ピコ森

屍の山の上で

1 :アリス:07/30(月) 07:20:32 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
この国にはデブはいないんだ。
皆スリムで手足も長いよ。
この国には目覚ましがないんだ。
外からいつもうるさい音が聞こえるよ。
この国には大人がいないんだ。
大人は全員連れていかれたからだよ。
この国には未来がないんだ。
もう何十年も内戦が終わらないからだよ。

2 :アリス:07/30(月) 07:24:22 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
おはようございます。
"大嫌いで大好きな弟へ"を書いていた者です。
感動系です。
多分超短編になると思いますが、ゼヒ読んでください。


3 :アリス:07/30(月) 07:53:29 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
今日の夕方、ボクは友達のパスの家に遊びに行きました。

パスはとっても明るくて、一所にいるとすごく楽しいです。

パスの家はごみ山の中、そこでお婆ちゃんとお爺ちゃんの三人で暮らしています。
ボクが
「パス遊ぼう。木登をしよう。」
と言うと
「よう。よく来たな。だけど俺は木登は出来なくなったんだ。」
と言われました。
パスは木登が大好きなのに、何でだろう。
ボクが
「どうして?」
と聞くと、パスは
「先週地雷を降んだんだ。木登する足が無くなっちゃったよ。」と答えました。
「じゃあ、ボクがおぶってあげるよ。」
そう言うとボクは、パスを背負って縄でしっかり固定しました。
そのままごみ山の近くの一番高い木までいくと
「パス行くよ。」
と言い、ゆっくりゆっくり木を登って行きます。
パスが後ろで
「危ないよ。降りようよ」
と言っていたけど、
「大丈夫だよ。」
と答えて木を登り続けました。


4 :アリス:07/30(月) 08:09:36 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
ボクとパスは、やっと上まで登りました。
高い所の太い枝に座って、パスを隣におろします。
そこからパスと一緒に、沈んで行く夕日を見ました。
真っ赤な太陽はとても綺麗でした。
するとパスが隣で泣いています。
「どうしたの?パス大丈夫?」
と聞くと
「大丈夫だよ。」
とパスは答えます。
だけどボクは心配で
「何で泣いてるの?」
って聞きました。
するとパスはこう言いました。
「嬉しいんだよ。もう二度と木登は出来ないと思ってたのに、お前がここまで運んでくれた。その気持ちが嬉しいんだよ。」
パスはまだ泣いています。
更にパスは言いました。
「ありがとうな。本当にありがとうな。」
ボクはキョトンとして答えました。
「パスとボクは友達だもん。当たり前じゃないか。」
ボクの言葉を聞いて、パスはまたわんわん泣きました。

ボクはパスと一緒に見たその夕日と、パスの泣き顔を忘れないと思います。


5 :アリス:07/30(月) 08:42:01 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
次の日の朝、ボクは友達のネイチャの家に遊びに行きました。
ネイチャは歌が上手な女の子。
いつも綺麗な声を聞かせてくれます。
ネイチャの家は土の中、そこで妹と弟と三人で暮らしています。
ボクが
「ネイチャ遊ぼう。また綺麗な歌を唄ってよ。」
と言うと
「あら。よく来たわね。でも姉さんは、もう唄わないの。」
と、妹に言われました。
何だか、今日のネイチャは元気がないな。
ボクが
「どうして?」
と聞くと、今度は弟が
「病気になって、声がほとんど出ないんだ。きっともう治らないよ。」
と答えました。
「じゃあ、ボクがネイチャの喉に耳を当てるよ。それならどんなに小さな声も聞こえるから。」
そう言うとボクはネイチャを椅子に座らせて、ネイチャの喉にボクの耳を当てました。
ネイチャは少し不安そうに、歌を唄い初めました。


6 :アリス:07/30(月) 09:02:10 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
とても綺麗な声でした。
とても優しい声でした。
ネイチャが歌を唄い終わると、ボクは耳を離しました。
「すごい上手だったよ。とっても綺麗な声だったよ。」
とボクが言うと、ネイチャはシクシク泣き出しました。
妹と弟も慌てています。
ボクが
「どうしたの?ネイチャ、大丈夫?」
と聞くと、ネイチャはコクリと頷きます。
だけどボクは心配で。
「何で泣いてるの?」
って聞きました。
するとネイチャは近くにあった棒を持ち、地面にこう書きました。
゛嬉しかったのよ。もう二度と誰も私の歌を聞いては貰えないと思っていたのに、あなたは歌を聞いてくれた。上手だと言ってくれた。その気持ちが嬉しいのよ゛
ネイチャはまだ泣いています。
だけどいきなり立ち上がり、自分の喉をボクの耳に当て言いました。
「ありがとう。本当にありがとう。」
ボクはキョトンとして答えました。
「ボクとネイチャは友達だもん。当たり前じゃないか。」
その言葉を聞いて、ネイチャはニコッと笑いました。
ボクはその日見たネイチャの笑顔と、その日聞いたネイチャの歌は忘れないと思います。


7 :アリス:07/30(月) 17:23:51 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
次の日の昼、ボクは友達のイミッジの家に遊びに行きました。
イミッジは絵を描くのが上手で、いつもたくさんの絵を描いてくれます。
イミッジの家は土管の中、そこで二人のお兄さんと一緒に三人で暮らしています。
ボクが
「イミッジ遊ぼう。また上手な絵を描いてよ。」
と言うと
「やあ。よく来たね。でももう僕は絵は描けないよ。」
と言われました。
イミッジはいつでも゛いいよ゛って答えるのに、何でだろう。
ボクが
「どうして?」
と聞くと、イミッジは
「2日前に流れ弾に当たったからだよ。腕が少しも上がらないんだ。」
と答えました。
「じゃあボクがその腕を支えてあげるよ。」
そう言うとボクは外から大きな木の板をもって来て、イミッジの前に置き筆を握らせました。
そしてイミッジの右隣に座って、上がらない腕を木の板の上で持ってあげます。
イミッジは震える手でゆっくりと絵を描いていきました。



8 :アリス:07/30(月) 21:39:44 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
素晴らしい絵が描けました。
今までのどの絵よりも、活きた絵が出来上がりました。
「やっぱりイミッジは上手だね。すごいね。」
とボクが言うと、イミッジはボクに隠れて泣いてました。
「どうしたの?イミッジ、大丈夫?」
と聞くと、イミッジは
「大丈夫だよ。」
と答えました。
だけどボクは心配で、
「何で泣いてるの?」
って聞きました。
するとイミッジはこう言いました。
「嬉しいんだ。もう二度と絵を描く事は無いと思ってたのに、キミが僕を支えてくれた。キミの気持ちが嬉しかったんだ。」
イミッジは泣き止みません。
更にイミッジは言いました。
「ありがとう。本当ありがとう。」
ボクはキョトンとして答えました。
「ボクとイミッジは友達だもん。当たり前じゃないか。」
ボクの言葉を聞いて、イミッジは涙をぬぐって笑いました。
ボクは今日見た絵と、イミッジの言葉を忘れないと思います。


9 :ことね:07/30(月) 22:19:28 HOST:07002150196694_ve.ezweb.ne.jp
こういう話大好きです!
すごく感動しました。
今、自分は幸せだな〜
って思いますね…
応援しているので
これからも
頑張って下さいっ★

10 :アリス:08/01(水) 17:06:18 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
次の日の夜、ボクは友達のライトンの家に遊びに行きました。
ライトンは散歩が大好きな女の子。
いつも一緒に散歩に行きます。
ライトンの家はガレキの中、そこで二人のお姉さんと一緒に暮らしています。
ボクが
「ライトン遊ぼう。一緒に散歩に出かけよう。」
と言うと
「まあ。よく来たね。だけどもう私は散歩には行けないよ。」
と言われました。
今日のライトンは、何でボクを見ないんだろう。
ボクが
「どうして?」
と聞くと、ライトンは
「先週の砲撃で目が焼けちゃったの。もう何も見えないわ。」
と答えました。
「じゃあボクがライトンの目になってあげるよ。」
そう言うとボクはライトンの手を取り、外へと歩き出しました。
ライトンはぎゅっとボクの手を握り、ゆっくりボクの後ろを歩いて来ました。


11 :アリス:08/01(水) 22:23:12 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
とても夜空が綺麗でした。
とても清んだ空気でした。
「今日は空気がおいしいね。」
とボクが言うと、ライトンの閉じたマブタから涙が流れています。
「どうしたの?ライトン、大丈夫?」
と聞くと、ライトンは
「大丈夫。」
と答えました。
だけどボクは心配で、
「何で泣いてるの?」
って聞きました。
するとライトンはこう言いました。
「嬉しい。もう二度と外を歩けないと思ってたのに、アナタが私を導いてくれた。その気持ちが私は嬉しい。」
ライトンはクスンクスンと泣いています。
更にライトンは言いました。
「ありがとうね。本当にありがとうね。」
ボクはキョトンとして答えました。
「ボクとライトンは友達だもん。当たり前じゃないか。」
ボクの言葉を聞いて、ライトンはまた泣き出しました。
ボクは今日見た夜空と、おいしい空気を忘れないと思います。


12 :アリス:08/05(日) 12:35:21 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
今日はパスやネイチャ、イミッジやライトンと5人で集まって遊びました。
だけど皆で出来る事って何だろう。
パスは速くは歩けない。
ネイチャは普通に会話出来ない。
イミッジは腕が上がらない。
ライトンは一人じゃあ歩けない。
どうしようかな。
そんな事を考えていると。
「そうだ。タイムカプセルを作りましょう。」
とライトンが言いました。
皆は
「そうだね。」
「そうしよう。」
と言いました。
タイムカプセルに入れるのは、将来の自分への手紙と思い出の品です。
一回家に戻りまた集まって、アルミ缶の中にソレを入れました。
何処に埋めようか少し迷ったけど、町一番の大きな木の下に埋めました。
皆で木の周りに集まって、ボクとネイチャで埋めました。
するとパスが言いました。
「みんなが大人になったらさ。またここに集まろうな。」
続けてライトンが言います。
「その頃は戦争も終わってるわ。」
イミッジが言います。
「そうだね。僕達が大人になる頃は、きっとこの国も変わってるよ。」
ネイチャは「そうだね」と首をコクリと縦に振りました。
皆はわらってました。
明るい未来を夢見ています。
ボクも何だか嬉しくて、つられて笑います。
「約束だよ。」
ボクはそう言いました。



13 :アリス:08/05(日) 13:03:07 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
約束を交した日から9年がたち、ボクは17歳になりました。
皆とは毎日会っています。
パスは義足の使い方が上手くなり、凄く速く走れる様になりました。
将来パラリンピックに出て、金メダルを取るといつも言っています。
ネイチャは少しづつ声が出る様になってきました。
いつか教師になりたいと言って、今は一生懸命勉強しています。
イミッジは、左手での生活にもなれたようです。
将来の夢は、画家だと言っています。
ライトンは将来、花屋になりたいと言っています。
いつか自分の店がもちたいようです。
ボクはこの国の現状を他の国にも知って貰いたくて、写真を撮っています。
そう。
まだ内戦は終わってはいませんでした。


14 :アリス:08/05(日) 13:31:28 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
どれだけ月日が流れても、ボク達の友情は変わりません。
ボクは毎日、皆に会いに行っています。
皆それぞれが、自分の夢に向けて頑張っているようです。
ボクも、その姿を見習って頑張っています。
その日は珍しく5人が集まりました。
楽しく話していると、ライトンが言いました。
「そういえば覚えてる?タイムカプセル。」
パスが答えます。
「そういえば皆で埋めたっけな。何年前だっけ?」
イミッジが言いました。
「忘れたの?明後日で丁度10年前だよ。」
ボクは言いました。
「じゃあ明後日にタイムカプセルを開けに行こう。皆でさ。」
ネイチャは「そうしましょう。」と首をコクリと縦に振りました。


15 :アリス:08/05(日) 21:18:55 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
次の日の事です。
何の前振れも無く、戦争は終わりました。
両軍がお互いに、爆弾の一斉射撃を行ったからです。
両軍全滅でした。
ボク達の町や隣町、更に隣の町まで、国中が燃えています。
ボクはその日、崩れたガレキの中で目を覚ましました。
どうやら頭をケガしたようです。
血が出ています。
やっと外へと這い出たボクは、周りの風景を見て絶句しました。
まさに地獄です。
辺り一面火の海、今まで聞いた事の無いような悲鳴がこだましています。
まともに建っている建物は無く、血を流した人々が道に横たわっています。
まるで悪夢を見ている様でした。
目の前が霞んで見え、足元がグラグラ揺れています。
ボクはバタッと倒れます。
視界が段々狭くなっていきます。
ボクはこのまま死んじゃうのかな。
そんな事を考えていると、目の前が真っ暗になりました。

不思議と思い出すのは、友達の事でした。



16 :アリス:09/15(土) 19:01:17 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
目を覚ますと病院でした。
どうやらボクは、生きている様です。
ムクリと起き上がると、フラフラと外へ歩き出します。
皆ボクには目もくれません。
病院は患者で溢れかえり、医者は治療に追われています。
ボクはそこから家まで帰りました。
小さい頃から、家には誰も居ません。
ボクには家族はいません。
幼い頃に両親が死んだとか、そういうのでは有りません。
ボクは生まれた時から一人でした。


17 :アリス:09/15(土) 21:57:56 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
ボクの事を一言で表すなら「無」です。
幼い頃の記憶はありません。
気が付くとボクは一人でした。
この腐った国で。
この壊れた国で。
この国は、そんな人間で溢れていました。
生きる意味も知らず、目的も無く。
ただただ、無意味に生きていました。
ボクも同じでした。
生まれた瞬間から、カラッポだったボク。
家族も無く、生きる意味も無くし、存在する目的も無くして。
それでもボクは、生き続けました。
毎日毎日、ただ生きるためにゴミをあさりました。
そんな毎日で、ボクは心まで失っていきました。


18 :アリス:09/15(土) 22:04:48 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
そんなカラッポのボクに、意味をくれたのがパス達でした。
初めてあった時、皆はボクには無い全てを持っていました。
優しい家族。
貧しくても絶やさない笑顔。
ボロボロでも温かい家。
人間らしい心。
そんな彼等に引かれました。
ボクはそれから、彼等と良く遊ぶようになりました。
彼等と一緒にいる時は、ボクも笑う事が出来ました。
ゆっくり、ゆっくり。
失った心をと取り戻して行きました。

この砲撃の日までは。



19 :アリス:09/15(土) 22:21:05 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
パス、ネイチャ、イミッジ、ライトン。
皆、逝ってしまいました。
ボクを置いて。
天国へ。
またボクは一人になりました。
少しづつ埋まっていっていたボクの心は、またカラッポになりました。

ボクは今、皆のお墓の前に立っています。
木の棒で作った、小さいお墓。
周りには、何百というお墓が並んでいます。
不思議と涙は出ませんでした。


20 :アリス:09/15(土) 22:43:46 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
あれから3日が経ちました。
ボクはお墓の前に、立ち続けていました。
このままここに立ち続けていれば、きっと皆の所に行ける。
すでに目は霞み、頭がフラフラします。
体は泥で汚れ、体から放つ異臭でハエが寄って来ます。
「あぁ。また皆の所に行けるかな…」
そんな時に頭をよ切ったのは、皆と埋めたカプセルの事でした。

何故でしょうか。
ボクはいつの間にか皆の元を放れ、ボロボロの体でカプセルを掘り起こしていました。
自分でも、何をしているのか分かりませんでした。
掘り起こしたカプセルを、ゆっくり開けました。
皆が小さい頃書いた、手紙が入っていました。
でも何故かその手紙は7枚ありました。
一枚だけ淡い空色の綺麗な手紙。
その手紙はボク宛てでした。
手紙を手に取り、ボクは読み始めました。


21 :アリス:09/16(日) 15:58:26 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
-僕達の友達へ-

元気にしてますか?
この手紙はネイチャ、ライトン、イミッジと一緒におくります。

覚えていますか?君と僕達が初めて出会った日の事を。
あの日はとても晴れた日でした。
君は崩れかけのビルに寄りかかり、まるで人間の様でした。
何も着ていなくて、ピクリとも動こうとしませんでしたね。
最初は声を掛けようか、とても迷ったんですよ。
でも君の哀しそうな目を見ると、何故か放ってはおけませんでした。



22 :アリス:09/16(日) 16:11:58 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
それから一緒にいる様になって、君は少しづつ笑ってくれるようになりましたね。
その笑顔が、僕達を支えてくれています。
皆は感謝しています。
辛いとき君が側にいてくれた、其だけでどんなに救われたか。
君は自分の事を「無」だと言うけれど、それは違いますよ。
君には、僕には無い足がある。
ネイチャには無い声がある。
ライトンには無い目がある。
イミッジには無い腕がある。
君は、およそ僕達が持た無い全てのものを持っています。
家族が居ないと言うなら、僕達が家族です。
記憶が無いと言うなら、僕達と遊んだ日を思い出して。
これ以上を望むというなら、それは傲慢です。
この国には、君の様な体を持つ人は少ない。
この町には、君の様な笑顔を持つ人は少ない。
君は「無」ではありません。
君の中には、全てが詰まっています。



23 :アリス:09/16(日) 16:24:25 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
だから変わらないで下さい。
どれだけ時間が過ぎても。
どれだけ辛い事が有っても。
君は笑っていて下さい。
君なら出来るはずです。


最後になるけど、君にあるものを贈ります。
名前です。
君は出会った日から、名前を持っていませんでしたね。
このカプセルを開ける前に、うっかり誰か呼んじゃってるかもしれません。
ずっと今まで君とか、アナタとか呼んでいたけど、明日からはこの名前で呼ぼうと思います。
だから、今度合ったら返事をしてくれると嬉しいな。
この名前は皆で考えました。



24 :アリス:09/16(日) 16:45:17 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
君の名前はソラ。
何処かの小さい島国の言葉で、空の事です。
ソラにぴったりだと思って考えました。
輝く太陽の陽射しを受け、全に優しく微笑む空です。
是非使って下さい。

じゃあ、また遊ぼうね。
ソラ

-親友ソラへ-


PS
僕の真似をして、自分をボクって呼ぶのは止めなよ。-パスより-

もう少し、言葉遣いを直しとけ。-イミッジより-

たまには、女の子同士だけで遊びましょうね。-ネイチャ、ライトンより-



25 :アリス:09/16(日) 17:38:51 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
目から初めて涙が流れた。
初めて味わう感覚でした。
コレが悲しいという感情なのでしょうか。
心の中の水溜まりをかき回された様な。
心の中をハンマーで殴られた様な。
顔がくしゃくしゃに歪み、涙が止まりません。
ボクは、いや。
ワタシは、その手紙を握り締めました。
その時、空から雨が降ってきました。
ワタシは手紙が濡れないように、慌てて近くの木の下に逃げ込みました。
ワタシは木に寄りかかり、また泣きました。自分でも、何でこんなに涙が出るのか。
分かりませんでした。


26 :アリス:09/16(日) 17:56:44 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
雨が上がる頃には、ワタシも泣き止んでいました。
木の下から出てきたワタシは、空を見上げます。
雨が上がった空は、ワタシに優しく微笑む様です。
自然とワタシの心も晴れています。
ゆっくりワタシは、目を閉じました。
もうワタシは「無」じゃあありません。
今気が付きました。
「無」だったワタシの心は、友達という存在で満たされていたのだと。
皆がくれたこの名前。
ソラというこの名前。
きっとこの名前が、これからのワタシを形作って行くと思います。
だから、見ていて下さい。
皆は、この空の上から見ていて下さい。
ワタシは頑張ろうと思います。
生きるのを頑張ろうと思います。
だから、もしワタシが何十年後に天国へ行けたら。
そこで皆と会えたのなら。
その時は、ワタシの名前を呼んで下さい。



27 :アリス:09/16(日) 18:47:24 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
ワタシは閉じた目を、ゆっくり開けました。
そこにはやっぱり、酷く醜い世界が広がっていました。
だけどワタシは、生きて行こうと思います。
力強く生きて行こうと思います。
記憶が無くても、ここがワタシの産まれた場所だから。
家族がいなくても、ここが皆との思い出の場所だから。
パス、ネイチャ、イミッジ、ライトン、皆が見守っていてくれるから。
この腐った国の中で。
この壊れた町の中で。
そして。
この屍の山の上で…。



28 :林檎飴頂戴 (FjIUrjp7uY):09/16(日) 19:10:23 HOST:eatkyo456024.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
初めて読みました!
短編の方には久しぶりに来ましたがこんな素晴らしい作品があったとは……とても面白かったです。

29 :アリス:09/16(日) 19:18:33 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
はい完結!
間ぁ空きすぎだよ、つってね。
すいません、色々大変だったんで。
でも何とか書き上げました。
カキコミしてくれた、ことねさん、林檎飴頂戴さん、ありがとうございました。
もう一つ"僕とフジと友達と"って言う短編を書いているので、良かったらまた読んで下さいね。
でわでわ、サヨ〜ナラ。


30 :habmoik yagosjfml:10/05(金) 16:33:59 HOST:static-71-249-217-155.nycmny.east.verizon.net
mzvlxt kibqmtdy phqd udvj pndzib dzecrs vtuecp

31 :アリス:10/07(日) 23:06:08 HOST:07032460759664_vq.ezweb.ne.jp
上のナニコレ?


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