jp-t.ne.jp
あげ!この小説すごく好きです!!


140 :あみん:08/07(火) 01:56:50 HOST:05004031560656_ej.ezweb.ne.jp
あげですo(><)o↑
感動…
そして切ない(゚ーÅ)ホロリ
最高の小説だと
おもいますっ(≧□≦)
頑張ってください!!

141 :さき:08/08(水) 17:21:36 HOST:i125-202-192-106.s10.a032.ap.plala.or.jp
あげ
すっごい面白いです!!
頑張ってくださいっ

142 ::08/13(月) 12:52:17 HOST:07012350486729_mf.ezweb.ne.jp
れい可哀相(;ω;)
あげ☆

143 ::08/13(月) 18:04:16 HOST:softbank219188162053.bbtec.net
やばいいい
早く更新して

144 ::08/13(月) 22:58:48 HOST:05004014526370_ed.ezweb.ne.jp
やばい…最高です


小説書くのうますぎですょ…


涙でてきちゃいました…




更新待ってます。

145 ::08/15(水) 05:00:55 HOST:wtl7sgky51.jp-k.ne.jp
今一気に読ませてもらいたました(:_;)
すごく切なくなって、涙が止まりませんでした‥
頑張って下さい!!
あげます(^^)

146 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):08/15(水) 13:59:05 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
ほあああああ!
こ、こんなにもコメントがあああああっ…
皆さん嬉しすぎですよお…
こんな亀更新の口だけ女を応援してくださって
ありがとうございます。
本当は個人個人にレスしていきたいのですが
皆さんに想う事は一緒なのでここで返させて頂きます。
いつもいつも感動した、やうまいだなんて
お褒めの言葉光栄です…
本当の本当にじいんとしてしまいます…。
こんなに応援して下さる方がいるのに
あたしの更新ペースといったら…
遅すぎですね;しかも夏休みなのにッッ…
あたしは何をやっているんだ!
夏休みだからこそ気合入れて頑張っていきます!
応援、本当に励みになります!
ありがとうございました!!!


__更新__






ふらふらと立ち上がって、二人の前から消えようと思った。

何も言わない二人に背を向けて、海を目指した。

涙でぐちゃぐちゃになった顔。

ふらふらと安定感が無く、脱力しきった体。


とても惨め姿だっただろう。

だろう、なんて甘い言葉。

あたしは絶対に、確実に惨めな姿だ。

あまりの絶望に、涙ももう流れずに呆然と何かを見ていた。


ねえ、千歳。

追いかけてくれないの?

そっちを……選ぶんだね。





「待ってっ……! 行かないでっ……! 傍にいてよ。あたしはまだ……」

「っ……放せよ。頼むから、放してくれ」



ふと聞こえた会話が気になって、振り向いてみた。

玲さんが千歳の腕にしがみついて、泣きながら引き止めていた。






千歳はその玲さんを、振りほどけないんだね。

二人を見た後、すぐに前を見た。

二人の姿で、意識が戻ってきたように、感情が戻ってきたように涙があふれてきた。

千歳のそのあいまいな行動が、どれだけあたしを傷つけているのか気づいてるかな。

想っているのが二人いるから、どちらか一人は必ず傷つくんだよ。

千歳にとって「傷つける方」はどっちを選ぶの?

あいまいな行動は、一人じゃなくて二人を傷つけているんだよ。

気づいてる?

気づいてないから、そんなことができるんだよね。

玲さんには「放せ」という言葉で、あたしのところへ行くという事を表している。

それが玲さんにとっては傷つく言葉なのだ。

だけど振りほどかないから、玲さんに安心感を与えている。

反対にあたしには玲さんを振りほどかない行動で傷つけている。

でもそんな玲さんに「放せ」と、あたしの所へ来てくれるような事を言うからあたしに期待感を持たせている。



千歳はどっちを選ぶの。

はっきりしてよ。

玲さんの方を選ぶなら選べばいい。

それでもいいからはっきりしてよ。

絶望と期待で胸が締め付けられて、とても苦しいんだよ。

絶望に押しつぶされてしまうか、期待で心が軽くなって笑顔になるか。

きっとどっちでも泣いてしまうだろうけど。


でも、どっちの涙かは千歳次第なんだ。

傷つけるのも、幸せにするのも千歳なんだ。

悲しくて泣くのか、嬉しくて泣くのかは千歳が決めるんだよ。




物語の結末は、全て千歳――。


147 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):08/15(水) 17:13:01 HOST:pl973.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
流れる涙を止めようともしないで辿り着いた場所は、さっきまで居た砂浜。

そおっと振り向いてみた。

千歳の姿は見えない。

玲さんを、選んだんだね――。





ゆっくりと足を進める場所は海の中。

ブーツを脱ぎ捨て、コートを脱ぎ捨て。

冷たい冷たい海の中へと、体を入り込ませていく。

「ははっ……。寒いな。冷たいな」

今頃になって意識し始めたけど、雪がかなり降っている。

あたしの最後は、こんなにも冷たい日なんだね。

ただでさえ冬で、ただでさえ風が冷たくて。

それだけでも冷たいのに、雪まで降るんだね。

そんなに神様はあたしの事嫌い?

こんなにも、あたしを不幸に陥れて楽しい?

神様も、物好きだね。

人を不幸に陥れるなんて。


なんて、自分だけが不幸だなんて思っちゃだめなんだ。

あたしがどうにかしなきゃいけない事なんだよね。

分かってる。

分かってるよ。

だけどだけどだけど――。





足がもう、つかないよ。

海が、暗いよ。

真っ黒な海の底に、あたしは沈んでいくのかな。

苦しいよ――。







「おいっっっっっ……!」

千歳の声がした。

反応して振り返ってしまった。

名前を呼ぼうとした。

「ち……」

水が口の中に入り込んできて、あたしの言葉を邪魔した。

本当は怖いよ。

水って怖いよ。

それなのにどんどん深いほうへと体は進む。





ねえ、助けて――。




千歳がこっちに来てるみたい。

あたしより身長高いから、この場所くらい平気かな……。

千歳、何か言ってる?

でもごめん、よく聞こえないよ。

水が入り込んでいて、もう――。



「ち、と……せぇ……」







千歳、大好きだよ……。はっきりしない千歳を、何も言わない千歳を憎らしく思う。

だけど、本気の本気で心の底からは憎めないんだあ。だって好きなんだもん。

千歳のこと、大好きなんだもん。だから玲さんを選んだって、あたし怒らないよ。

ただその現実、今のあたしには受け止めきれない。弱いから。

だから……千歳の前から消えるね。千歳が離れて行ったこの世界から、あたしは逃げる。

もう、この答えしか出ないの……。弱くてごめん。こんな事されても迷惑だと思う。

でもそれもどうでも良く思えてきちゃった。千歳……最後に、セックスしてない時に、名前、呼んでほしかったなあ……。










































「れいっっっっっっ……!」







148 :らむね:08/15(水) 17:27:27 HOST:05004050091796_vr.ezweb.ne.jp
れいの感情がストレートに心に響ぃてきてめっちゃ切なぃです(;Å;)
こんな素晴らしぃ小説をかけるなんて作者さま自身の心がきれぃなんだと思ぃますっっ★+゜

149 :みゆちゃる:08/16(木) 12:33:06 HOST:07002160579342_vs.ezweb.ne.jp
めっちゃめちゃ
感動しましたっ(;∩;)
表現の仕方が
うま杉ですっイ
応援してるんで、
頑張ってくださいっ↑

150 ::08/17(金) 10:17:02 HOST:07012350486729_mf.ezweb.ne.jp
あげ(;ω;)

151 :友紀:08/19(日) 14:36:20 HOST:07022420150012_er.ezweb.ne.jp
初めてコメしましたぁィ~
更新頑張ってくださaaaいフ

152 :沙夜:08/19(日) 16:56:22 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
毎回毎回長いコメントですみません。
なんかだんだん読んでいるうちに涙腺が狂ってしまって(汗)
読んでいくたびにうざったいくらいの涙が流れてきます…。
こんな作品を書けるのは高坂様一人だけだと思います!!
私はもとからの本好きなのですが、どうも携帯小説はあまり好ましくありません…。
でもこの作品を読むと、携帯小説を見る目も柔らかくなった気がします。
私はいつでも高坂様の小説を応援しております!!
これからも頑張って下さい!!

153 :りさ:08/20(月) 11:15:03 HOST:ser357663002688905
あげます!
初カキです♪
すごく感動しました!

154 :愛香:08/20(月) 11:56:33 HOST:05004014526370_ed.ezweb.ne.jp
これが一番好き!!



マヂ好き!!!!!





頑張って下さい☆

155 ::08/20(月) 18:11:30 HOST:05004016461473_vb.ezweb.ne.jp
凄い切ないです...
泣きました(´・ω・`)
なんて言葉で表せば良いのか分かりませんが…これからも応援してます

156 :沙夜:08/20(月) 22:59:51 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
あげぇ↑↑

157 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):08/21(火) 21:13:26 HOST:pl069.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
らむねさん___
わわわわーー!ななななーー!
き、ききーーー! 落ち着きます…
綺麗だなんて…そんなそんなっ…
こんな小説ですらもそのように感じ取っていただけるのなら
らむねさん自身の心も綺麗ですよ!
こんなへぼ小説の応援嬉しいです。
ありがとうございました。

みゆちゃr

158 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):08/21(火) 21:33:42 HOST:pl069.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
↑のミスです。ごめんなさい。
みゆちゃるさん___
感動してくださって、、、嬉しいです。
お褒めの言葉、とても光栄です。
そんなにいってくださる方が居て…幸せです。
ありがとうございました。

ぶさん___
あげ、とても励みになります。
ラストに向けて頑張りますよお★
ありがとうございました。

友紀さん___
初のコメント嬉しいです。
沢山の方が読んでくださって…
もう本当に本当に嬉しいです!
ありがとうございました。

沙夜さん___
そんなそんなっ!長いコメントとても嬉しいですよ?
そうやって、温かい目で見守ってくださって
高坂 陽はとても幸せです…
あたしの小説が沙夜さんを変えれたと思うと
何だかにやけてしまいますね。きもいですね;
でもでも、いつも励みになってます!
毎回毎回、ありがとうございます。

二回コメントありがとうございました。

りささん___
初コメント嬉しいです。
書こうと思ってくださったことが、とても励みになります。
ありがとうございました。

愛香さん___
一番だなんて……!
そんな嬉しい言葉…ものすごく励みになります。
頑張ろう、という気がわいてきます!
ほんとにほんとに光栄です。
ありがとうございました。

茜さん___
涙を流してくださったんですか!
そんな風に受け止めてくださって嬉しいです。
どんな言葉でも嬉しいですよ。とてもとても。
ありがとうございました。


__更新__


何度名前を呼んだだろう。

千歳、千歳って。

何度名前を呼んだだろう。

あたしの名前も呼んで、って願いながら。


何度、何度――。



何度悲しくて涙を流しただろう。

何度辛くて涙を流しただろう。

何度悔しくて涙を流しただろう。

何度嬉しくて、涙を流しただろう――。


千歳と居て、流した涙の多くはきっと悲しい涙。

だけどね、それでもね、好きだったんだ。



だった、なんて過去形にしたくないよ。

だけどあたし、消えちゃうから。

だから、ね。



暗い闇を、一人彷徨っていた。

何も無い、ただただ漆黒の闇の中であたしは泣いていた。

限りなく続く闇の世界の中を、一人彷徨っていた。

何かを求めながら。


何を?

さあ、なんなんだろうね。

千歳の愛じゃない?

千歳に愛してほしかった。

千歳に本気になってほしかった。


千歳に名前を呼んでほしかった。

心から、心の奥底から、本心で、千歳の意思で。

千歳さえ居れば、それでよかった。

千歳に愛してさえもらえれば、それでよかった。

千歳の一番にしてさえもらえれば、それでよかったのに。

何で叶わなかったのかな。

あたしじゃ駄目だったのかな。

あたしにはそんなに、魅力無かったかな。

一緒に居て、「愛しい」って感じさせてあげることは無理だったのかな。


でもね、勘違いかもしれないけどね、千歳はあたしを必要としていたんじゃないかな。

何の事情があったかは分からないけど、あたしのこと必要としていたはず。

なんて、浮かれた妄想はむなしいだけ?

でも、全ての言葉に気持ちがこもってなかったとは思えないんだ。

手をつないでくれたのも、抱きしめてくれたのも、抱いてくれたのも。

全部全部、何かの意味があったんじゃないかって。

違うかな、千歳――。


あたしのただの、妄想かな?

全部、気持ちが無い行動だった?

温もりは全部、偽りだった?



ごめんね、どうしてもそうは思えない。

少しはあたしのこと思ってくれてたんじゃないかって。

すっごく自意識過剰かもしれないけど、そう思ってしまうんだ。

何でだろうね。

今まで千歳のいろんな顔見てきて、その顔には意味があったとしか思えない。

すごく泣きそうな顔で、あたしを見る顔。

あの顔は、何を意味していたの?

なんて、もう今更遅いか――。


もう何も聞こえないよ。

ただ一人ぼっちであたしは彷徨っている。


もう、目覚めることも無いんだね。

もう、声を聞くことも無いんだね。

もう、ぬくもりを感じることも無いんだね。

もう、手を握ってもらえないんだね。

もう、抱きしめてもらえないんだね。

もう、キスしてもらえないんだね。


もう、二度と名前を呼んでもらえないんだね――。

159 :沙夜:08/22(水) 14:41:37 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
泣けます…。
もう本当高坂様はすばらしい文才をお持ちです!!
それに毎回コメントの返事を書いてくださって…。
本当にいつもいつも感謝しております。
これからもがんばってください^^

160 :沙夜:08/24(金) 07:23:17 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
あげます↑↑

161 ::08/25(土) 17:42:03 HOST:softbank219188162053.bbtec.net
はやく更新してー

162 :沙夜:08/26(日) 17:11:55 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
更新まってます↑↑

163 :隠れファン:08/27(月) 20:45:28 HOST:07022030792308_eh.ezweb.ne.jp
あーげ

164 ::08/28(火) 14:02:27 HOST:05004013804208_vx.ezweb.ne.jp
すごく泣けます(艸д+。悲)
頑張って下さい!!
応援しています(・v・q)

165 :ゆーチ:08/28(火) 16:49:09 HOST:ser356606004390385
一気に読みましたあ(><)
宿題しないといけないのに.
つい夢中になって読んでしまいましたヾ(´ω`=´ω`)ノ

ただエロいだけでわなく
.感情表現とか本当に上手ですねPq*

無理しないで.自分のペースで
更新頑張って下さい.
応援してます★

166 :ナツキ:08/28(火) 17:47:00 HOST:05004013804208_vx.ezweb.ne.jp
頑張って下さい!
超ー気になります(・v・q)⌒シ

167 :沙夜:08/28(火) 20:59:17 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
あげぇ↑↑

168 :ゆーチ:08/30(木) 18:09:27 HOST:ser356606004390385
アゲまーす(。・_・。)ノ

169 :高坂 陽  (HbyniiFF/c):08/31(金) 18:25:38 HOST:pl069.nas985.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
沙夜さん___
コメント毎回嬉しいです。
コメントを返すことぐらいでしか、感謝を表せないので
ちゃんと返してゆきたいと想います。
本当、とてもとても励みになっているんですよ!
いつもお待たせしてしまってすいません;
四回もあげありがとうございました。

あさん___
応援の言葉、とても励みになります。
頑張って最終回を迎えられるようにしますね!
ありがとうございました。

隠れファンさん___
あげ、とても嬉しいです。
この喜びを、更新に反映できるよう頑張ります!
ありがとうございました。

姫さん___
すごく泣けるだなんて、そんなそんな…。
そんな言葉を言ってもらえる高坂 陽 は幸せものです!
応援、本当に嬉しいです。頑張って行きますね!
ありがとうございました。

ゆーチさん___
宿題大切なのに、あたしの小説を選んでくださるなんて…!
わわっ!すっごく嬉しいです!夢中にだなんてもう…。
ほんとほんと、そう言って貰えると嬉しいです。
応援の言葉、心にしみてきますよぅ……
更新頑張ります!よろしくお願いします!
二回あげ、ありがとうございました。


ナツキさん___
応援の言葉、とても嬉しいです。
続きを気にしてくださる方が居ると
更新しよう!という気がおきますね!
ありがとうございました。



__更新___



「好きだよ、玲……」

暗い闇の中、千歳が見えた。

千歳は涙を我慢するようにしていた。

泣きながら、笑っていたんだ。

「ごめんな、ほんとう。玲のこと、ちゃんと好きだった。いや、今でも好きだよ。

ただ、俺はそれを表せなかったんだ。

――失うのが、怖かった……」


何を言っているの、千歳?

なんて、こうなればいいといつも思ってた。

千歳にこう言って欲しいって思ってた。

いつも、いつも、いつだって。

あたしに見えてる千歳は何?

何なの?

確かそう、思ってたよ。

だけど泣き笑いしてる千歳を見たかったわけでもない。

何これは。

幻? 


あたしは何を見ているの――。


分からなかった、あたしには。

それが何なのか。

でも、目の前に居る千歳に触れてみたかったけど、どうしても手が出なかった。

あたしの妄想が、ただこうやって映し出されているだけだと思ったから。

手を伸ばしても、きっと届かないと思ったから。

もし触れてみても、脆く、すぐに崩れ去ってしまうんじゃないかと思ったから。


だから、目の前に見える千歳が何だか怖かった。

本当なのかな、真実なのかな。

でももうあたし、千歳と同じ世界には居ないでしょ?

もう、千歳に確かめることも出来なくなっちゃったよ。


ねえ、今更あんなことしたのを後悔するのって……遅いのかな。

もっともっと、自分の想いを伝えればよかったことを後悔するのは、遅いかな。

遅いよね、もうどうにも出来ない。

奇跡さえ起きなければ、あたし生き返れないよ。


もっと伝えればよかった。

「好きだよ、大好きだよ」と。

もっと問いかければよかった。

「あたしのこと好き?」と。

もっと力強く抱きしめればよかった。

「あたしには千歳しかいないんだよ」と。

どうして今更になってこんなこと想うんだろう――。

もう遅いよ。

全て、遅いよ。


もう、何もかも遅いよ――。

それに気づいた途端、あたしの目からは大量に涙が溢れてきた。


「あぁっ……ぅっ……何っ…で今更……っっ。ど、して……。あたし、はっ……あたしはぁっ……」


声を上げて、激しく泣いた。

自分のした事を、激しく後悔した。


嘆いた。

泣き声にして、すべてを嘆いた。

もう戻れない事を。

もう、自分には伝える術が無いことを。

嘆いた。

真っ暗な闇の中、一人で座り込んで嘆き狂った。

その中で何度も呼んだ、千歳の名前を。


お願い、もう一度千歳にあわせて下さい。

もう一度あたしにチャンスを下さい。

後一回だけでいい。

千歳と生きてゆきたいです。

もうわがままは言いません、だから――。


願っても願っても、叶えられる事は無かった、今まで。

途中で、諦めてた、願うことを。

でも今度は叶うまで願うよ。

諦めたりなんかしない。


この願いがきっと、一生に一度の、大きな大きな願い事なんだろう――。



だから神様お願い、あたしを千歳のところに連れて行って――。

もう一度だけ、あたしを地球という惑星の中で、千歳と一緒に生きさせて――。



170 :沙夜:08/31(金) 19:44:30 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
いえAそんな…。
私こそしつこくコメントしてしまってすみません;
今度からは気をつけます!!

やっぱり高坂様の小説は世界一です。
そこら辺に売っている小説で、こんなに号泣したものありません。私は高坂様が小説を書き続ける限り、ずっと応援します。高坂様のペースでいいので、書き続けてください。
本当に心から応援しております。

コメント長々とすみません;
あともう一つあるのですが、高坂様はブログを作ってらっしゃらないんですか?
あるのなら是非、拝見してみたいです!!


171 ::09/02(日) 12:51:24 HOST:05004013804208_vx.ezweb.ne.jp
このお話、本にしてほしいぐらいです(笑
応援してるんで、頑張って下さいト

172 :みゆ:09/02(日) 16:45:25 HOST:ser355285016965061
一気に読ませてもらいました!!
もう涙が止まりませんっ°・(ノД`)・°・
ほんとに最高です
これからも頑張って下さい!!
更新楽しみに待っていますので(゚ω゚*)

173 :沙夜:09/02(日) 21:47:45 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
アゲ↑です^^

174 ::09/03(月) 16:42:46 HOST:softbank221029168041.bbtec.net

お久しぶりです^^
自分の頭文字を取った T です! は
玲ちゃんの感情がもろヒットで直撃してきますよ><
あたしまで、一緒に願っちゃいますよっ←
神様、どうか2人を〜!!
というか、 高坂 陽 さまどうか2人を〜!!←
本当に、この小説は切なさの極みみたいな感じですよー;ω;
これからも、頑張って下さい!!!
来れる時バンバン来てバンバンコメしますんで’З゜←迷惑;
もし、HP作ったら是非教えて下さいねー・∀・
それでは、改めて
あげ ます・ω・


175 :華乃亜:09/03(月) 17:48:04 HOST:softbank218113078140.bbtec.net
初めましてぇ!!
今日、初めて見つけて...
いっき読みしちゃいました♪

切ないよぉー泣ける...。
応援するのでがんばってくださぃ!!

176 :沙夜:09/05(水) 19:44:38 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
あげぇ↑↑

177 :高坂 陽  (HbyniiFF/c):09/06(木) 00:14:03 HOST:pl203.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
沙夜さん___
気をつけるとか、そんなん全然…
本当に本当に嬉しいですから^^
いつもいつもあたしが喜ぶ言葉を……!
世界一だなんてもう…本当に励みになってるんですよ?
長いコメントが嫌とも思っていません。
むしろ感謝しています。
亀更新のこんな小説をいつも待っていてくださることにも
とても感謝しています。
三回もあげてくださって、本当に嬉いです。
これから本当にクライマックス突入です。
最後まで見ていただけると嬉しいです。
ありがとうございました。

姫さん___
本にして欲しいだなんて…^^;滅相も無いですよお…
でもそういう風に思ってもらえる高坂 陽 はとてもとても幸せです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
ありがとございました。

Tさん___
えへへ〜っ。分かりますよお〜★読みに来てくださったんですかあ!?
もーう、すっごい嬉しいです〜。
切なさのきわみなんて…!なんてこと言ってくれるんですか!
すっごい嬉しいじゃないですか。
この二人はどうなってしまうんでしょうかねえ〜。
あたしは天使か悪魔か…どっちでしょうね 笑
まああたしも日々努力してTさんみたいな小説かける人になれるように
頑張っていきますんで、今後もよろしくお願いします。
もう本当にコメントがものすごく励みになっています!
あたしが喜ぶような言葉を沢山言ってくださって…。
なるべく早めに更新したいと思います。
ありがとうございました。

華乃亜さん___
はじめまして。見つけてくださってとても嬉しいです。そして一気に読んで下さるなんて!
感想、これからの励みになります。応援、本当に嬉しいです。もう少しなので
もう少しこの小説にお付き合いいただけると嬉しいです。
ありがとうございました。


__
え〜、2人の方からのコメントで
ブログ、またはHPということなのですが…。
魔法のiらんどで、小説を書いています。
こーんな過激なのは書いていませんけど 笑
前、短編小説板の方で書かせていただいていた
「ラブレターを飛ばして」を少しだけ付け加えたりして
リメイク版として書いています。
あと、ショートストーリーもじゃんじゃん増えていく予定です。
こんなところで宣伝していいのか分かりませんが…
もしよければ来て下さると嬉しいです。
小説があって、プロフがあって、ブログがあって
掲示板があって…と、普通のHPですが
いろんな方に読んで貰いたいです。
日記などではあたしこんなおとなしい性格じゃないでしょうね 笑
方言とか丸出しかもしれませんが…笑い
まだまったく人は来ていませんが
これから読んでいたただける様に頑張っていきます。

178 :高坂 陽  (HbyniiFF/c):09/06(木) 00:14:41 HOST:pl203.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
__更新__


「玲……。玲……。ごめんな、ごめんな……」

暗闇の中に見えていた千歳はいつしか消えて、声だけが聞こえるようになっていた。

聞こえている声は、本物なのか。

本物の千歳が言っているのかは、まったく分からなかった。

「俺、玲がこうなって、やっと気づいた。俺には玲しか居ないって……。俺には……玲しかいねえよ……。

だから、だから頼む……。目を覚ましてくれ……。伝えてえ事が沢山あんだよ……」


そのとき、激しい痛みが胸を襲った。

心かな?

わかんないや。

でも、胸が痛くなった。

「痛……、いよ。ち、とせ、千歳……。助けて……助けて……」

ものすごく痛い。

こんな痛みは初めて。

何の痛みなの?

千歳の心の痛み?

そういう考えが、ふと頭の中に浮かんだ。

千歳の、あたしに向けての罪悪感?

申し訳なさ?

こんなに千歳が痛いんだと、苦しいんだと感じさせてくれてるの?


それが本当だったかは分からない。

だけど、暗闇の中の記憶はそこまで――。

「いやあああああ……っっっ……!」






目を開けて、一番に目に入ったのは白い天井。

あたしはベッドに寝かされていた。

カーテンを閉められていない左の窓からは、雪が降っているのが見える。

ふと右を見てみた。

千歳が居た。

そして、あたしの手が千歳の手に握られていることに気づいた。

あたしの手を握ったまま、千歳はベッドの端に伏せて寝ていた。

小さな寝息を立てて、眠っていた。

「千歳……」

小さく呼びかけてみた、何だか弱々しく感じられる千歳に。

本当に本当に、小さい声だった。


「えっ……!?」

ものすごい勢いで顔を上げた千歳。

目が赤かった――。

「れ、い……」

震える声で、名前を。

涙を流しながら、名前を。

あたしの目にも、涙が溢れてきた。

次々と。

「玲……? 玲……?」

何度も何度も、震える声で、信じていないような目で、驚いている表情で。

千歳が何度も呼ぶから、あたしも答えた。

泣きながら、微笑みながら。

「千歳……。千歳……」

ゆっくり起き上がって、もう一度窓の外を見た。

そして更にゆっくりと千歳を振り返る。


「おかえり……。玲っ……、玲……」

いつものぬくもりがあたしをずっぽりと包み込んだ。

力強く、骨が軋むほどに。

お互いの心臓の鼓動が、伝わるほどに。

あたしも千歳の背中に手を回して、同じように抱きしめた。


こんなに泣けた抱擁は、こんなにも感情込めた抱擁は、きっと今だろう。

言葉なんか、要らなかった。

今のあたし達には、必要なかった。

ただ抱きしめあうだけで、涙を流しあうだけで、繋がっていられた、分かり合っていられた。

「千歳……」


このとき、やっと千歳へと辿り着けた気がした。

あたし、生きていたんだね――。

その喜びと、名前を呼んでくれた喜びを一緒にして涙を流したよ。

こんな涙、いつか流したいと思ってた。

いつも悲しみばかりで流していたから。

あたしやっと、やっと嬉し涙を流せるんだね。

千歳はあたしを選んでくれたんだね。

ねえ、やっと名前、呼んでくれたね――。


179 :ゆめ:09/06(木) 15:53:03 HOST:i60-47-59-150.s05.a022.ap.plala.or.jp
あげぇwww
めちゃくちゃ泣ける((涙
主さん天才ですよ!!

180 :さち:09/06(木) 17:56:24 HOST:FLH1Adc057.kyt.mesh.ad.jp
まじ感動(´□`。)

主さん、この話最高っ!!!!

頑張って下さい♪

181 :沙夜:09/06(木) 20:38:29 HOST:u50041.koalanet.ne.jp
さすが高坂様です!!
もう何回私を泣かせたら気がすむんでしょうか!!??
毎回ピコ森で高坂様の小説を見るたびに泣き腫らしているので、次の日の学校ではいい笑われものです…;
でもやっぱり私をこういうふうにできるのは高坂様だけです!
もうすぐ終わりなのは寂しいですが、私はきかいがあればいくらでもあなたの小説を見に来ます。
あなたの小説は、私にとって幸せの一つです。
このあと、もう少しで終わりですが、最後まで頑張って下さい!!

HPのせてくれてアリガトウございました^^
我が侭を聞いてくれて感謝しています!!
これからはそちらにも顔を出しますので、ご了承お願いします。

182 :T:09/07(金) 18:01:42 HOST:softbank221029168041.bbtec.net


またまたお邪魔します♪←
 高坂 陽 さまが天使でも悪魔でも
お話を素晴らしく完結してくれると信じていますー^^
あたしを目標にするのは間違ってます!!切実。
寧ろ、止めてください!!
下手になっちゃいますから;∀;
こちらこそ、よろしくお願いします。
末永くお付き合いさせて頂いちゃいます^з^
少しでも、励みになって下さっているようで
こちらとしても嬉しいです!!
いやいや、 高坂 陽 さまのペースで
最後まで素晴らしい作品に仕上げてくださいっ
そういえば、HPの方お邪魔させていただきます’З゜
ウザいコメとかイタメとかしたらごめんなさーい。←迷惑。
それでは、あげますー^^



183 ::09/07(金) 21:41:34 HOST:05004013804208_vx.ezweb.ne.jp
喜んで、最後まで付き合わせていただきます♪m(_ _)m

魔法のiらんどで‥。
頑張って下さい!!私は、魔法のiらんど、よく見るので楽しみにしてます(艸*uω0◎)+



184 :沙夜:09/11(火) 07:28:26 HOST:u40241.koalanet.ne.jp
アゲ↑↑

185 ::09/15(土) 01:59:02 HOST:ser356606004390385
放置ですか?

186 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):09/15(土) 12:09:28 HOST:pl203.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
何度も何度も、キスをした。

何度も何度も、愛を深め合った。

でも、その行為で本当に愛が深まっているのかは分からなかった。

千歳の気持ちがあたしにあるのか、分からなかったから。

それでも離れられなかった。

それでも別れる事は出来なかった。

別れる位なら、あたしの事好きじゃなくてもいいから恋人で居たほうがましだった。

なんの関係もなく、繋がりが消えてしまうのが嫌だった。

すごく、怖かった。

別れた後、普通に何事も無かったかのように接する、なんて器用なことが出来る自信も無かった。

別れたほうがいいのかな、と想う事は何度もあった。

だけど別れきれなかったのは、それほど好きだったから。

何でこんなにも、好きになれるのかな。

千歳はすごく、素敵な人なんだね。

こんなにもあたしを溺れさせる。

すごいよ千歳。

千歳の優しい愛撫に、溺れてた。

セックスの時にだけ名前を言ってくれる千歳に、溺れてたんだ。

完全に。

もう這い上がれないほどに。

もう、戻れないほどに好きになってしまったんだ。

あたし、永遠誓えるよ――。





一通り涙を流し終わった後は、沈黙が続いていた。

五分くらいたってから、最初に千歳が口を開いた。




「玲と付き合う前に……、あいつ、“玲”と付き合ってたんだ。特別何かをするでもなく、普通に恋人やってた。

でもな、俺、“玲”にひどい事いってしまって傷つけたことがあるんだ。

それで“玲”は自殺をはかったんだ。大通りで、車が通っている道路に飛び出したんだ……。

飛び出す前に、俺に手紙を書いていた。それは“玲”が病院に運ばれたとき、“玲”の両親に渡された。

たった一言。『今までありがとう』と、そう書かれていた。

俺は自分が馬鹿だと思ったよ……。俺は何してんだ、ってな……。

言ったことを、すっげえ後悔したよ。何度も泣いた……」



千歳は涙をこらえるようにしていた。

間があるときは、唇をかみ締めて、眉間にしわを寄せて。

でもあたしは何も言わなかった。

話が終わるまで、何も言わないでおこうと思った。

千歳がやっと話してくれている。

でも千歳を見ては居られなかった。

だから、窓の外の、あの日も降っていた白い雪を眺めていた。

窓の幅の分だけ移動するのが見える雪を。


「だから俺は“玲”から離れた。もう一緒に居てはいけないと思ったから。

そしてお前……玲が現れたんだ。名字は違ったが、漢字が同じな玲が。

そして付き合うことになって……。最初はあいつのことが好きだった。

またいつか傷つけてしまうから、あまり深い愛を与えないで、線を引こうと思っていた。

だけど、いつの間にかお前のことの方が好きだった。あいつより、玲が好きだった……。

あいつがいきなり連絡してきて、体に一生消えない傷が出来たと聞かされたときは……。

好きな気持ちに鍵、かけた。何度も何度も名前を呼ぶと、その分好きになってしまいそうで怖かった。

あんな手紙を書いたのに、あいつは俺を少しだけ縛るようになった。

『会いに来てくれる?』、『彼女できたの?』、『あたしの事好きだよね?』って……。

だから俺は、明るく、あいつをまだ想っているふりをしていた。あいつには。

確かに、心ん底ではあいつの事想っていたかも知れない……。だけどもう、俺にはお前しか居なかった……」




そこまで聞いた途端に、また涙が目に浮かんだ。

そして頬を一筋、つたっていった。

187 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):09/15(土) 12:10:20 HOST:pl203.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
「あの日あいつが一人で海に来たのは、偶然じゃなかった。駅で俺達を見かけて、ついて来たらしい。

それほど想ってくれていることは嬉しかった。だけどもう、ちゃんと言ってきた。

会うことも出来ない、もう連絡も取れない、傷つけて本当にごめん、おれにはお前じゃない玲が大切だ、って……。

ごめんな、今まで。俺、お前があんな風に想ってるなんて、全然知らなかった。

キスしてしまってごめん。傷つけてごめん。沢山傷つけてごめん。玲の気持ち、分かってやれなくてごめんな。

俺は、玲がいい。これからも、ずっとずっと……。玲しかいねえよ……」







一筋の涙は、いつの間にか量が増していた。

笑うこともなく、無表情で涙を流し続けた。









「好きだ、玲」


その言葉の後に、腕をつかまれ唇をふさがれた。

涙の味がした。

千歳も泣いていた。


「千歳、好きだよ。大好き……」
















ねえ、一途にずっとずっと想い続けたら、願いは叶うのかな。

全ての願いが叶うかは分からない。

でも、叶うかもしれないんだよね。

それだったら願ったほうがいいね。

あの時、諦めないでよかった。

千歳のこと好きでいてよかった。

こんなにも幸せなことが待っていたんだから。

今まで、沢山傷ついてきた。

沢山悲しんできた。

沢山不安になって、沢山涙を流した。

だけど、これからは違うよね。

過去がどうだったかなんて今更いい。

だって、どんな方法を使っても過去を変えることは無理でしょう?

自分が出来るのは「今」と「未来」を変えること。

沢山傷ついたからこそ、こんなにも好きになれたのかもしれない。

ねえ千歳?

あたし達の過去は、必然的なものだったんじゃないかな。

あんなことがあったから、今こうして想いを通じ合わせられているんじゃないかな。

千歳が悪いんじゃない。

あたしが悪いんじゃない。

どっちも悪くない。

すべては神様のいたずらで、あたし達はその苦難を乗り越えてこれたからこんな「今」があるんじゃないかな。

ねえ千歳?

好きだよ。

何度言っても足りない。

好きだよ、なんてもう――言葉なんかじゃ収まんないくらいに好きだよ。

千歳に出会えてよかった。

あたしの悲恋物語は終わった。

あたしの恋愛物語はこれからも。

二人で。


あたし達の、恋愛物語。

これからも何かといろいろあるかもしれない。

だけどね、何でものりこえれそうな気がするんだ。

恋人が千歳だから。

ねえ、ありがとう。

あたしは今も、これからも幸せです――。



188 :高坂 陽 (HbyniiFF/c):09/15(土) 12:17:49 HOST:pl203.nas984.p-fukuoka.nttpc.ne.jp
これにて名前を呼んで、は終了です。
こういうあいさつを書くか迷ったんですけど
皆さんにはとても感謝しています。
その感謝、こんな文でしか伝えられませんが
お願いします、書かせてください。


え〜…長い月日が経ってますね;
これは二個目のスレなのでもっと前から書いていることになりますね;
ずっと亀更新なのに、待ってくださって
応援してくださった皆様、ありがとうございます。
何かおかしいまま終わってしまっているかもしれませんが
名前を呼んで、は終わりです。
放置状態になったことも何度もありました。
でも信じてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
最初は結構エロ多めだったんですけど
だんだんと減ってしまってねえ…笑
期待してた方すみませんです…。
でも、この小説をかけてよかったです。
ものすごく達成感があります。
そして、沢山の喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。
本当に本当に、ほんっとうに長い間、ありがとうございました。
皆さんの応援、ものすごく助けになりました。
これからも高坂 陽 をよろしくおねがいします。

ありがとうございました。




189 :悠衣:09/15(土) 12:20:44 HOST:softbank218113078140.bbtec.net
うー泣ける。。
この小説かいてくれてありがとうです!!
これからも応援します♪

完結おめでとうございます!!

190 :らさな:09/15(土) 14:24:56 HOST:softbank219047084144.bbtec.net
感動しました!!!

191 :沙夜:09/15(土) 20:26:08 HOST:u40241.koalanet.ne.jp
今まで長い間お疲れ様でした。
私は高坂様の小説にであえて嬉しいです^^
これからも、高坂様が書いていく小説を応援し続けます!!
最後にもう一度…お疲れ様でした…。
この小説をもう読めなくなるのはさびしいです…。

192 ::09/15(土) 20:43:47 HOST:p37057-adsau12honb6-acca.tokyo.ocn.ne.jp
ぜひ小説保管庫に入れて下さい。

193 :かな:10/10(水) 22:32:23 HOST:121-84-34-134.eonet.ne.jp
今日、最初から終わりまで全部読みました^^
正直今、涙でまくりです;;
お疲れ様でした

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